記事

韓米FTAのその後。韓国を他山の石に。

韓米FTAは、昨年3月15日に発効しましたが、当初、韓国国内においては、よくある経済連携協定だ、との認識で、国民も、国会議員もさほど問題意識は持っていなかったようです。

これに対して、韓国の弁護士、宋基昊(ソン・キホ)氏が、何百ページにも及ぶ協定書の翻訳をしてから、多くの韓国国民が大変な内容だと知り、一気に反対運動が盛り上がりました。この翻訳は、「恐怖の契約米韓FTA」とのタイトルで日本語にも訳されています。

その宋基昊氏が、先日(2月28日)、私の事務所に訪ねて来られ、意見交換をしました。

この一年、韓国では何があったか。

  • (1) アメリカ向け輸出が増える、との宣伝があったが、現在のところ、輸出増加効果は出ていない。逆に、自動車に関して、韓国の関税撤廃により、また、輸入枠の設定により、米国産自動車の韓国進出が増加。
  • (2) FTA履行のため、63に及ぶ法律や施行令等を改正。今後、さらなる制度変更への対応のため、法令変更が必要。
  • (3) 米国政府は、IT事業に関し、韓国政府と公企業に対して、中小企業優遇政策がFTA違反だとして改定要求の公文書を発出。
  • (4) 投資ファンドのローンスターが、韓国政府を提訴(ISD条項)。
  • (5) 経済自由区(特区)において、営利病院設立が可能に。
  • (6) 農業の所得低下。米国産果物の輸入急増。
  • (7) アメリカは、韓国からの輸出に対して、ダンピング輸出だとして相殺関税を発動(保護主義の強化)
とのことでした。TPPは韓米FTAをお手本としていますので、韓国の現状は、TPP参加後の日本への影響を考える上で参考になると思います。

さて、前掲書「恐怖の契約米韓FTA」における宋基昊氏から日本の読者へ向けられた巻頭言には、

「韓国人が韓米FTAを体験した経験からすると、FTAやTPPは市民らの平凡な日常生活に大きな影響を与える」、

「韓国の経験からすると、米国とのTPP交渉は一度始めれば中途放棄はできない。」

交渉が不利になったら席を蹴って抜け出せばいいという楽観論は通じない。」

「米国が日本に要求するTPPの交渉開始先決条件を受け入れ、交渉に入ってしまえば、結局妥協に向かって走ってしまうだろう。」

そうならないよう、日本の読者が韓国を他山の石としてみてほしい。」

とあります。どうですか。楽観論は厳禁です。一度入ったら抜けられないのです。安倍総理には、今一度、しっかりと再考願いたいと思います。

あわせて読みたい

「TPP」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    コロナはインフルエンザ程度?インフルエンザで死ぬかと思った24歳の時の話

    かさこ

    08月01日 09:14

  2. 2

    新型コロナ感染者数が過去最多も 病院のひっ迫状況を強調するだけの尾身茂会長に苦言

    深谷隆司

    08月01日 17:19

  3. 3

    「日本人の給料はなぜ30年間上がっていないのか」すべての責任は日本銀行にある

    PRESIDENT Online

    08月01日 16:13

  4. 4

    五輪の「祝賀モード」は選挙で政権に有利になるのか?減り続ける菅総理のポスターと自民党の焦り

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    08月01日 11:04

  5. 5

    こういう五輪中止の可能性

    krmmk3

    08月01日 15:19

  6. 6

    資格と能力は違う?資格や履歴書が充実していても使えない人材多い日本

    ヒロ

    08月01日 11:28

  7. 7

    バッハ高笑い!?東京五輪「やってよかった」が77%も!

    女性自身

    08月01日 08:42

  8. 8

    横浜市長選に立憲民主党等が擁立する候補予定者の適格性が問題視されるという異常な事態

    早川忠孝

    08月01日 22:01

  9. 9

    次の総選挙結果は「与野党伯仲」ー〝真夏の白昼夢〟を見た/8-1

    赤松正雄

    08月01日 08:31

  10. 10

    「400店舗から27店舗に」"絶滅危惧種"だったドムドムを黒字化した"元専業主婦社長"の実力

    PRESIDENT Online

    08月01日 10:35

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。