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大手事務所所属でも平均月収6万円…子どもたちが知らない「普通のYouTuber」の厳しい懐事情

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YouTubeの規約変更で収益源を絶たれることも

収益の不安定さは、コロナ禍でもあぶり出された。コロナ禍が始まった2020年4月ごろ、ステイホーム効果によって視聴時間は長くなる一方で、さまざまなYouTuberが「広告収入が激減した」と嘆く動画を投稿していた。前述の通り、多くの企業が広告出稿をひかえたためだ。

2019年1月には、チャンネル登録者数で240万人いたラファエルがアカウント停止処分となり、損害は5000万円以上に上ったという。停止処分は、コミュニティガイドライン違反が原因と言われている。

2019年11月には、子ども向けコンテンツへの規約が変更され、子ども向けコンテンツは申請の必要が生じる上、パーソナライズド広告の掲載は禁止されるなどした。これによって、ゲームやおもちゃなどを扱った動画を投稿していた複数のYouTuberが「広告収入激減」「広告収入完全にオワタ」などと訴える動画をアップした。

このようにYouTubeのガイドラインは日々規制を強めており、それまでは問題なくても、規制開始以後は動画が削除されたり、アカウント停止処分対象となったり、収益性が著しく下がってしまうことがあるのだ。

一発逆転を夢見てYouTuberを目指す人は後を絶たない。確かにトップ層は数億円以上の収入が見込める一方で、事務所所属でも月額広告収入は平均で数万円以下。YouTube側の考え次第で突然、収益源が絶たれる可能性があるのが現実なのだ。

憧れの職業の選択肢にも入っていなかったが…

ところで、子どもの憧れの職業ランキングでYouTuberが上位に入るようになったのはいつごろからなのだろうか。

小学1~6年生の1200人を対象とした学研教育総合研究所の「小学生の生活・学習・グローバル意識に関する調査」(2016年9月調査)によると、将来つきたい職業ランキングでトップは「パティシエ」と「ケーキ屋」が同率1位、3位が「プロサッカー選手」などとなっていた。

この時、「ひときわ目を引く」とコメントされたのが、「その他」の自由記述欄の「YouTuber」(0.5%、6人)という回答だ。調査では、スマホやパソコンなどで普段利用しているサービスについても尋ねており、新たに選択肢に追加された「YouTube」(36.1%)が、「携帯メール」(30.9%)と「ライン」(17.1%)を上回り、1位となった。

同調査は毎年行われ、その度に「YouTuber」の順位は上昇。2019年には、YouTuberはとうとう男子小学生の将来つきたい職業ランキングで1位となっている。

この結果を見ると、2016年ごろから徐々に子どもたちの間でYouTuberの認知度が高くなってきたと考えられるだろう。

ソファでタブレットを使う男の子※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yagi-Studio

「YouTuberになりたい」子どもになんと声を掛けるか

小学生に人気のYouTuberを調べた調査では、ヒカキンの「HIkakinTV」や「Fischer's-フィッシャーズ-」のほか、「まいぜんシスターズ」などゲーム実況動画を配信するチャンネルが上位にランクインした。

GIGAスクール構想でタブレットが一人一台のものとなり、子どもにとってインターネットは当たり前のものになった。自治体によっては、学校のタブレットで自由にYouTubeが見られるところもある。動画を見て学習することも増えており、YouTuberはより一層身近な存在となっているのだ。小学校の公開授業で、「YouTuberになりたい」と答えている男児を、実際に見かけたこともある。

これまで述べてきたように、専業で生活できる人は多くなく、YouTuberに憧れる子どもを心配する保護者の気持ちもわかる。しかし、人を楽しませたり役立つ動画には意義があるし、ファン獲得や発信力強化のために、本業が別にある人が副業的にYouTuberをしていることも多い。

YouTuberになりたいという子には、「伝える力や表現する力を身につけるためにまずは勉強しよう。自分が興味があること、発信したいことを探そう」などと伝えるといいのではないだろうか。アイドルなどと同じで、必ずなれる職業ではなく、それで生活できるとは限らないが、学んだことはきっと別のところでも生きるはずだ。

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高橋 暁子(たかはし・あきこ)
成蹊大学客員教授
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、webメディアなどの記事の執筆、講演などを手掛ける。SNSや情報リテラシー、ICT教育などに詳しい。著書に『ソーシャルメディア中毒』『できるゼロからはじめるLINE超入門』ほか多数。「あさイチ」「クローズアップ現代+」などテレビ出演多数。元小学校教員。
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(成蹊大学客員教授 高橋 暁子)

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