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極右の人種差別やヘイトスピーチ・ヘイトクライム(憎悪表現・憎悪犯罪)で東京オリンピック招致は失敗する

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 2013年2月9日に新大久保で行われた「不逞鮮人追放!韓流撲滅 デモ in 新大久保2013/2/9」と称するデモは、極右集団「新社会運動」が主催し、同じくこれも悪名高い「在日特権を許さない会(在特会)」が協賛したものでした。

 このデモは、「風紀を乱す5万人の韓国人売春婦を日本から叩きだせ!いまだに韓流にハマる日本の汚物=韓流バカも出て行け!」などと主張し、「朝鮮人殺せ殺せ」「朝鮮人をガス室に送れ」などとシュプレヒコールしながら、旭日旗を掲げる人や冒頭の写真のように

「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」

というプラカードや

「朝鮮人 首吊レ 毒飲メ 飛ビ降リロ」

「ハヤククビツレ チョウセンジン」

とするプラカードを掲げていました。

 これが今の日本、東京でつい先だって起きた現実なのです。

「不逞鮮人追放!韓流撲滅 デモ in 新大久保2013/2/9」



 この「朝鮮人を殺せ」のようなプラカードの文言は、多くの国では人種差別禁止法などで「犯罪」にあたり刑事罰が科せられるヘイトクライム(人種憎悪犯罪)です。ところが、日本では取り締まりの対象とはなりません。人種差別を禁止する法律が実質的には存在しないためです。

 日本も批准している人種差別撤廃条約はその4条で人種差別の扇動を法律で禁じるよう求めていますが、日本政府はこの条文には留保を付けて実施してきませんでした。その理由は

「正当な言論を萎縮させる危険を冒してまで、処罰立法を検討しなければならないほど、現在の日本で人種差別の扇動が行われているとはいえない」

というものです。このように多くの先進国には刑事罰規定のついた人種差別禁止法があるにもかかわらず、日本政府は必要がないとして制定を見送ってきたのです。

 人権委員会設置についても、国際的に見ても各国に国内人権機構が置かれるようになり、1994年には国連においても国内人権機構が拠るべき基準(これは,「パリ原則」と呼ばれています。)が総会において採択されました。我が国は1999年に自由権規約(B規約)委員会から、政府からの独立性を有する国内人権機構の整備について勧告を受け、その後も今日まで各種人権条約の委員会等から同様の勧告等をたびたび受けていますが、いまだに設置に至っていません。

法務省のQ&A(人権委員会設置法案等について)

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暴走する反韓流運動 2013年2月17日 東京・新大久保    面白いことに、この人権擁護法や人権委員会が設置されると表現の自由が侵害されるとか、かえって人権侵害が起こると強く主張しているのは、在特会などの極右団体です。自分たちのヘイトスピーチにより脅かされる韓国・朝鮮などの人々の人権には至って無神経なのですが、自分の差別的表現の自由はなにがなんでも擁護しようとしているわけです。

 というか、自分たちのやっていることが人権侵害で差別だとわかっているから、人権擁護法の対象になるのは自分たちだと自白しているわけですね。

 こういう人たちに限って、権利の主張の前に義務を果たせだとか、公助より自助などというのですから困ったものです。  

 ところで、東京都は、2012年11月に日比谷公園に集まって行われるはずだった脱原発100万人デモに対して、日比谷公園の使用を許可しませんでした。それまで、脱原発デモ隊は日比谷公園の一角に集まり出発してきたのですが、東京都はこれを禁止し、集まる会場として園内の日比谷公会堂や大音楽堂をバカ高い料金を払って有料で借りるよう求めるようになったのです。

 他方、このように脱原発デモを妨害した東京都は、在特会などの人種差別デモは許可しています。その結果、こういった一種の言論「テロ」が容認されている状況は、国家の信頼を大きく損なう原因になりかねませんし、東京オリンピック招致の支障にもなるでしょう。というか、平和の祭典オリンピックを開催する資格は、猪瀬都知事ら東京都関係者にはないのでは?  

