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大災害では「移動しない」

全国初の条例施行 他の大都市でも対応を急げ

都の帰宅困難者対策

大災害の発生時には「むやみに移動しない」を守りたい。

首都直下地震などの大災害に備え、東京都では公明党の推進で制定された全国初の帰宅困難者対策条例が、きょう4月1日から施行される。

東日本大震災の発生当日、自宅に帰れなかった人が首都圏で推計約515万人、都内では約352万人に上り、街は大量の帰宅困難者であふれかえった。

この教訓を生かし、都の条例では、住民に対して「むやみに移動を開始しない」ことを徹底するとともに、事業者には従業員の3日分の食料備蓄などを努力義務に規定。鉄道事業者や集客施設の管理者、学校に対しては、利用者保護や児童・生徒らの安全確保も努力義務とした。

呼び掛けだけではなかなか進まない対策を、条例で明記したことに意義がある。災害時の混乱を抑え、住民の命を守るために必要だ。それぞれが協力して取り組み、大災害に備えたい。

住民にとって大事な点は、家族らとの連絡手段を事前に確認しておくことだ。

災害時に帰宅しようとするのは家族らが心配だからだ。無事が確認できれば、無理をしてまで帰る必要はなくなるだろう。災害時は建物の倒壊や火災などで外を歩くのは危険が多い。被災者の救助や消火活動に支障を来す恐れもある。安全な建物で冷静に待機する方が賢明だ。

安否確認の手段としては、通信事業者が提供する災害用伝言サービスや、東日本大震災で活躍したツイッターなどのソーシャルメディアが有効だ。いざという時に備え、家族らと定期的に試していきたい。

一方、食料などの備蓄は保管場所の確保や経済的な負担を事業者に強いる。だが、各事業者が施設内で従業員らの安全を確保できなければ、混乱を防ぐのは難しい。

都の想定によれば首都直下地震などが起きた場合、都内の帰宅困難者は約517万人にも上る。事業者が従業員らの帰宅を抑制できても、旅行客や外出中の人は帰宅困難に陥る可能性が高い。

都は、こうした人たちを受け入れる一時滞在施設の確保を急いでいる。事業者には従業員向けの対応とともに、待機する施設がない人を収容する協力も強く求めたい。

帰宅困難者対策は東京以外の大都市でも課題だ。南海トラフ巨大地震などが起これば大阪や名古屋でも大量の帰宅困難者が発生する。東京都の取り組みを参考に条例の制定などの対応を急ぐべきだ。

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