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端緒はタレコミだけじゃない…税務署員が必ずチェックしている5つのポイント

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税務署員は「個人事業主」の調査に甘いのか

個人で事業を行っている人は「個人事業主」に該当します。

税務署に「開業届」を提出している人を個人事業主であるという勘違いをしている人が少なくありませんが、開業届を出しているかどうかは関係ありません。雇用契約を結ばずに、業務委託契約や請負契約で仕事をしている人は、全員、個人事業主になります。フリーランスも個人事業主です。

なお、個人事業主は、事業主が1人で事業を行う場合だけでなく、家族や従業員を雇用し、複数のスタッフで仕事をしていても、法人でなければ個人事業主になります。代表的な例としては、法人化されていない家族経営の商店や飲食店、税理士事務所などです。

こうした個人事業主は、法人に比べると、めったに税務調査に入られません。ほぼスルーされます。

そのおもな理由は、売上げの規模が小さいことと、個人事業主の数が多く、全体に対して調査に入る件数の率が低くなることです。

税務署によっても多少の違いはあるので、あくまで目安として考えていただきたいのですが、年間売上高が1000万円以下の個人事業主は、まず税務調査の対象にならないでしょう。

売上高1000万円以下というのは、いわゆる消費税の免税事業者です。消費税は、私たちにとって最も身近な税金といえますが、「商品やサービスを購入した消費者が負担をし、販売をした事業者が納付する」という点で、税法上、他の税金とはかなり趣が異なります。

個人事業主にも目を光らせている

そして、先ほど述べたように、消費者から受け取った消費税を納付しなくてもよい免税事業者という存在が認められています。

しかも、個人事業主および法人で、簡単にいうと、年間売上高が1000万円を超えていなければ免税事業者になるという、ゆるい条件しかありません。

免税事業者に税務調査に入っても、消費税を追徴することはできず、追徴税額は微々たるものに終わります。税務署員からすると、非常にコスパが悪いため、往々にしてスルーすることになります。

ただし、個人事業主にまったく入らないかというと、それも間違いです。

税務署には、個人課税部門があって、法人課税部門と同じくらいの人員がいます。毎年、必ず個人事業主には一定数以上の調査が行われます。それが目立たないのは、前述したように、個人事業主の数が多すぎることが影響しています。

件数の正確なデータは公表されていませんが、国税庁の直近の公表データから推測すると、個人事業主の申告件数の約1%に調査が入っているようです。個人事業主が税務調査に入られてしまうと、まず修正申告は免れません。前述のデータでは、調査に入られた個人事業主の約85%が何らかの修正申告をしています。

その原因は、個人事業主の場合、経費に占める「家事関連費」のウェートがどうしても高くなるからです。

税務署員が叩けば盛大にホコリが出る

家事関連費とは、個人用と事業用の両方で使っていて、切り離すことが困難な経費のことです。具体的には、家賃や水道光熱費、ガソリン代、携帯電話などの通信費などが該当します。

根本和彦『元国税調査官が捨て身の覚悟で教える「節税」の超・裏ワザ』(SB新書)

また、飲食店の場合、食材費を家事関連費として計上することは、“常套手段”です。店舗でお客に提供するために購入した食材を個人で使う食材として流用することは、それほど抵抗がない人が多いでしょう(飲食店が赤字でも事業を継続でき、生活も成り立つ要因といえます)。

本来、こうした費用を経費にするときは、個人用と仕事用とに区別して計上します。

経理上、区別して計上することを、「按分」と呼びます。この按分は、大体どんぶり勘定で行われるので、税務署員が叩けば盛大にホコリが出ることになります。

その結果、修正申告が必要になるのです。

もし、税務調査を担当した税務署員が“イイ人”だった場合、「本来は修正申告をしてもらうところですが、今回は“指導”ということにしておきます」などといって修正申告もスルーしてくれる可能性があります。

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根本 和彦(ねもと・かずひこ)

元国税調査官YouTuber

1976年生まれ。東北大学大学院修了、政策研究大学院大学修了。在学中、研究者の道から路線を変え、大学院修了後はキャリア官僚として文部科学省入省。数千億円規模の予算獲得、大規模な法改正に担当者として従事。文部科学省退職後、民間の勤務を経て、国家公務員として国税局に再就職。国税調査官として会社の税務調査を行う。税務調査では、主に悪質・困難な納税者を担当し、様々な脱税手法、脱税心理、欲に溺れた人間模様を目の当たりにする。2016年に国税局を退職。YouTubeチャンネル「元・国税調査官【税金坊】」を開設し、中小企業の経営者や個人事業主向けに税とお金についての情報発信を続けている。

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(元国税調査官YouTuber 根本 和彦)

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