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「女の敵は女」発売中止となったマイメログッズに書かれていたのは「名言」だったのか

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偏見を助長する「男」や「女」を主語にする言葉

アニメの中ではマイメロママの言葉で苦しむ人はいない。しかし現実世界では、そのような「名言」、いや「偏見」に現実世界で苦しめられる人も決して少なくない。それこそ「1度や2度の失敗でくよくよするような男をつかんだら一生の不覚よ」なんて言葉に騙されて、失敗を繰り返して困窮したり、また「傷ついた心の絆創膏は新しい恋よ」なんて言われた結果、何度も失恋して傷つき続けることもある。

そして何より「男」や「女」を平気で主語にしていることが問題だ。これらを主語にした言葉を当たり前のように見ていると「男は甲斐性、女は愛嬌」だの「男は仕事、女は家事」などの分かりやすい偏見を受け入れるハードルが下がってしまうのである。これが偏見が名言として流通することのリスクである。

偏見を「偽善を排したリアルな名言」と認識する人は、そうした言葉を発することに対する社会的影響を考えていないし、またそのリスクをまったく見積もっていない。なぜなら、アニメではそんなリスクをリアルに描く必要などないからである。

グッズ化することで作品から離れてしまったマイメロママ発言

元々ブラックジョークの一環である「マイメロママの名言」は、グッズとしてアニメから切り離すことで、ジョーク性が失われてしまう。その上で「名言」と呼ばれることによって、我々はさもこれらの言葉が現実の名言であるかのように錯覚してしまう。

今回のマイメログッズには、その錯覚を「解く」ための工夫が必要だった。それは例えば、グッズの下の方に「個人の感想です」と、誌上通販のようなセリフを書くとか、または「マイメロママの偏見集」と名付けて、これらの言葉があくまでも偏見に過ぎないと記載するなどである。またマイメロママ自身に「私の言葉に惑わされるようじゃ、タカが知れているわね」などと言わせるのもいいだろう。

いずれにしても、マイメロママの言葉がブラックジョークを前提に存在しているということを見る人に気づかせるような工夫がなければ、ジェンダーバイアスが強いという批判が出てくるのは当然のことだろう。

今回の問題は「マイメロママの名言」という存在が「仮想と現実の区別がつかないままになってしまった」から、発生したのだと僕は考えている。

それは、これらの言葉をジョークの一環であると理解できずにジェンダーバイアスの問題と認識した人もそうなのだが、「名言」という言葉を皮肉だと理解せずに、現実の名言と混同して擁護している人たちも同じく、仮想と現実の区別が曖昧になっているのである。

そこをもう少ししっかりと「マイメロママの名言はあくまでも仮想の存在」であると周知できれば、今回のような問題は回避できたのかも知れない。そしてそれを伝えるのもデザインの一環なのだから、この手のコラボグッズを作るときにはもう少し慎重にデザインを検討するべきだと、僕は考える。

*1:「女の敵は女」物議のマイメログッズが発売中止に サンリオが決定「今後の商品企画に活かしていく」(J-CASTニュース)https://www.j-cast.com/2022/01/17429040.html

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