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東京五輪招致 国挙げて支持の拡大を

復興、経済効果など 開催意義の積極主張が必要

2020年の夏季五輪を東京へ招致する活動は「ハーフマラソンを終えた」(猪瀬都知事)段階を経て、今年9月の開催都市の正式決定に向けた後半戦に入った。

立候補3都市を調査する国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会による東京視察は、まずは大成功だった。

評価委のクレイグ・リーディー委員長も記者会見で「大会に対する東京の熱意があった」と好印象を語った。安倍首相自らの歓迎行事への出席や日本経済界を代表するトヨタ自動車の張会長の登場が奏功したといえよう。

そして、日本の好印象を高めた理由は、最大のハードルとされた国民の支持率が上がったことだ。IOCが独自に調査した結果、東京の支持率は70%で、去年5月調査比で23ポイント上昇した。東京を除く全国での支持率も67%になった。2016年の五輪招致で日本が落選した原因に、国民の支持率の低さがあったことを踏まえれば大前進だ。

ただし、楽観するには早い。東京五輪の実現には、国民のさらなる支持拡大が必要不可欠だ。大会期間中には、安全上の理由から交通機関の利用制限など周辺住民に不便を強いる側面もある。その意味では、五輪開催が日本にとって、どのようなメリットや意義があるのか、関係者がより丁寧に説明していくことが求められる。

まず、五輪のような世界的スポーツイベントは経済効果が大きい。都の試算では大会関連施設整備、五輪グッズ購入などで全国で約3兆円の経済波及効果が見込まれている。雇用創出効果は約15万人に上る。また、招致計画には宮城スタジアム(宮城県)を活用する案もあり、五輪の活気で東日本大震災からの復興を後押しする意義もある。

それだけではない。五輪を通じて日本の文化や、ものづくり技術に直接触れてもらうことで、新たなビジネスチャンスを日本だけでなく、海外でも生み出す機会になる。

しかし、ライバル国にも引けを取らないこうした日本の良さは黙っていては、国民にも世界にも伝わらない。同じ立候補地のイスタンブール(トルコ)は「イスラム圏初の五輪」を掲げ、インパクトは大きい。

東京五輪を実現するには、開催都市決定の投票権を持つIOC委員に「なぜ東京か」をより積極的に売り込む必要がある。日本人は自己主張が“苦手種目”ともいわれるが、夢の実現へ、国を挙げた力強いアピール活動を広げていきたい。

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