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日本の農業はTPPでダメになるのか?

安倍首相がTPP交渉参加を改めて表明した。農業団体、というか特に農協がこれに反対の勢いを強めている。また、一部のナイーブなTPP反対派はよくわからずに「日本の農業が崩壊する」だとか「日本の食が崩壊する」だとか言って騒ぎ立てている。

いつも書いているように日本の農業の実力は実は高い。これは一部の経済界の人たちも誤解しているようでTPPを契機に「弱い」日本の農業を強くすればいいなどと言っているがこれはやる気が会って実力のある日本の農業経営者の方々に実に失礼な言説だろう。もちろん、実力ややる気に欠く兼業農家や趣味レベルの農家の方々にはこれから退場いただくことになるのだろうが。(参考記事→日本の農業は弱いのか

今日は改めてTPPと農業問題に興味がある人に読んでもらいたい一冊を紹介する。
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まず、そもそも野菜・花・鶏肉・玉子などは無関税か低関税である。そしてこれらで農業生産の50%以上を今の国内の総生産物の生産量を占めていると筆者は説く。花は世界3位の生産量を誇るしオレンジやサクランボなど輸入の自由化によってむしろ生産量が増えた作物も多いと筆者は説く。また、牛肉はBSE問題で輸入が途絶えたがその間に生産量は増えるどころか減少してしまった。

また大豆や小麦は高関税のも関わらず補助金目的で作られる国産の品質は劣悪だ。そのほとんどが輸入品でまかなわれている。うどんもパンも国産の小麦は使えた代物ではないというのは有名な話だ。

このように輸入が自由化することや減ることと生産量が増えることの関係性は必ずしも一葉ではない。関税や補助金が国内の生産を守るわけでもない。海外から安いものやより多様な農産物が入ってくることで国内の需要が喚起されむしろ生産量が増えることもあるというちょっと経済学的に考えれば当たり前の理屈が事実で証明される。

最大の心配事としてコメをあげる人も多い。たしかに米を作っているのは零細農家が多い。その上に減反で価格を吊り上げ生産を引き下げるというよくわからない政策が取られている。農水省は国産米が250円程度の価格に対して海外品が57円として試算を出して日本の米の生産は壊滅するといっている。が、実際にはその57円の米は加工品用だ。いわゆるジャポニカ米は中国産の価格が安いものでも170円で、日本人の口に合うものはもっと値段がはるという。ここでも農水省の詐欺が証明(あるいは農協か)されるわけだ。さらにアメリカの米の生産の1000万トンのうち短粒種はわずかに30万トン。国内の生産量の4%にすぎないという。しかも短粒種は世界でも相当マイナーなので売り先が限定される。アメリカの米農家がこぞって短粒種栽培にシフトするなども考えられない。これだけの事実だけでも日本のコメ生産が崩壊するなどということはないことが簡単に理解できる。

重要なことは日本の農産品の輸出が全然伸びていないことだ。世界の農産物の貿易額は年に10兆円規模で延びているというが日本はまったくこれについていけていない。むしろアメリカに対して農産物の関税を撤廃し農業者への補助金も徹底的に削ることで彼らがやっている輸出補助金に対してこれを廃止するように追及するくらいの態度が求められるべきだろうと個人的には思う。勿論、それにアメリカが乗ってくるか葉別にしてそのことが世界のためにもなるし、日本の農産物を積極的に輸出することにもつながるだろう。個人的には全然気にしていないが輸出量を増やすことは食糧安全保障にもつながるはずだ。

上述の話でいけば、砂糖・小麦・大豆の関税を一気にゼロにすれば国内GDPの10%弱を占める食品業界は安価な原材料を手に入れることで日本のおいしい加工食品をもっと海外に売り出すことが出来るだろう。それでなくても日本食ブーム。アジアでは新興国の成長に伴って安心でおいしい日本食を手に入れたいというニーズが高いのだから。安倍首相も言うように乗り遅れてしまうならば「日本」とうブランドがさらに低下し日本にとってさらに不利な状況になってしまうだろう。

と、数字や事実の部分を引用しながら自分なりに論をざっくりと展開してみた。ほかにもいろんな事実が本書には満載である。TPP賛成派も反対派もあるいは、日本の農業って実際どうなのだろう?と知りたい人も本書は必読だと思う。ぜひ読んでいただきたい。

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