- 2022年02月27日 15:37 (配信日時 02月26日 15:15)
だからソロキャンプがハヤる…慶大教授が断言する「孤独を楽しめる人」の3つの共通点
2/2「幸せな孤独」になるための3つの条件
ここからは、幸せな孤独を手に入れる方法について話していくことにします。
それでは質問です。あなたにとっての幸せとは、どういったものでしょうか?
・お金持ちになること
・素敵な人と結婚すること
・夢をかなえること
・いつも友だちがまわりにたくさんいること
・みんなから注目される存在になること
・ふつうの生活ができること
人それぞれに、いろいろな幸せがあると思います。その幸せを手に入れたときに孤独感から解放されるなら、どれも正しい幸せです。もちろん、独りのまま幸せになる人もいれば、誰かと一緒に幸せになる人もいるでしょう。それは単なるひとつのスタイルに過ぎないことなので、あなたが幸せになるなら何も気にすることはありません。
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Kamonwan Wankaew
ただし、私は、幸せは多様でも、基本メカニズムは単純なのではないかと考えています。それは、私が研究を続けている幸福学という学問により裏づけられています。そして、幸せへの道筋を明確にすることができれば、もっとたくさんの人たちが幸せになれるのでないかと思っています。
特に、幸福学の最新研究で、孤独な人が幸せになるためにメカニズムが明らかになっています。以下の3つの心の要素を満たすことが重要です。
1「うけいれる」(自己受容)2「ほめる」(自尊心)
3「らくになる」(楽観性)
この3つの考え方のベクトルを伸ばすことで、幸せな孤独を手に入れられます。
私の研究室で、20~79歳までの男女1000人に対して実施したアンケート調査によると、3つの要素は「幸せな孤独」と正の相関があることが判明しているのです。
あなたは、3つの考え方が備わっているでしょうか? まだという方もご安心ください。こうした考え方は、日々簡単なレッスンを続けることで、誰でも身につけることができます。
「幸せな孤独」になるためのシンプルな方法3つ
以下、3つの要素を身に付けるための、レッスンの例を紹介します。
①「うけいれる」レッスン…1日の終わりだけでも「幸せ」で満たす
寝る前に1日を振り返り、その日あったいい出来事や、うれしかったことを思い浮かべてから眠るようにしましょうというものです。
1日、2~3個ぐらい出てくると理想ですが、無理ならば1日1個でもかまいません。「いい出来事なんてなかった」「いつもと変わらない日だった」と思う人もいるかもしれませんが、特別なことを探し出す必要はありません。
新作のスイーツがおいしかった、素敵な店を見つけた、お得に買い物ができた、電車の乗り換えがうまくいった……など、ちょっと考えてみると案外いろいろなことが出てくるものです。なかなか思い浮かばないときは、Twitterや、FacebookなどSNSで見たり聞いたりして印象に残ったことを思い出すだけでもいいでしょう。
②「ほめる」レッスン…「小さな達成感」を心に貯めていく
孤独に悩む人の特徴のひとつに、「自分は何もできない」と思い込んでいることがあります。
どんなに成功している人でも、最初の成功は小さなものです。ひとつずつの小さな成功を重ね、そこで自信をつけて階段を上っていくものです。そこを飛ばして自信がないというのは、そもそもやり方が間違っています。
自己受容、自尊心、楽観性で孤独と向き合う
まずは、どんなことでもいいので小さな目標を設定し、やればできる自分に気づくことから始めましょう。
たとえば、こんな目標はどうでしょうか?
・エレベーターを使わずに階段を歩くようにする。
・500円玉貯金をする。
・毎日1本動画を撮影する。
・毎朝8時に起床して散歩する......。
小さな目標をクリアすると自分を肯定的にとらえられる「正しい心のクセ」につながります。
③「らくになる」レッスン…「なんとかなるさ」を口ぐせにする

前野隆司『幸せな孤独 「幸福学博士」が教える「孤独」を幸せに変える方法』(アスコム)
どんなことも前向きにとらえる「ポジティブ発想」になるには、「ダメだと思う」「全然できていない」「どうせ私なんて」というような幸せを遠ざけるネガティブな口癖をやめて、幸せを呼ぶ口癖に変えていくことが重要です。
これも、形から入ることで、悪い心のクセを矯正する方法です。幸せを呼ぶポジティブな口癖として挙げられるのが、「なんとかなるさ」。根拠もないのになんとかなるはずがないと思うかもしれませんが、感情や物事のとらえ方、言葉によって思考を転換することで、心がらくになります。
ここで紹介したレッスンは一部です。拙著『幸せな孤独 「幸福学博士」が教える「孤独」を幸せに変える方法』では、全部で24のレッスンを紹介しています。毎日続けていれば、孤独感を増す考え方が改まり、幸せを増す考え方が自然と身についてきます。ぜひ、実践してください。
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前野 隆司(まえの・たかし)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授
1962年山口県生まれ。84年東京工業大学工学部機械工学科卒業、86年東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了、同年キヤノン株式会社入社。慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等などを経て、2008年慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。11年同研究科委員長兼任。17年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼任。研究領域は、ヒューマンロボットインタラクション、認知心理学・脳科学、など。『脳はなぜ「心」を作ったのか』『錯覚する脳』(ともに、ちくま文庫)、『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』(講談社現代新書)など著書多数。
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(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授 前野 隆司)
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