記事

北朝鮮制圧に必要なものは異文化コミュニケーション?

北朝鮮の三代目がやたらと挑発を繰り返しています。いつものこととはいえ、100%はったりだとも言い切れないので、放っておくわけにもいかず…といった状態ですね。米本土に到達すると見られる新型弾道ミサイルKN-08の開発のこともあるせいか、アメリカのメディアでも北朝鮮がトピックとして取り上げられ始めています。イランに比べてこれまで北朝鮮のことなど気にも留めなかった米国メディアの風向きがちょっと変わりつつあるのかもしれません。

そんな中、少し前のニュースですが、米陸軍がとある研究を行ったことが報じられました。北朝鮮有事のシナリオ研究です。

U.S. Army Learns Hard Lessons in N. Korea-like War Game(Defense News)

研究名は、「Unified Quest」。

本シナリオで米軍が介入するのは、「North Brownland」という仮想国。外国人を敵視し、一族支配で、鎖国状態の核武装した破たん国家という設定です。破たんしているので、核兵器の管理もしっかりできていません。名指しこそしていませんが、まあ、ズバリ北朝鮮ですね。

研究によると、2個師団を送り込むのに56日間。核兵器を確保するために要求される兵士は、約9万人でした。

米軍はNorth Brownlandの南部国境から侵攻するのですが、その過程でいくつかの問題が待ち受けます。

1つめは、核兵器施設の多くが人口密集地に位置すること。米軍は軍事作戦と同時に人道支援任務も負うことになります。人口密集地域から近い場所に支援物資を投下したり、一般市民を目標地点から離れさせたりといった活動にリソースを割かなければなりません。

2つめは、North Brownlandが閉鎖的な国家であるためにヒューミントを構築することが難しく、ISR(情報収集、監視、偵察)が十分に機能しないこと。米軍の作戦モデルの硬直性がここで足を引っ張ることになる、と演習参加者が指摘しています。

陸軍部隊がMV-22オスプレイによって敵軍後方に投入されるところまでは迅速に進むようですが、遠く離れた位置に投入されるとなると、敵からあっという間に包囲され、撤退を余儀なくされることもあったとか。戦闘部隊の展開よりも、ISR部隊やWMD専従部隊との統合が鍵になると提言されています。

演習参加者によると、これまで米軍は作戦を遂行するうえで環境に恵まれたところがあったと言います。クウェートのような兵力・装備投入の拠点が確保されていたり、戦場における指揮・命令ネットワークが確立されていたりといった環境で過去十年活動できたけれど、今後はそういった“贅沢な”作戦環境ばかりではないことを思い出さねばならない、と言及されています。

また、North Brownlandのような閉鎖的で排他的な国の内部で任務を行う際、純粋な戦闘力の他にこれまでとは違うインテリジェンス活動が要求されることに研究は着目しています。特に、活動する国の文化に理解を深める必要がある、と強調していますね。このあたりはイラクやアフガニスタンの経験から引き出された教訓かもしれません。

これらはあくまでも図上演習ですし、研究の詳細が伝わっているわけではないので、これだけで「米軍苦戦!」だとかいう話ではありません。ただ、北朝鮮を制圧する上で必要なのは、約10万の兵士と「異文化コミュニケーション」だ、と米軍が考えているのは興味深いですね。

あわせて読みたい

「」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    給付金効果はあったが見えぬだけ

    自由人

  2. 2

    橋下氏 任命拒否の教授らに苦言

    橋下徹

  3. 3

    ロンブー淳 TVに抱く気持ち悪さ

    文春オンライン

  4. 4

    日本における次世代の目玉産業は

    ヒロ

  5. 5

    岡村結婚の裏に涙のエレベーター

    文春オンライン

  6. 6

    大阪の幻想 維新が得する都構想

    猪野 亨

  7. 7

    NHKと国民の関係性は「強制」に

    PRESIDENT Online

  8. 8

    ネットゲームに求められる人間力

    シロクマ(はてなid;p_shirokuma)

  9. 9

    すすきの感染 酒飲みにうんざり

    猪野 亨

  10. 10

    官僚へ負担どっち? 野党議員反論

    BLOGOS しらべる部

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。