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2月の債券市場における投資家の動き

3月21日に日本証券業協会は2月の公社債投資家別売買高を発表した。発表からすでに一週間程度経過してしまったが、あらためてこの数値を確認しておきたい。

短期国債を除くベースで、都銀は3120億円の売り越しとなった。地銀は1769億円の買い越し、信託銀行は2兆5139億円とこの月も2兆円を超える買い越しとなった。農林系金融機関も7310億円、信用金庫は1581億円のそれぞれ買い越しとなった。

生損保も7012億円の買い越し、投資信託も3316億円の買い越し、海外投資家も2528億円とそれぞれ買い越しとなっていた。

都銀と第二地銀を除くとほぼ買い越しとなっていたが、年限別の売買にはそれぞれ偏りも見えていた。それを国債の投資家別売買高でみてみると、都銀は長期債を4319億円買い越していた半面、中期債を6462億円売り越していた。超長期債は20億円の買い越し。ちなみに都銀は1月に長期債と超長期債を売り越して中期債を買い越していた。

信託銀行は超長期債を6500億円、長期債を1兆7968億円の買い越し、中期債は1678億円の売り越しに。円安株高の進行によるパッシブ系の年金運用者などからのリバランスに伴う買いが、長期・超長期主体に引き続き入ったものと思われる。この買いがどこで一巡するのかも、今後は注意する必要がある。

農林系金融機関は超長期を5630億円買い越し。生保も超長期債を7410億円の買い越し。外国人は長期債を4878億円売り越していた半面、中期債を7307億円買い越していた。

短期債の売買高をみると、外国人がこの月も11兆1877億円の買い越しとなっており、外投資家による短期債の買い越しは継続していた。

2月の債券相場を振り返ってみると、月初は1月の米雇用統計を受けた米株高と10年債利回りが2%台に乗せるなどの米債安などから、円債も売りが先行した。しかし、中期ゾーン主体に買いが入り、5年債利回りは0.135%と過去最低利回りを更新し、10年債利回りも0.8%割れに。1月31日の2年債入札での銀行により大量応札観測もあり、中期ゾーンの需給にややゆがみも生じたような動きとなっていた。その後、債券先物は144円前半での主体の小動きが続き、10年債利回りも0.7%台での動きとなっていた。

2月25日に日銀の白川方明総裁の後任に黒田東彦総裁を起用、副総裁には岩田規久男氏と中曽宏氏を軸に検討と伝えられた。アンチ日銀派とされる黒田氏と岩田氏の起用で、アベノミクスへの期待が強まった。債券市場では積極的な追加緩和策への期待も出てきたが、特に期間の長めの債券の買入等も期待され、超長期債を中心に買い進まれた。イタリアの政局が不透明となったことで、25日の外為市場ではドル円は94円台から一時90円台に、ユーロ円も一時120円割れとなった。円債はさらに買い進まれ、26日に5年債利回りは0.115%に低下し連日で過去最低を更新。10年債利回りも0.7%割れとなり、20年債利回りも1.7%を割り込んだ。27日に債券先物は145円台を回復した。

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