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大義なきイラク戦争の失敗が教えるもの

今日、3月20日でイラク戦争の開戦から10年になります。この戦争は、大きな失敗でした。

 それを早々と支持した小泉政権も、大きな間違いをおかしたことになります。この過ちから私たちが学ぶべきものは何でしょうか。

 第1に、この戦争が嘘とデタラメによって始まったということです。大量破壊兵器の開発や保有、フセイン政権とアルカイダとの結びつきなど、戦争を正当化する証拠は何も見つかりませんでした。

 アメリカは嘘を言って戦争を始め、多くの国々を焚きつけてそれに協力させました。日本の小泉首相も、何の確証も独自の情報もなかったにもかかわらず、ただアメリカに言われたからという理由で、これに追随してしまいました。

 アメリカが嘘を言って戦争を始めたのも、これに日本が追随し、出撃拠点として協力したのも、この時が初めてではありません。トンキン湾事件をでっち上げて戦争を始め、大きな失敗に終わったベトナム戦争という前例があったにもかかわらず、アメリカも日本も再び同じような間違いと失敗を繰り返したのです。

 第2に、このような失敗の背景には、軍事力というハードパワーによってフセイン政権を倒すという誤った考え方があったということです。国際紛争を、対話や外交努力ではなく、軍事力などによって力づくで解決しようとした結果が、イラクへの多国籍軍の侵攻でした。

 もし、このときフセイン政権への疑惑があったとしても、軍事侵攻ではなく、粘り強い外交交渉によって解決を図ろうとしていれば、16万人とされる民間人の死者は出ず、4500人にも上るアメリカの若者も命を失わずに済んだはずです。イラクは戦禍によって荒廃することもなく、人々の生活が脅かされることもなかったでしょう。

 戦争は侵攻した多国籍軍の側にもイラクの人々にも多大の犠牲を生み出しました。国際的な紛争を解決する上で軍事力は無力であるだけでなく、そのような紛争の解決を妨げ、時には拡大するということを知るべきでしょう。

 第3に、日本の責任です。小泉首相は、このような大義なき戦争に加担し、日本を戦争に巻き込みました。

 イラクで亡くなり傷ついた多大な犠牲者に対して日本は加害者の立場にあり、その責任は免れません。イラクのサマーワへの自衛隊の派遣や航空自衛隊による米軍の兵員・武器輸送への協力によって、日本は明確にアメリカの側にあることを示し、そのためにイスラム世界から敵視されることになったのは大失敗でした。

 なぜ日本は、親米であり隣国に位置していながら、イラク戦争に協力しなかったカナダのようなあり方を選択しなかったのでしょうか。99条の憲法尊重擁護義務にしたがって小泉首相が9条を正しく守っていれば、このような大失敗をおかすことはなかったでしょうに……。

 このように、日本はアメリカに追随して間違った戦争に加担しました。しかし、イラクに派遣された自衛隊は戦闘に巻き込まれることもなく、イラクの人々を殺傷することもありませんでした。

 それは、憲法9条の制約があり、非戦闘地域への派遣にとどまったからです。もし、安倍首相がねらう自衛隊の国軍化や集団的自衛権の行使容認が実現していたら、どうなっていたでしょうか。

 このような転換は「右傾化」ではなく「普通の国」になることだと、安倍首相は弁解しています。しかし、「普通の国」は軍事力に頼って問題を解決しようとして「普通の失敗」をおかすものだということを、イラク戦争は教えているように思われます。

 このような失敗を、日本も戦前におかし、アメリカはベトナムとイラクで2回も繰り返してしまいました。それを避けようというのが、憲法9条の叡智だったのではないでしょうか。

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