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賃上げ促進税制

  衆院財務金融委員会において2月9日、「令和4年度税制改正」について質疑を行いました。

  冒頭、国税庁が所得税の確定申告期間(2月16日~3月15日)について、今年は全国一律の延長はしない(コロナの影響で期限までの申告が厳しい場合は、簡素化した手続で個別に延長は認められる)方針であることを質しました。

  過日、税理士会船橋支部による「確定申告無料相談会」を視察しましたところ、細心の注意を払って感染防止していましたが、医療費控除の資料をたくさん持参した高齢者の姿が目立ちました。その現場を見て、基礎疾患をもつ高齢者の重症化リスクがとても心配になったからです。

  混雑や3密を回避するため昨年までは2年連続で確定申告を一律延長してきましたが、今年も期限延長するよう国税庁に強く要請しました。

  さて、本題の令和4年度税制改正については本格的な改正とは程遠く、小粒で新味に乏しいと厳しく指摘しました。岸田政権は「新しい資本主義」「成長と分配の好循環」などと大見得をきっていますが、税制という有力な政策手段を使い切っていないからです。

  岸田総理は昨秋の自民党総裁選では「金融所得課税」の強化を明言していましたが、今般の税制改正では先送りされました。コロナ禍で格差拡大が進む中、その是正のための有力な財源となったはずなのに…。

  私は東日本大震災からの復興のために、所得税・住民税、法人税の増税を行いました。所得税は今も2.1%が加算されています。猛反発されるかと身構えていましたが、被災地の復興のためならばと国民は負担を受け入れてくれました。一生懸命に説明責任を果たせば、痛みを伴うお願いも理解されるはずです。

  給与所得の最高税率は所得税・住民税を合わせて55%ですが、株式の配当金や譲渡益といった金融所得は一律20%とかなり優遇されています。しかも、株価は年金積立金や日本銀行によって買い支えられてきました。その恩恵を受けてきた人たちに、コロナ禍で困っている人や弱っている人を助けるために「相応」の負担をしていただくことになぜ躊躇するのでしょう。

  目玉政策である「賃上げ促進税制」については、様々な観点から厳しくチェックしました。賃上げ税制は平成25年度に安倍政権によって導入され頻繁に改正されてきましたが、この間実質賃金は全く上がっていません。手を変え品を変えの試行錯誤の歴史ですが、奏功していません。

  中小企業の約6割が赤字企業であり、圧倒的多数の企業が賃上げ税制の優遇を受けられないからです。社会保険料の事業主負担の軽減などとセットで考えないと、赤字の中小企業の賃上げ促進につながらないと思います。

  以上のことを鈴木俊一財務大臣に質しましたが、暖簾に腕押しでした。残念‼

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