- 2022年02月09日 17:39 (配信日時 02月09日 15:15)
「税金のムダ遣い」とは報じられない…絶対中止にできない「さっぽろ雪まつり」のカラクリ
2/2補助金を出す市が細かい使途を把握していない?
——今年のオンライン雪まつりの予算はどれくらい?
「雪まつり自体が『さっぽろ雪まつり実行委員会』という任意団体でやっておりまして、その中に札幌市さんの補助金とか協賛金が集まって事業をやっています。例年ですと5億円とかそれぐらいの規模でやっているんですが、今年は恐らく2億とか3億の事業規模になるかと思います」
——その内訳、例えば昨年は何にいくら使ったというのはどこで見れるんですか。
「どうだろう……札幌市さんのほうでもし出ていなければ、実行委員会で収支決算をやっていて、年2回会議をやっているんですね。そのなかで、報告というか議案として諮っているということになっています」
——そこで報告されている内訳を見るには、「開示請求」するしかない?
「恐らくそういうことになると思います。札幌市さんのほうに開示請求していただいて、札幌市さんのほうから実行委員会に開示を求めるという流れになるんじゃないか、と」
「オンライン雪まつり」で何にいくら税金が使われたのかを知りたいだけだったのだが、思いのほかガードが固いことに少し驚いた。そもそも補助金の出し手である札幌市が、その細かい使途を把握していないというのは、かなり不思議な話だと思う。
札幌市は「昨年度のオンライン開催が好評だったので」
このコロナ禍で全国的に「オンライン祭り」は定着しつつあるのも確かだが、花火大会や盆踊りなど動きのあるものならともかく、動かぬ雪像をオンラインで見る意味があるのだろうか――。
「雪まつり」を担当する札幌市経済観光局観光・MICE推進課の辻本係長はこう語る。
「今年度は元々雪像の設置によるリアル展開とオンライン展開のハイブリット形式により、国内外に雪まつりの魅力を発信していく計画でした。コロナ(オミクロン株)の急拡大により、リアル部分は断念したが、昨年度、国外からも多くのアクセスがあり好評だったので、オンラインについては引き続き開催することにしました」
ちなみに、前述した「雪ミク」の動画配信以外の今年の「オンライン雪まつり」の主な内容は、以下のようになっている。
・さっぽろ雪フォトまつり2022(「雪と触れ合う楽しさ」をテーマとした写真をSNSなどオンライン上で広く募集)
・世界的DJによる雪まつりトリビュートライブ中継
・さっぽろ雪まつり大歴史展
・Online さっぽろ雪まつり2022 CRAFT FES(期間限定商品の販売やワークショップをオンラインで開催)
「雪まつりより、除排雪何とかしてくれよ」が本音
こうしたイベントの金額として「2億円から3億円」が適正なのか、筆者には判断する術がない。だが、他に使いみちがあったんじゃないかな、とは思わないではない。

札幌市街地の様子。左側は車道だが除排雪が追いつかず、雪壁で視界がほとんど遮られている(写真=筆者撮影)
例えば目下、札幌市においては「除排雪の遅れ」が大きな問題となっている。
今年の札幌は例年になく雪が多く、7日には観測史上1位となる24時間で60センチの降雪量を記録したほどだが、札幌市が業者に委託している除排雪の動きが鈍いのだ。そのせいで街中でも歩道と車道の間に雪壁がそびえ立ち、道が狭くなっているため至るところで渋滞が起き、何より見通しが悪く危険でさえある。
「雪まつりより、除排雪何とかしてくれよ」が札幌市民の本音なのだ。ちなみに令和3年度の札幌市の予算によれば、「歩道除雪費」は7億4000万円の予算規模となっている。
「雪ミク」像は高さ3m×横6mだそうだが、場所によっては3m近い歩道の雪壁を見上げながら、胸中に釈然としない思いが降り積もる。
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伊藤 秀倫(いとう・ひでのり)
1975年生まれ。東京大学文学部卒。1998年文藝春秋入社。「Sports Graphic Number」「文藝春秋」「週刊文春」編集部などを経て、2019年フリーに。さらに勢いあまって札幌に移住。
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(伊藤 秀倫)
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