記事

2013.03.13

■3月某日 3・11東日本大震災から2年が過ぎた。マスメディアはこぞって震災後の状況を大報道した。大津波で被災した被害者の悲劇をリピートするお涙頂戴ものが相変わらず多かったが、それはそれでこの大惨事を人々の記憶の中にいつまでもとどめ、人類が乗り越えるべき教訓として活かす意味でも有意義だろう。すでに、大震災の悲劇も人々の記憶から薄れつつある傾向もある。これも人間として生きる上での智恵といえなくもない。いつまでも悲劇の記憶に縛られていては、人間は前向きに生きる希望が持てない。気分転換や大震災に向き合う姿勢の客観化も必要だろう。特に大津波は日常的な光景ではない。それを気にしていては、日常生活を送る前に心の病を発症しかねない。沖縄的にいえば、「なんくるないさー」の精神も人間には必要な時もあるだろう。

 しかし、大地震や大津波は人間にとって避けようもない自然災害である。大津波に襲われた地域が高台に移転したり、大津波に耐えられる防潮堤を建設したりという防災の準備は必要だろうが、それでも万全といえる状態をつくるのは不可能に近い。首都圏の直下型地震が予測されていても、人口過密な東京で万全な地震対策を講じることは不可能に近い。災害にあうかどうかも偶然性や運が左右する局面もある。安倍政権が進めようとしている国土強靭化計画も無駄な税金の浪費になる可能性もある。ゼネコンの餌食にされるケースも多いはずだ。だが、2年前の東日本大震災で明らかな人災といえたのが福島第一原発のメルトダウンという未曽有の原発事故であることは疑いようがない。

 原子力ムラを中心として推進されてきた原子力行政は、原発安全神話の中で進められてきた。チェルノブイリやスリーマイル島の原発事故は日本の原発では起きないと思い込まされてきた。国策として推進してきた電力会社だけではなく、ジャーナリズムやマスメディアの罪も大きい。しかし、福島第一原発事故から2年経っても、そのことの教訓が生かされているとは到底思えない。特に、メディアの報道で顕著だ。安倍政権は安全性が確認されたら、原発を再稼働する意向を打ち出している。福島第一原発の廃炉の工程も明確でないし、核のゴミの最終的な処分の方法論も確立されていない。2年目にしてようやく、福島原発の4号機にマスメディアが初めて公開で取材した。情報公開と国民の知る権利を代行すべきメディアが、電力会社や経済産業省にコントロールされているからだ。今回の東日本大震災の2年目報道においても、国民が本当に知りたいことの核心をついた報道はほとんど見られなかった。原発避難地域に住んでいた住民たちがいつになったら帰還できるのかに関する明確な方針すら打ち出されなかった。

  国家のやることを無条件に信じてはいけない。安倍総理が52年のサンフランシスコ講和条約が成立した4月28日を「主権回復の日」として政府主催の式典を開催する方針を閣議で決定した。しかし、この日は沖縄、奄美、小笠原などが、日本政府から切り離されて米国の施政権下に置かれた日でもある。切り捨てられた沖縄などにしてみれば、これは紛れもなく「屈辱の日」であり、お祝いの気分になれるものではない。実際、沖縄では安倍総理に対する批判がピークに達している。安倍総理は今回のオバマ大統領との会談で、日米の親密関係が前進したと周囲に自慢しているそうだが、沖縄の存在などいっさい眼中にないのだ。だからこそ、沖縄県民がこぞって反対しているオスプレイの強行配備も、辺野古新基地建設も平然と容認・推進しているのだ。TPP交渉参加の決定も迫っているが、対米追従の安倍総理に米国とのしたたかな外交などできるはずもない。まさに、亡国の徒・安倍晋三というべきである。

あわせて読みたい

「沖縄」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    ブラタモリに失望 忘れられた志

    メディアゴン

  2. 2

    新しい生活様式嫌がる日本医師会

    御田寺圭

  3. 3

    飲み会の2次会 死語になる可能性

    内藤忍

  4. 4

    官邸前ハンスト 警官と押し問答

    田中龍作

  5. 5

    菅首相が最優先した反対派の黙殺

    内田樹

  6. 6

    宮崎美子の才色兼備ビキニに脱帽

    片岡 英彦

  7. 7

    マイナンバーカードが2ヶ月待ち?

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  8. 8

    立民議員の官僚叩きに批判が殺到

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  9. 9

    任命拒否 学者6名に無礼な菅首相

    メディアゴン

  10. 10

    「マスクは有効」東大実証を称賛

    中村ゆきつぐ

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。