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はじまりは兄との歪んだ関係 他者からの承認を求めて行き着いたのは・・・ 千穂の場合【生きづらさを感じる人々41】

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「兄との関係が気になっていました。年が近くて、ずっと一緒にいた気がします。私は虐待だったとは思っていないのですが…」

千穂(仮名、26)は、幼い頃の兄との関係に気になっていたことがある。要因の一つは、性的な接触だった。

「幼稚園のころ、兄から『ベッドに入ってくるように』と言われたんです。そして、服を脱いで抱き合った記憶があります。お互い、そういったことに関心が高かったように思います。まだ、性的な意味はわかっていませんでしたが、お互いに触っていたように思います。思っていたものと違っていたのか、いつからか兄が拒否的になりました。兄は『もういいよ』と言いました。妹と(性的な接触を)したかったわけではなかったのでしょう」

兄に性的接触を求められ続けた幼少期

ただ、裸で触る行為は小学校3年生ごろまでは続いた。

「兄は拗らせた部分がありました。兄が私への接触で違っている感覚を持ちながらも、寝ているときに、胸を触ったことがあると言われたことがありました。お風呂では、『触り合うゲームをしよう』と言ってきました。この頃のことには嫌悪感が残ったのですが、それでも性的な評価を求めていたと思います。幼稚園の頃も、可愛くないと言われることをずっと気にしていました。容姿に欠点があると思っていました」

きょうだい間の性的虐待はときおり耳にする。厚生労働省の「潜在化していた性的虐待の把握および実態に関する調査」(20年度、対象は215の児童相談所と、1894の市町村、回収率は児相57.7%、市町村26%)によると、加害者で最も多いのは「実父」(250件)、そして、「実父以外の父」(161件)、「内縁男性(過去を含む)」(89件)。こられに次いで「兄」(81件)になっている。「異父母の兄」を含めると、98件だ。ただし、経年の比較調査はないため、この件数が多いのかどうか判断するのは難しい。

両親は家庭内別居 家の中からなくなった「居場所」

千穂と兄の間では暴力も含めたきょうだい喧嘩が絶えず、母親もそのことは知っていた。応酬の中で千穂が絶叫すると、近所からは苦情の電話がかかってきた。母親は兄に対し、「喧嘩をやめて」と言ったり、言い争っていたという。

兄と千穂は同じ部屋だった。楽しいことや、本や漫画は共有していた。しかし、兄が千穂を遠ざけるようになったとき、「(部屋から)出て行け」と言った。そのため、部屋を移動した。ただ、当時、両親は家庭内別居で、リビングが事実上の母親の部屋だった。母親も1人になりたかったのか、「来ないで」と言われたため、千穂は家の中に居場所がなくなり、昼間は図書館やスーパーに足を運んだ。家にいるときは、トイレの中に引きこもり、漫画を読んだりしていた。

兄とは性的なコミュニケーションや暴力的な関係からの歪みが生じたものの、中高の時代はよく勉強をした。そのため、学費免除となる特待生ともなった。

「6年間、特待生になりました。それだけ頑張ったんです。中2でホームステイもしましたが、その費用も免除されました。頑張るのは使命だと思ったんです。今の私には無理だと思うくらい頑張りました。遅刻もしませんでしたし、成績は常に上位を維持していました」

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