 それでなくても、原発事故のあった福島から目と鼻の先(に地球儀では見える)東京に来ることを嫌がっているアスリートは多いのです。脱原発には不熱心で人種差別デモは大目に見るようでは、東京オリンピックはむしろ実現しない方がいいのかもしれません。

 そんな中、2013年2月18日にNHKツイッター公式アカウントが以下のようなツイートを流しネットウヨクにより「炎上」しました。極右は自分たちの表現の自由は極大化して行使するのに、他人の表現にはことのほか神経質です。

なぜ安倍総理は辞めたのか、および、ネットウヨクによる安倍自民党総裁押しが気色悪い件
リンク先を見る

(゚ー゚*)。oO(ヘイトスピーチをまき散らすだけで、まるで何か世の中の役に立つことをやっている気になっているようなネット弁慶さんたちには、1度でいいから東北へ行ってボランティアでもしてきなよ、と言いたい。かなり本気で言いたい)(1号)

 さて、ホロコーストで有名なユダヤ人迫害などを行なったナチズムのもと、大日本帝国などと同盟を結んで世界大戦を引き起こしたドイツでは、刑法で「民衆扇動罪」を設け、ナチス下のホロコーストの事実を否定するような言動も禁じています。このような民主主義の基盤をくつがえすような表現や結社は認めないというあり方は「闘う民主主義」と呼ばれています。

 3月14日には有田芳生氏(民主)、平山誠氏(みどり)ら有志国会議員による抗議集会が国会で開かれ、「日本でもヘイトスピーチ規制を議論すべきでは」との意見も相次ぎました。

 しかし、わたしは、実は、闘う民主主義の立場は取っていません。

 たとえ差別的表現でもそれは思想の自由市場で淘汰されるべきであると考えています。許される表現と許されない差別的表現を区別するのは困難で、国家権力の恣意的介入があり得ます。国家に「良い表現」と「悪い表現」を取捨選択する権限を認め、国民の手元に届く表現をコントロールさせるべきではないと思っているのです。そんなことをすれば国家権力にとって都合の悪い表現が国民に届かなくなる危険性があります。

 わたしは、さまざまな表現がすべて「市場」に出てきて、市民の知るところとなれば、人々は差別的な表現は取り上げないはずだと考えているわけです。ですから、人権委員会設置法案も法務省の外局として作るという今の案には反対です。法務省管轄の刑務所内での人権侵害をも対象にする以上、せめて内閣府の下の独立行政委員会にしなければ認めるべきではないと考えています。

 しかし、在特会などの現実を見ると、私のような感覚は楽天的な性善説、ユートピア思想で、非現実的なのかもしれませんね。

 日本政府は前述のように「正当な言論を萎縮させる危険を冒してまで、処罰立法を検討しなければならないほど、現在の日本で人種差別の扇動が行われているとはいえない」としていますが、もう規制が必要なほど人種差別の扇動が行なわれていると見た方が正しいような気もします。

 在日の方がたくさんお住まいになっている東京の新大久保や大阪の鶴橋などに行って朝鮮人殺せなどと叫ぶ輩は、めちゃめちゃに取り締まって、ボッコボコに重罰に課せられればいいのに、と思わないでもないです。

 極右は自分で自分の首を絞めているのです。

自らの首を絞める嫌韓流デモ

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写真は新大久保での2013年2月17日の反韓デモに対する対抗言論。「在特隊」=「在日外国人と特別仲良くなって世界各国のめっちゃ美味しいモノを食べまくり隊」だって(笑)。行動する右翼に比べて、表現するリベラルな方たちの高潔なこと!ぜひ、一般市民の方々には思想の自由市場で、こっちの在特会を選んでいただきたいものです。

 たとえば、皆さんが仕事の関係かなんかで中国に住んでいて、「良い日本人も悪い日本人もどちらも殺せ」というプラカードを掲げた反日デモが自分の住む町で行われたら、生きた心地がしないと思いませんか?

 実際、関東大震災直後の東京において、朝鮮の人たちに対する流言飛語=デマが飛び交い、多数の朝鮮人の方々が日本人の手で虐殺された歴史もあるのです。2013年2月24日に行われた大阪・鶴橋のデモでは「鶴橋大虐殺をするぞ」といったコールも出たということです。

 もう、それは表現の枠を超えて物理的脅威です。対象とされている方々はどんなにか恐ろしいでしょうか。そんな危険な表現は法律で取り締まるべきだという意見も十分理解できるところです。

 ところで、反原発運動への弾圧事件が続く大阪で、在特会メンバーの「被害届」を理由に、大阪府警公安第三課が2月中旬、従軍「慰安婦」問題に取り組む市民団体への家宅捜索を強行しています。

 右翼と警察が昔から「良い仲」なのは周知の事実です。国家権力を恣意的に濫用する警察や地方自治体も追及しなければなりません。そして、国家権力とグルになって他人の人権を侵害する人たちに、人権擁護法案に反対して表現の自由を叫ぶ資格はないというべきです。

参考記事

Afternoon Cafeさんより

心底恥ずかしい憎悪犯罪(ヘイトクライム)の意図的な放置(1)

心底恥ずかしい憎悪犯罪(ヘイトクライム)の意図的な放置(2)  

村野瀬玲奈の秘書課広報室さんより
極右グループによる東京・新大久保のコリアンタウンでの暴力威嚇行為

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