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オンラインで法律相談。弁護士のマーケットプレイス「Lawdingo」

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当ブログでは過去に、世界初のオンライン質屋「Pawngo」の事例を取り上げた。すでにあるサービスをオンライン化させることによって成功した、いい一例だ。

今回ご紹介する「Lawdingo」も、すでにあるサービスをオンライン化した。そのサービスとは、「法律相談」だ。ユーザーは、Lawdingoのサイトで自分の相談内容に最適な弁護士を見つけ、そのままオンライン(ビデオチャットorボイスチャット)で法律相談ができるようになっている。

創業は2012年1月とまだ新しいが、同年12月時点ですでに数千人のユーザーがいるとのこと。裁判や訴訟の多い米国ならではのこのアイデアは、いったいどのようにして生まれたのだろうか。

もっと簡単に「法律相談」をするために

Lawdingoを立ち上げたのは、Nikhil Nirmel(以下ニーメル)氏。米国フィラデルフィアの大学を卒業したのち、オンラインマーケティング会社Yodle、レストラン等の口コミ情報サイトを運営するYelpにて勤務していた。

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「オンライン法律相談」のアイデアは、ニーメル氏自身の経験から生まれたものだったという。

「雇用契約に関することで弁護士に相談をする必要があったんだけど、弁護士事務所に出向くことが怖かったんだ。そしたら、とある弁護士さんがSkypeをつかって相談をうけてくれることになった。それがとてもうまくいって、どうしてこれが標準の相談方法じゃないんだろうって思うようになったんだ」(ニーメル氏)

そこで彼は、世の中のすべての人々がもっと簡単に「法律相談」をすることができるプラットフォームとして、Lawdingoを立ち上げた。これまでは弁護士に法律相談をするためには、

  1. 自分の住んでいる街で相談内容に合った弁護士を探す
  2. 見つけた弁護士に電話をかけ、アポイントメントをとる
  3. アポイントメント当日、弁護士事務所まで出向いていく

というプロセスを踏む必要があった。しかしLawdingoを利用すれば、この3つのプロセスがすべてオンラインでできるのである。この利便性は、これまでの法律相談のハードルをぐっと下げることとなった。

Lawdingoのしくみとは?

Lawdingoの使い方はとても簡単だ。ユーザーは、「州」と「相談内容(ビジネス、雇用、不動産、家族問題など)」から弁護士を検索することができる。検索をかけると、Lawdingo上にオンライン中の弁護士と、現在アポイントメントをうけつけている弁護士がリスト表示されるようになっている。

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気になった弁護士がいれば、プロフィールページを見ることも可能。ページには、相談料金をはじめとして、自己紹介、弁護士登録されている州、専門領域、バックグラウンドなどが載っている。

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「この人に相談したい!」と思える弁護士を見つけたら、プロフィールページから直接アポイントメントをとることができる。アポイントメントをとる前にちょっと質問だけしてみたいという人は、まずは質問メッセージを送信することもできる。もしその弁護士がオンラインであれば、その場ですぐにビデオチャットやボイスチャットで話をすることも可能だ。

相談料金は弁護士がそれぞれ設定しているものの、ニーメル氏によると、実際に弁護士事務所で相談するよりも、Lawdingoのサービスのほうが費用が安くなるケースが多いという。たとえば、Lawdingoではすべての弁護士が無料相談時間(最初の20分間など)を受けつけている。

また、オンラインであれば場所の制約がないため、自分が住んでいる街から遠く離れた場所にいる弁護士に相談することもできる。地方の弁護士は都市部の弁護士と比べて、相談料金を比較的安く設定しているので、そういった弁護士を選べばコストを抑えられる。利便性だけでなく、幅広いオプションがあるというのも、Lawdingoの魅力の1つだろう。

弁護士数、ユーザー数の拡大に期待

このLawdingoのオンラインサービスは、ユーザーだけでなく、登録している弁護士にとっても利点がある。それは、彼らのローカルエリア外の場所にいる人々を新規顧客として獲得することができるということだ。アポイントメントの受けつけ時間を自分のスケジュールに合わせられる柔軟性も大きなポイントである。

Lawdingoの現在の主な収入源は、弁護士に対する毎月の登録料だ。コミッション制にしてしまうと、弁護士がLawdingo上で見つけた顧客でも電話やメールで応対し、コミッションへの支払いをしぶると考えられたからである。Lawdingoでは弁護士に対して、登録初月に限って登録の解除と返金を受け付けているが、これまでに返金を求めてきた弁護士は1人もいないという。

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ユーザーには「手間をかけることなく、比較的安い費用で、自宅にいながらにして一流の弁護士に法律相談をすることができる」というメリットがあり、弁護士には「時間も手間もお金もかけることなく、新規顧客を獲得することができる」というメリットがある。まさにWin-Winのビジネスモデルだ。

2012年11月時点で、登録されている弁護士の数は205人。今後、弁護士の数、そしてユーザーの数をどれだけ増やしていけるかがLawdingoの成功のカギとなるだろう。この利便性ならば需要は間違いなくあるはずなので、これからのさらなる知名度の拡大に期待したいところである。

質屋や法律相談以外にも、オンライン化して活きるサービスはまだまだ存在するはずだ。次なる画期的なオンラインサービスを生み出すのは、ひょっとするとあなたかもしれない。

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