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【読書感想】レゴ 競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方

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「過去のブランド力、子供たちへの影響力を過信するあまり、環境変化に対する感度が鈍っていました。それが、危機に対して迅速に対応できない根本的な理由だったのです。さらに急激に事業の多角化を進めた結果、レゴは何が強みで、何を目指すべきなのか、誰も分からなくなっていたんです」

「私がすべきことは、レゴは何のために存在する会社で、何をすべきかということを問い直す作業でした。進むべき方向を定め、そこに向かって社員を動かしていくということです。それがうまくいけば、レゴはかつての輝きを取り戻せると信じていました」

「しかしその前に、目の前にある経営危機を回避しなければなりません。再建は段階を分けました。まず、生き残るために徹底的なリストラをする。人員を整理し、テレビゲームや番組整理といった不慣れな事業から撤退し、創業家が始めたテーマパークの経営権も売却しました」

「我々はもはや、自分たちが思っているほど偉大なブランドではない。売れない製品を作り続けて、果たして本当に子供たちの成長を助けていると言えるのだろうか。そう社内に発信し、社員の気持ちを引き締めていきました。私自身もそれは非常に苦しかったですが、ムチだと思って続けていきました。この時に注意していたのは、社員には生き残ることに徹してもらうため、あえて成長戦略は語らないこと。苦しい時期に売り上げが伸びると、何となく安心して改革に緩みが生じてしまいますから」

「今なら、レゴは長年ブロックの開発と製造を続けていた会社なのだから、そこに強みがあると自信を持って言えます。しかし窮地の状況では、簡単そうに見える答えが見えにくくなるものなのです。本当に苦しい時期でした。先輩経営者、友人など、いろいろな人と意見を交わしました」

「重要なのは、創業者の理念をもう一度、組織に浸透させることでした。レゴという会社の存在意義は何か。”子供たちには最高のものを”という創業者の言葉は、それを端的に表していました。結果的に、私の仕事は創業者の言葉を今の時代に合った内容に再定義することになりました」

 LEGOをV字回復させたクヌッドストープさんの言葉からは、LEGOは常に順風満帆だったわけではなく、試行錯誤しながら、危機を乗り越えてきた企業であり、夢や理想を語る前に、経営効率化のために、厳しいリストラを行い、不採算事業を整理していったことが伝わってきます。
 厳しい状況のときに、理想や理念に頼ろうとする経営者は多いけれど、まずは経営を安定させ、安心して仕事ができるようにならないと、企業理念を浸透させるのは難しい。

「売れない製品を作り続けて、果たして本当に子供たちの成長を助けていると言えるのだろうか」
 LEGOは、特許の失効による安価な模造品との競争や、テレビゲームの登場による市場の劇的な変化など、成長企業がぶち当たるあらゆる壁を乗り越えてきているのです。
 2017年にも成長の鈍化で「もうLEGOを見習う必要はない」とまで大手経済メディアで言われましたが、その後、またさまざまな経営効率化に取り組み(新型コロナ禍による「巣ごもり需要」もあって)、2020年12月期には、過去最高益を更新しています。

 「そこまでして、企業とは『成長』しないと認められないものなのだろうか、LEGOほどのブランドなら、『現状維持』でも十分なのではないか」というのも僕の率直な感想なのですが、企業とか経営というのは「成長か死か」というものなのかもしれません。
 

fujipon.hatenadiary.com













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