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学習院より東大で学びたい…悠仁さまの進学報道に宮内庁が異例のクレームをつけた意味

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憲法の矛盾は生前退位と結婚問題で明確になった

国民の間では、女性天皇、女系天皇の是非が議論されていた時期である。自分の弟が天皇になることが確実になっているのに、これは、並々ならぬ覚悟をもった勇気ある発言である。

ネットではすぐに、「政治的な発言ではないか」という非難があったという。保守主義者からの反発もあったそうだ。

「そうした人々から見ると、伝統を体現すべき皇族が、ジェンダー平等という近代の価値観をもとにした発言をすること自体が『許せない』となるのだろう」(森教授)

しかし、男女平等、共同参画社会の実現は、一部を除いては、どの国も目指すべきグローバルで至極当然の考え方である。

日本国憲法4条にある「天皇は……国政に関与する機能を有しない」という条文は、森教授がいうように、「一定の時期までは天皇制を封じ込める役割を果たした。しかし、今は逆に、天皇・皇族の人間的なあり方や人権を奪う規定となってしまった。

憲法の矛盾は、平成の天皇(現在の上皇さま)が退位の自由を求めた意思表明、そして、眞子さんの婚姻の自由の権利行使で、明確になった」と、私も考える。

天皇も皇族も意見や意思を持った一個の人間である。それを制限される現状をこそ見直されるべきであるはずなのに、いまだに「天皇は男系男子に限る」として女性を排除するなど、現代人の感覚からズレているというしかない。

皇族の歴史上初のジャンヌ・ダルクかもしれない

眞子さんは黙って自分の意思を貫く女性であった。佳子さんは、発言もし、実行力も伴った、皇族の歴史の中で初めて出てきたジャンヌ・ダルクかもしれない。

しかし、佳子さんに残された時間は少ない。女性皇族が結婚しても皇室に残るという案が国会で了承されないうちに、彼女をここから連れ出してくれる結婚相手を見つけなくてはいけない。

「普通の男性は皇族相手だと腰が引けてしまいます。小室さんのような鋼のメンタルの持ち主でなければ難しそうです」(辛酸なめ子=週刊新潮1月27日号)という見方もあるが、私はそうではないと考える。

佳子さんのように自分の意見を明確に持つ素敵な女性を結婚相手にしたいと思う男性は、少なからずいるはずである。そんなナイトが現れて、“囚われのプリンセス”を連れ出し、2人だけで暮らす日が近いうちに必ず来る。

“進学先報道”に宮内庁が異例のクレーム

さて、次世代で唯一の“皇位継承者”である悠仁さんも、この春は大きな変化のときである。

近々、悠仁さんの進学する高校が発表される。週刊文春はかなり前から、筑波大学附属高校に決まったと報じていた。

だがこうした報道に宮内庁が異例とも思えるクレームをつけたのだ。1月24日に文書で、「一般論として、受験期を迎えている未成年者の進学のことを憶測に基づいて毎週のように報道するのは、メディアの姿勢としていかがなものか」と発表したのである。

週刊文春や週刊新潮をはじめ、さまざまな週刊誌はこう報道している。悠仁さんが通っているお茶の水女子大附属中学と筑波附属高校は2017年に「提携校進学制度」を結んでいるが、それは期間限定の制度で、悠仁さんを入学させるために特別につくられたのではないかというものだ。そうした報じられ方が気に障ったのだろうか。

女性セブンはこれには前段があると見ている。1月21日に秋篠宮の側近である加地隆治皇嗣職大夫の定例会見で、記者が進学報道について見解を求めたという。

だが大夫は、回答を避けて質問を持ち帰ったそうだ。持ち帰った先は秋篠宮夫妻のところで、「ご夫妻のご意向が反映されている文書と考えるべきでしょう」(宮内庁関係者)

さらに28日の定例会見では、佳子さんの結婚にまつわる報道にも、皇嗣職大夫が「遺憾である」といったという。

「一定の基準を設ける」が今回の苦言につながったのか

秋篠宮は、昨年11月の誕生日会見で、眞子さんの結婚をめぐる週刊誌報道について、「作り話が掲載されていることもありますが、一方で傾聴すべき意見も載っており、すべてを否定する気にはなれません」と述べた。

間違った記事への対応については「一定の基準を設けて、それを超えた時には反論するとか、そういう基準づくりをしていく必要があると思います」とし、「宮内庁とも相談しながら考えていくことは必要」だと発言していた。

その秋篠宮発言について宮内庁も、情報発信のあり方を研究していくとコメントしたが、それが今回の発言になったのだろうか。

佳子さんの結婚問題は別として、将来天皇になる悠仁さんの高校進学について、あれこれ報じられるのは致し方ないのではないか。悠仁さんが学習院高等科ではなく、どこの高校を選ぶのか、大学はどうするのかは国民的な関心事である。

あくまでも週刊文春によればだが、お茶の水中学の秋篠宮に近い保護者の話として、「秋篠宮ご夫妻が東大進学を望んでおられる」「東大ヘは推薦で入学するという青写真を描いておられる」と報じている。

特に母親の紀子さんが熱心で、紀子さん自身も東大と縁が深い。紀子さんの父、故川嶋辰彦氏は東大経済部から大学院に進んでいるし、弟も東大大学院で獣医学の博士号を取得している。

悠仁さんはトンボなどの昆虫に関心を持っているといわれ、東大農学部には応用昆虫学や昆虫遺伝学の研究室もあるそうだ。

東京大学・安田講堂※写真はイメージです - 写真=iStock.com/YMZK-photo

帝王学の基本が「民の声を聞く」ことであるなら…

秋篠宮夫妻は、皇室の人間だから、特別な制度や推薦を使ってやすやすと有名校へ入れるといわれるのが嫌なのかもしれないが、私は、そんなことを気にする必要などないと思う。

中にはこういう声もあると週刊文春(1月27日号)が報じている。

「悠仁さまは将来、天皇になられるお方。ですが、筑附のような進学校では、日ごろの勉強に割かれる時間も多くなるでしょう。東大を目指すとなれば尚更です。そうなれば、天皇になるための“帝王教育”にまで手が回らなくなるのではないかと、心配する声が挙がっているのです」(宮内庁関係者)

宮内庁の中には、悠仁さんの教育のためにしかるべきお方を呼ぶべきではないかという声もあるというが、秋篠宮は「そういうのが良いとは限らない」と否定的だという。

天皇家の歴史や歴代天皇たちの遺徳を知るのも大事だろうが、帝王学の基本は「民の声を聞く」ことであると、私は考える。そのためには、ある種閉ざされた学習院ではなく、筑波大学附属や東大で学ぶほうが、悠仁さんにとっていいのではないだろうか。

4月には総工費約33億円といわれる秋篠宮邸の改修拡張工事が終わって、秋篠宮家が引っ越すといわれている。その頃には、小室圭さんの司法試験の合否が判明して再び大きな騒ぎになるかもしれない。

秋篠宮家にゆったりと暖かい春が訪れるのは、少し先になりそうである。

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元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。
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(ジャーナリスト 元木 昌彦)

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