記事
- 2022年02月22日 14:34
【ドアダッシュ】、アルバートソンズから30分宅配!米消費者の「限りない欲望」で変化?

アルバートソンズ傘下のセーフウェイ
■ニューヨーク市マンハッタンではウルトラファスト・デリバリーが急速に拡大しているが、食品スーパーからの宅配もスピードで競う時代になりそうだ。
飲食店からの出前を中心に展開するオンデマンド・デリバリーサービスのドアダッシュは17日、食品スーパーチェーン第2位のアルバートソンズからの30分宅配をローンチすることを発表したのだ。
34州に2,278店を展開する食品スーパー大手が宅配特急便を開始することで競合他社も追随しそうだ。
ドアダッシュではまずロサンゼルスやデンバー、シアトルなど20都市にある330店から30分宅配を開始する。
アルバートソンズや傘下のセールウェイ、ラルフスなどから宅配される「ラピッド・グローサリー(Rapid Grocery)」は、生鮮品や乳製品、冷凍食品、スナック・菓子など6,000アイテムが対象となっている。
ドアダッシュの月額9.99ドルとなる有料会員「ダッシュパス(DashPass)」は手数料が無料となり、飲食店の注文と同様に最低注文金額も12ドルとなっている。
アルバートソンズのロイヤリティプログラム「アルバートソンズU(Albertsons U)」や販促「ディールズ&デリバリー(Deals & Delivery)」などにも対応する。
30分宅配の利用の仕方はドアダッシュ・アプリから行い、「ラピッド・グローサリー(Rapid Grocery)」でアルバートソンズを選択後、「30分以内(Under 30 Min)」のフィルタリングで対象商品を選んでいく。
ドアダッシュは昨年12月、ニューヨーク市内で15分間で宅配するサービス「ダッシュコープス(DashCorps)」のテストを開始したことを発表。
「ウルトラファスト・デリバリー(ultra fast delivery)」と呼ばれる超速宅配は、食品や日用品、市販薬など1,500〜5,000アイテムをもつダークストアから配達員が電動自転車などを使って15分前後という超スピードで宅配するサービスだ。
ドアダッシュはチェルシー地区にあるダークストア「ダッシュマート(DashMart)」からギグワーカーではなく、従業員を使って超速宅配を初めたのだ。
食品や雑貨など約2,000アイテムを揃えるダッシュマートは2020年夏、ニューヨークやシカゴなど8つの都市でローンチし、ご当地レストランの商品なども一部に扱っている。
ドアダッシュでは「超速」配達員の安全を考慮し、時速20マイル(32キロメートル)までしか出せない電動自転車を使うとしている。
ニューヨーク・マンハッタンでは現在、ウルトラファスト・デリバリー(ultra fast delivery)と呼ばれる超速宅配の競争が一段と激しさを増している。
バイク(Buyk)やゲッター(Getir)、ゴーパフ(Gopuff)、ゴリラス(Gorillas)、フリッジ・ノー・モア(Fridege No More)、ジョーカー(Jokr)などのスタートアップがマンハッタンで超速宅配を競っている。
ドアダッシュはそこに15分宅配で殴り込みを掛けただけでなく、全米規模に展開する食品スーパーからの30分宅配も始めることになる。
アルバートソンズなど330店から対象店を増やしていき、宅配スピードで優位性を際立たせる。
スーパーからの30分宅配では、スーパーマーケット最大手のクローガーとオンデマンド買い物代行&宅配サービスのインスタカートと提携した「クローガー・デリバリー・ナウ(Kroger Delivery NOW)」がある。
昨年9月からクローガーや傘下のスーパーで正式にローンチしたデリバリー・ナウは、生鮮品など2.5万アイテムを対象にしたものだ。
その利便性から「バーチャル・コンビニエンスストア」とも呼んでいるスピード宅配はクローガーのホームページやインスタカートの「コンビニエンス・ハブ(Convenience Hub)を介して注文する。主要都市に住む利用者なら1年365日、24時間対応で宅配される。
フロリダ州など7州に1,300店近くの食品スーパーを展開するパブリクスも昨年11月、注文から最短30分で宅配するスピード宅配を発表した。
「パブリクス・クイック・ピックス(Publix Quick Picks)」もインスタカートと提携したサービス。
パブリクスが取り扱う生鮮品やキャンディなどの食品や飲料、日用品などを対象にしたスピード宅配だ。
パブリクスではスピード宅配の注文手数料は35ドル以上の買い物で3.99ドル〜となっており、地域によって異なるという。
チェーンストア最大手のウォルマートは30分間という短時間宅配はまだ行っていないが、田舎で行われているドローンを使ったテスト空輸では30分以内での配達が可能となっている。
回転翼や固定翼のドローンではそれほど多くは運べないものの医薬品など緊急性の高いものに絞り、時短宅配を模索している。
ネットスーパーもスピードの時代を避けられないという局面に来ているのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤は目がさめた深夜などに、アマゾン・エコーから好きな音楽をランダムで流して聞いています。子供の頃から好きな井上陽水では、初期の作品がたまに流れてきます。1972年のアルバム「断絶」には「限りない欲望」という曲があります。「限りないもの、それは欲望!流れゆくもの、それが欲望!」とサビから始まるのですが、50年前の曲が深夜にかかるたびに米国小売業とリンクしながら人間の本質だよなぁと思ってしまいます。
人の欲望には限りがありません。その欲望も流れるように変化していきます。そもそもアメリカ人は我慢しないし、とどまってもいません。カスタマーファーストで競争するアメリカ流通業は、お客の限りない欲望に合わせて自身を変化させていかなければ生き残れません。日本の消費者のように空気を読んで周囲に合わせるような遠慮をしません。ネットスーパーが拡大したのち、次はスピードです。注文から宅配で届くまで1時間や2時間はすでに遅いと。ネットスーパーも「今すぐ」でないと売り物にもならないのです。
「無茶を言うなよ!」には、イノベーションはありません。限りない欲望の歌詞の最後に「どうせ死ぬなら天国へ」とあります。ネットスーパーの「どうせなら」は現在、スピードです。



