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「震災ネタ」はウケない—メディアビジネスのジレンマを打ち破る方策とは

今日は震災から2年ということで、色々考えています。

お金になりにくい復興関連報道

メディア側の人間として痛烈に感じるのは、「被災地」にまつわる情報は、アクセス数を稼ぎにくいという現状。

もちろん伝える側の技量不足でもあるのですが、やっぱりウェブではウケにくいのが実際です(「美人すぎる!被災地発・美人フォトアルバム」なんてコンテンツを作ればアクセス集まるのでしょうけれど、なんか違う気もします)。

被災地を訪れてみて思いましたが、復興に関する情報は、現地からはほとんど発信されていません。情報の供給が少ないため需要が盛り上がらない、需要がないので供給もされない、という悪循環が起きている印象です。

魅力ある切り口を作れる「市民記者」が無数にいればいいのでしょうけれど、やはり現地には、情報発信に長けたクリエイティブ系の人材はそんなに多くないようです。

となると、ぼくらのようなメディア事業者が被災地の情報を伝えていくべきなのですが、残念ながら被災地の情報だけでメディアビジネスを行うのは、そう簡単ではありません。というか、実際無理でしょう。

ビジネスにならないからといって、被災地に関する情報に価値がないわけではありません。むしろ誰も伝えない分、それを欲する「ごく少数」の人たちにとっては高い希少価値があります。

現状を端的に述べると、被災地報道ではビジネス化がむずかしい。伝える価値はある。でも、ビジネスにならないから伝えられない。こういうジレンマに陥っているわけですね。

ここで可能性があるのが、寄付をもらいながらメディアを運営するという「NPOメディア」の存在です。米国ではNPOメディアの「プロパブリカ」がピュリッツァー賞を受賞するなど、一定の地位を確保しているメディア業態です。

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日本でも復興に特化した「東北復興新聞」というNPOメディアが立ち上がっています。更新頻度は残念ながらそこまで高くありません。記事本数から想像するに、やはり記者がフルコミットできるだけの予算はないのでしょう。

寄付は少しずつ根付いてきていますが、「NPOメディアに寄付をする」という選択肢はまだ一般的ではないと思います。かくいうぼくも、メディアに寄付をしたことはありませんでした(これを期に東北復興新聞のサポーターになってみました。みなさまもぜひ)。

情報化が進んでいけば、「伝える価値はあるけれど、お金にならないから発信されない情報」というものも、なくなっていくのでしょう。それは10年後でしょうか、20年後でしょうか。まだまだ時間が掛かりそうです。

何だかまとまらない記事ですが、今後はNPOメディアがこうしたニッチな情報発信を担っていくのでしょう。というか、そうしていかないといけません。ぼくもこの分野でできることがないか、模索してみます。

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