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バロンズ:米国に忍び寄る、景気後退の影

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米景気後退シナリオはユーロ圏と比較すると低く、ユーロ圏の株式市場では景気後退の確率は78%、同投資適格級の債券市場では54%となる。なお、J.P.モルガンは欧州中央銀行(ECB)が9月末までに資産買入を前倒しで終了させると発表する前に景気後退入りを試算していた。

マクロメイブンズのステファニー・ポンボイ氏は、もう少し複雑な手法で景気後退を試算する。同氏によれば、景気後退は長期金利と原油価格の上昇によって引き起こされ、過去30年間において、Baa社債利回りの前年比と原油価格の前年比の合計が100%を超えるとリセッション入りしてきたという。2007~09年の金融危機当時は、少なくともそうなっていた。

チャート:WTI原油先物とBaa格社債利回りの前年同月比(%)の合計、100%を超えれば景気後退入りとの説あり(とはいえ油価の動向次第で、急落した後は前年比で大幅上昇して100%を超える場合も)

(作成;My Big Apple NY)

今、まさにこうした手法で試算すると、それぞれの前年比は101%と米景気後退入りが近いようだ。何より、前年の景気刺激策の反動で需要は鈍化しつつある。また、ロシアによるウクライナ侵攻前から米2月CPIの通り生活必需品の価格は高騰している。

Fedが景気が鈍化する過程で、金融政策を遅ればせながらも引き締めにシフトしつつあるなか、歴史は繰り返さないかもしれない。それでも、チャンスが放った「春に成長がもたらされる」という言葉は、現代で失望に終わるだろう。

――米景気が減速、まして景気後退に陥ってしまえば、今年の中間選挙だけでなく24年の大統領選に影を投げかけること必至です。現時点では、ロシア産エネルギー輸入停止など対ロ制裁の発動により、バイデン氏の支持率は底打ちしつつあります。このまま支持率が上向き続けるかは不透明ですが、景気悪化局面ではインフレ退治に方向転換したFedが再び軌道修正し下支えするのでしょう。

チャート:バイデン氏の支持率、2月9日の38.9%で底打ちし、3月11日時点で42.9%まで改善

(作成:My Big Apple NY)

米国やユーロ圏もさることながら、ロシアによるウクライナ侵攻を受け日本の景気動向にも不安が募ります。資源高、輸入物価の高騰が一段の本邦貿易赤字の拡大を生み、悪い円安となって跳ね返ってくるとみられ、既にドル円は117円台を突破してきました。日銀の金融政策も、世界のトレンドに反し緩和措置を維持する方向にあります。まん延防止が解除されても、円安による食料品や光熱費の値上げなど生活必需品関連が重石となり、消費の回復に水を差しかねません。

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