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医療を通じて流出する日本の富

今回は少し病気の話などから離れたテーマです。

日本の道路を眺めていると、そこを通る車のほとんどは日本車です。

また、家電量販店でも同じです。いくら韓国製が世界では強いといっても、日本の国内ではやはり国内メーカーの商品が圧倒的です。

技術力では日本は世界トップレベルというのは、僕たちの共通認識だと思いますし、常にそうあってほしいと思う事でしょう。

事実、どんな製品でも国産の物が外国製の物に明らかに負けていると感じる物は殆どないのではないでしょうか?

さて、一方で医療の世界はどうでしょうか。

まず、医療で使われている製品に何があるかというと、

まずは何と言っても薬です。

次にシリンジや針、糸といった消耗品。

そしてカテーテルや手術器具といった高価な消耗品である治療用のデバイス。

内視鏡やエコーなど中型の医療機器。

そして、最後がCT,MRI,LINAC,ガンマナイフ、血管造影装置などの大型の医療機器となります。

この中で、最も病院内で国産の製品を見かけるのはどれでしょうか??

強いて言えば、消耗品でしょう。

たとえばシリンジや針は圧倒的に国産の物が多いです。しかしながら、消耗品と言えども高価な吸収糸などは外国メーカーの物が多いのが特徴です。

さて、薬はどうでしょうか?

国内メーカーの薬も確かにあります。しかしこれも全体的には外資系の薬に押されているのが現状です。

よく使っている薬を眺めていくと、実は処方しているほとんどの薬が外国の物だった、なんてことも少なくありません。

特に、値段のかかる薬は特に外国の物が多いように思います。

抗がん剤など単価のきわめて高価な薬はほとんど外国の物が未だに多いです。

この、高い物ほど外国製が多いという傾向は、カテーテルなどの治療デバイスになるともっと顕著になります。

このブログでも過去に何回か書いてきましたが、たとえば脳の血管内治療などで使うデバイスは、一つ一つが10万以上したりします。

一度の治療で少なくとも100万から200万くらいのデバイス代がかかっていることが多いですが、

ここで使われているのは、ほとんど外国の物です。国産の物もそこそこあるはあるのですが、

殆どがアメリカ製です。

CTやMRIの大型の機械でも、TOSHIBAなんかががんばっているとは思いますが、やはり病院にあるのはGEだったりSIEMENSだったり、外国製が多いように思います。

つまり、ここまで何が言いたいかと言うと、

今でも病院で使われている製品の多くが外国製ということです。

これは恐らく、日本の中では珍しいことで、恐らく医療だけでしょう。

あらゆる分野に高い技術力があるはずなのに、未だに医療だけは外国製品に頼っているのが現状です。

しかも高価な物になればなるほど、外国製が多いように感じます。

これはどういうことか?

つまり、莫大医療費を通じて大量の富が常に外国に流出していることを意味します。国内で循環していないのです。

日本の国民皆保険制度というのは世界から見れば特殊で、患者も医者もそれほど金額を気にせずに高額医療を受けることが出来ます。

これは製薬会社や医療デバイスメーカーからすれば、ものすごく魅力的な市場といえます。

どんどんと高価な製品を使ってくれるわけですから。

ただ、そのお金がどんどんと海外に流れているのは、なんとも勿体ないように感じます。

同じレベルの物が作れる技術は国内にあるはずなのに、と思うのです。

医療を成長産業に!というのであれば、まずはその辺りから変えていきたいところです。

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