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三菱UFJのモルガン・スタンレー出資を検証。成功だったのか?

あつまろです。

2008年リーマンショックが起き、バフェット氏がゴールドマン・サックスに出資した結果、バフェット氏は大きな実りを手にしたことを先日ブログで取り上げました。(バフェットがゴールドマン・サックスの大株主に) では、米国投資銀行のもう1つの雄、モルガン・スタンレーに対しては三菱UFJが出資しました。あれは一体どうなったのでしょうか。5年前から歴史をふりかえってみましょう。

「2008年9月22日:出資発表」
モルガン・スタンレーは三菱UFJからの出資受け入れを発表。出資比率は発行済み株式の20%。ウォール街の名門モルガン・スタンレーが「証券会社」の看板と離別し、邦銀である三菱UFJを筆頭株主に迎えるという、歴史的な出来事です。発行済み株式の20%というのは三菱UFJがこだわっている数値で、モルガン・スタンレーの経営への影響力を持ち、業務提携をねらっていると見られます。

「2008年10月13日:出資確定」
三菱UFJがモルガン・スタンレーへ90億ドル(約9,000億円)の出資。当初は普通株取得の予定だったが、この1ヶ月間の間でモルガン・スタンレー株が急落。普通株に比べてリスクが小さい優先株へ切替。この優先株は配当利回り10%と三菱UFJにとって有利な条件となっていますが、これはバフェット氏がゴールドマンへの出資した条件を参考にした(≒まねた)と思われます。現に三菱UFJ頭取はこう語っています。「同時期にゴールドマン・サックスに バフェット氏が出資し、条件が開示された。それが交渉のメルクマールになったのは確かだ」

「2009年6月3日:追加出資」
三菱UFJがモルガン・スタンレーに約420億円を追加出資する。この追加出資の理由は、モルガン・スタンレーが22億ドル(約2100億円)の普通株公募増資を決めたため、三菱UFJが出資比率20%を維持するために追加出資を決定。

「2009年7月1日:出資後1年で事業提携始動」
出資から1年経ってようやく事業提携が動き始めてきました。この頃に法人向け融資のマーケティングを手がける合弁会社の設立するなど事業提携戦略を発表。また、3月頃に発表された国内の証券子会社の統合にむけた交渉がなかなか決まっていない。この子会社統合が事業提携の目玉として見られていました。
ちなみに取得した優先株から年間約800億円の配当を得ているのに加えて株価自体も復活し、「純投資としては成功」と言われるように。

「2010年5月1日:出資後1年半で国内証券事業統合」
ついに国内証券事業の統合が決定。ただし、当初1社へ全面統合するという計画から変更し、2社を母体としてそれぞれ存続するカタチに。
1.三菱UFJ証券 ⇒三菱UFJモルガン・スタンレー証券(三菱UFJ60%、モルスタ40%)
2.モルガン・スタンレー証券⇒モルガン・スタンレーMUFG証券(三菱UFJ49%、モルスタ51%)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、モルスタ所属の投資銀行部門の100人強が合流し、投資銀行業務と個人向け業務の柱。一方のモルスタMUFG証券は機関投資家向け株式売買業務が中心。

「2011年4月22日:モルガン・スタンレーを持分法適用会社に」
優先株を普通株に転換し、議決権の22.4%を握ると発表。普通株への転換で三菱UFJがモルガン・スタンレーを連結対象になることに。このタイミングで三菱UFJからモルガン・スタンレーに派遣している取締役を1人から2人に増員。 三菱UFJ側は影響力強化と事業提携をさらに進めるような印象を受けます。その一方でモルガン・スタンレー側としては、優先株の配当10%負担の荷を下ろすことができた格好です。

「2013年1月:現在の状況」
三菱UFJのIR、「経営戦略」から三菱UFJの協業をスライドで発表しています。商品戦略と投資銀行業務の2つをご紹介します。
リンク先を見る

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やはり世界のモルガン・スタンレーですし、三菱UFJがコントロールできている印象は受けないのですが、投資銀行業務など証券事業の強化に寄与していることは間違いないでしょう。優先株を取得した08年から11年まで10%の利回りの配当を得て、純投資としても成功していますし、やはり2008年の出資は賢明な判断だったと思います。

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