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キプロス危機で注目されるビットコイン

※本記事はBLOGOSへの書き下ろしです。

先月キプロスの銀行が経営危機に瀕し、銀行取引が大幅に制限されたとき、P2P(ピア・ツー・ピア)の仮想通貨、ビットコインに注目が集まりました。なぜなら国外に持ち出すことを禁じられた預金を、こっそりキプロスから持ち出すひとつの方法が、ビットコインだからです。

ビットコインの価格はキプロス危機以降急騰し、2013年3月28日に初めて時価総額が10億ドルに達しました。

ビットコインはどこかの国が発行するお金ではないので、法定貨幣(legal tender)ではありません。つまり法律により、支払い義務を果たす際の通貨として認定されていない、所謂、バーチャル・マネーなのです。

これには良い点もあります。

まず最近、先進各国は量的緩和政策などを通じて、わざと自国の通貨価値を毀損しかねない金融政策をとっています。

そのような恣意性を排除し、一定のルールに従って仮想通貨の発行量を厳格に制限しているということは、日頃から通貨の健全性に対して警鐘を発している人々からすれば、好ましい事です。

欧州の一部の国ではビットコインを使って実際にモノを買える場合もあります。しかし現実的にはビットコインを使ってスーパーで買い物をするなどということは不可能です。なぜならビットコインを受け取ってくれる店が極めて限られているからです。

ビットコインは監督されてもいないので、参加者自身が信用リスク、流動性リスク、法律的リスク、運営上のリスクを負います。

さらにビットコインは匿名性が高く、しかも一切のルールの外で運営されているので、取引の参加者には得体の知れない者も多く含まれていると言われています。つまり地下組織やマネー・ロンダリングのお金も紛れ込んでいるのです。このためカウンターパーティーのリスクも取引の当事者がかぶります。

今日、ビットコインに関連するサービスのサイト、インスタウォレットが何者かにハッキングされ、そのサイトが閉鎖されました。

その関係でビットコインが比較的活発に取引されているマウント・ジー・オー・エックス(Mt. Gox)という取引所もダウンしました。

これを見て浮足立った投資家はビットコインを投げ売りました。つい4月1日に$100を初めて超え、垂直に暴騰したビットコインの取引価格は、今日だけで高値の$145から一気に$117まで暴落しました。

円滑な決済に支障をきたすと、ビットコインは脆いということが、今日、実証されたのです。

ビットコインで簡単にモノが買えない以上、一度仮想通貨に換金してしまうと、後はそれが値上がりするのを待つだけです。つまり現状としてはビットコインはギャンブルの域を出ていないということです。

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