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長期化の可能性も…プーチン大統領は戦争をどう終わらせるつもりなのか? 20世紀の戦史から読み取る、ウクライナ侵攻の“出口戦略“

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■西側諸国が描く“ベストシナリオ”は難しい?


 とはいえ、西側諸国が一致して強い態度で望んでいること、また、ウクライナが強い抵抗を見せていること、さらにロシア国内での反戦運動の高まりは予想外だったのではないだろうか。


 「侵略によってウクライナの民族・国家としてのアイデンティティが高まっていったことは誤算だったと思うし、仮にゼレンスキー政権を倒して傀儡政権を樹立したとしても、長期にわたって抵抗運動が起こる可能性があるし、全土を占領するにしても、相当なコストがかかってくることになる。

 また、国際社会は一致結束して経済制裁を強化しているし、ウクライナはヨーロッパと地続きなので、支援は継続して入ってくる。その意味ではロシアはかなり楽観的な前提で戦争を始めた可能性はあるし、現在の犠牲と将来の危険のバランスも世論のレベルで変わっていく可能性がある。


 ところが民主国家であればそれが指導者に届くが、ロシアという国が難しいのは権威主義国家であることだ。独裁者が後退するということは、自らの権威を揺るがすことになってしまう恐れがある。これはプーチン大統領としては譲れないところだろうし、西側が望む通りの停戦が行われ、何も取らずにロシアが帰っていくという“ベストシナリオ”は相当難しい」(千々和氏)。


 実際、7日にはウクライナとロシアによる3回目の停戦協議がベラルーシ西部で約4時間にわたって行われたが、停戦の実現につながる具体的な成果は得られていない。そんな中、ウクライナのゼレンスキー大統領を首都キエフから退避させ、別の国に“亡命政権”を樹立させるプランも練られていると報じられている。


 「第二次大戦中の1940年の6月、ドイツに屈服したフランスでは国土の5分の3を取られ、残る地域でも親独のヴィシー政権が誕生することになった。一方、イギリスに亡命したド・ゴール将軍は亡命政府である自由フランスを作り、フランス国内のレジスタンスに指示を与え、ナチス・ドイツを苦しめた。ウクライナでも、これと似たようなことが起きるのかもしれない。

 ただし第二次大戦では最終的にアメリカ軍とイギリス軍がフランスを解放し、さらにドイツに攻め込むという展開になった。いずれにせよ亡命政府を作ってウクライナ国内の抵抗運動を支えていくということは、劣勢側の犠牲を覚悟しなければならないことだし、非常に長期化する可能性もある」(同)。


 こうした歴史の教訓を踏まえ、千々和氏は日本も含む今後の国際社会について次のように問題提起した。

 「日本は先の大戦で、“やがてドイツが勝つだろう。そうすればイギリスが屈服する。そうすればアメリカも妥協に応じるはず…”といった“希望的観測”を積み重ね、ある種の“夢物語”のようなものを“出口戦略”だと称してアメリカに戦争を仕掛けた。さらに状況が悪化してからも、出口戦略をはっきり見いだせず、“損切り”のための判断もできず、ずるずると戦争を長引かせてしまった。結果、広島・長崎への原爆投下、そしてソ連参戦という、非常に悲劇的な最後を迎えることになってしまった。

 今回、第二次大戦の反省から国防費の増額に消極的だったドイツが転換をした。戦後、“平和国家”という方向で進んでき日本も防弾チョッキの供与という形で、ウクライナ支援を行うという転換をした。仮に西側のベストシナリオが実現したとしても、ロシアという新しい危険に国際社会がどう付き合っていくのかという課題は残る。やはり戦争というものは“どういう形で収拾をつけるのか”を考えておかなければならないし、残念ながら今もそういう現実の世界に我々は生きているということだと思う」。(『ABEMA Prime』より)

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