- 2013年03月12日 00:00
「工程表」
日経の社説「東日本大震災2年」「福島の再生へ現実的工程表を」で、「安倍政権ができて2カ月以上たつのに、民主党政権が決めた廃炉や除染の工程表はそのままだ。政府は現実を踏まえて工程表を作り直し、被災者が希望を持てるように、生活再建雇い地域再生を含めた大きな見取り図を示すときだ」は、正論である。
3・11の東京電力・福島第1原子力発電所の事故で大きな被害が出た福島の復興が大きく遅れているからである。避難者は15万人を超える。住民が戻るのに必要な除染が、滞っているからである。
民主党政権が決めた「除染の目標」である「年間積算線量1ミリ・シーベルト以下」が、高すぎて、足かせになっているからである。そもそも、当初、「1ミリ・シーベルト以下」は、長期目標であり、帰還目標は「20ミリ・シーベルト以下」であったのを、野田政権が、恣意的に「長期目標」を「帰還目標」としたからである。非現実的、非科学的な致命的な政策ミスである。復興の遅れの元凶である。
国際放射線防護委員会(ICRP)は、年間積算線量が100ミリ・シーベルトまでなら健康への影響は明確に検出できないとしている。病院の放射線診断では、1回に約7ミリ・シーベルト被爆することもある。「帰還目標」20ミリ・シーベルト以下が、現実的、科学的であり、世界標準なのである。
安倍政権は、人災となっている民主党政権が決めた除染の工程表を廃し、世界標準の除染の工程表を作り直すことが急務だ。(3月11日記)