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キプロスを混乱させる2人の女性政治家

突然ですが、キプロスの預金課税についてどう思いますか?

 その前に‥

 日本ではキプロスって言うのですが、アメリカの公共放送を聞いていたら、サイプロスって発音しているのですよね。Cyprusって書く訳ですから。

 ロシアの富裕層がキプロスの銀行に預金をしていて‥そして、そうしてお金を預ける行為がマネーロンダリングの疑いが濃いから預金に課税しても当然だ、なんて思いますか?

 私は、今回の措置‥とは言ってもまだ最終決定された訳ではありませんが‥どうも納得がいかないのです。

 確かに、ドイツやオランダなどの優等生の国からすれば、何故キプロスの銀行を救済するために、自分たちが犠牲にならなければならないのか、という不満はよく分かります。

 しかも、そのキプロスの銀行にお金を預けている預金者のなかには裕福なロシア人が多いと聞けば‥

 裕福なロシア人を救うために‥しかも、そのロシア人が預けているお金の出所が怪しいと聞けば、なおさら何故自分たちが負担を負う必要があるのかと文句を言いたくなる理由は分かるのです。

 しかし、だからと言って、キプロスの銀行にお金を預けている全ての預金者に負担を強いるのであれば、何の責任もない貧しい人々まで巻き込んでしまうのです。

 いいですか? 絶対に安全だと思っていた預金が、ある日突然、その一部がカットされて国に徴収されようとしているのです。

 そんなこと貴方は許せますか?

 いずれにしても、もし、そのような動きが起こりそうになれば、預金者なら誰でも即座に預金を引き出そうとするでしょう。それが今、キプロスで起こっていることなのです。

 しかし、そうして殆ど全ての預金者が一度に預金を引き出そうとするから、銀行がパンクしてしまう。そして、それを金融危機と呼ぶ。

 そんなことをどこの国の政府も起こしたくないから、預金保険の制度を完備している訳であり、また、大銀行の経営が危なくなりかけると、政府は否が応でも救済に乗り出すのです。

 今回のキプロスの銀行の救済措置についても、金融危機を起こしたくないとキプロス自身が考え、そして、そうしたキプロスを支援するためにEUやECB、そしてIMFが動いているのに‥どういう訳か預金者に負担を求めるという変則的な結果になってしまっているのです。

 百歩譲って、仮に預金者に負担を求めることがあるとしても、それは大口の預金者に限るべきではないのでしょうか。

 何故ならば、お金持ちなら、それ位のリスクがあることを覚悟しておくべきであるし、その一方で、小口の預金者を救済しなければ、決して金融危機は収まることがないからです。

 だって、そうでしょう?

 預金がカットされることが分かっていて、預金をそのまま銀行に預けておくバカがどこにいるのか、と。幾ら1回限りだと言っても、また、預金がカットされることがないと誰が断言できるのか?

 今までだって、預金のカットなど決してある筈がないと思っていたから安心してお金を預けていたのに、自分たちの信頼をこうも簡単に裏切ってしまう政府や銀行を誰が信用できるのか、と。

 そのような疑念が国民全般に広がってしまうと、銀行は、なかなか信頼を回復することなどできないのです。

 つまり、今回の銀行救済措置を決定した者たちは、金融危機の本質が全く分かっていないとしか言いようがない。

 ラガルド専務理事と、メルケル首相は、本当に何を考えているのか?

画像を見る それから、ロシアの富裕者層が預けているお金にしても、何故、彼らに負担を求めることが適当と言えるのか?

 彼らが銀行の株主であり、株主としての責任を問うというのであれば、分かるのです。でも、彼らは純然とした預金者なのです。何故、彼らに犠牲を強いるのか?

 お金の出所が怪しいから?

 しかし、そんなことは全て噂の類であり、確固たる証拠がある訳でもなし‥それに、幾ら出所が怪しいからと言って、そのような預金が今回の措置により、一気に流出する事態になれば、それこそ銀行は経営破たんの恐れが強まってしまうです。

 それとも、そのような出所の怪しいお金は、他の国に流出したくても流出できないだろうからと高を括っているということでしょうか?

 しかし、預金がカットされるとなれば、どのような性質のお金であろうと‥つまり額に汗水たらして稼いだお金であろうと、濡れ手に粟で儲けたお金であろうと、必ず流出してしまい、二度と戻ってこないでしょう。

 つまり、キプロスの金融危機は収まるどころか、悪化してしまうでしょう。
 
 それが、ラガルド専務理事やメルケル首相がやろうとしていることなのです。

 だいたい、キプロスがマネーロンダリングを幇助するようなことをして怪しからんというのであれば、そもそもキプロスのユーロ圏入りを認めるべきではなかったのです。

 さらに言っておくと、キプロスの銀行の社債を保有している人々には負担はかからないのだとか。何故扱いが違うのか? また、キプロスの銀行であっても海外の支店に預けてある預金には課税されないのだと。これもまた、何故扱いが違うのか?

 ドイツの人々が、キプロスがもっと負担を負うべきだという言い分が正しいとしても、それなら、キプロスの人々に別の形で負担を求めるべきであって、このように預金者に負担を求める方法は決して適切ではないのです。

 本当にどうしようもないとしか言いようのないユーロ圏。

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