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いじめ問題で困ったとき、真っ先に弁護士に相談してはいけない…「いじめ解決のプロ」がそう忠告するワケ

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いますぐ助けるために何をすべきか

このような話をすると、被害者の保護者から「森田さんは学校や教育委員会の味方なんですね」と言われることがありますが、それも違います。私は子どもの味方なんです。

子どもたちは私に「いますぐ助けてほしい」と頼んできます。子どもにとっていじめが続く今の状況は生き地獄です。大人と違って学校以外の世界を知らない子どもたちは、いじめの状況が続くとしたら絶望して、心が壊れていってしまいます。そこから1分1秒でも早く救い出すために何ができるか考えたら、大人が対立している場合ではありません。

まずは中立の立場を表明することで「大人たちの戦い」になることを回避し、どちらが正しいか間違っているかではなく、「いま、この子のために具体的に何をするべきか」を話し合うのです。

たとえば、被害児童・生徒の欠席が長期化して放置されたままであれば、学習支援を開始する必要があるでしょう。私が中立の第三者としてその必要性を指摘すれば、学校・教育委員会は、いじめの認知の問題はひとまず横に置いて、多くの場合、翌日からでも学習支援を開始してくれます。

こうして具体策を話し合っていくことによって、いじめ問題は確実に解決に向けた進展を始めるのです。第三者を介在させずに保護者だけで対応する場合でも、最初から抗議・攻撃の姿勢で臨まないようにすることが大切だと思います。


玄関に飾られている花は子どもたちからの贈り物。「私が花が好きなのを知っていて、子どもたちがプレゼントしてくれるんです。ここに出しているもの以外にもたくさんあって、大切にしまっています」(森田さん) - 撮影=堀隆弘

加害者には「いじめ」という言葉は使わない

難しいのが、加害児童・生徒とその保護者への対応です。

実は、加害児童・生徒もその保護者も「何がいじめか」を理解していないケースが多いので、根本的には、いじめとは何かから理解してもらう必要があるのですが、私はなるべく「いじめ」という言葉を使わないようにしています。

どんな親でも、わが子が「いじめの加害者」だとは思いたくありません。「お宅のお子さんがいじめをやっています」と言われても、それを素直に認める保護者はほとんどいません。反発を招くだけです。これは加害児童・生徒も同じことで、「○○さんをいじめたでしょう」と尋ねても、それを素直に認める子どもはほとんどいないのです。

そこで私は、こんな言い方をします。「○○さんは、あなたから容姿のことをいろいろと言われて、すごく嫌だったんだって。あなたが同じことを言われたら、どう思うかな?」。すると、たいていの加害児童・生徒が「それは、嫌だと思う」「それは、やってはいけないことだと思う」と答えます。そこで「やってはいけないことを、あなたはやってしまったんだよね」と、念を押すのです。

ただし、まったく同じ伝え方をしても、「そんな程度のことで傷つくほうが悪い」といった反論を招いてしまう場合もありますから、私は相手の様子を見ながら、表現の仕方を毎回変えています。

第三者的に介入できる専門家の養成が急務

つまり、いじめは千差万別なのです。まったく同じいじめなんて存在しません。そして、これが正解という解決マニュアルも存在しないのです。だから簡単ではなく、第三者的に介入できる専門家の養成が急務だと思っています。

いじめ問題の専門家を名乗る人はたくさんいます。しかし、本当にいじめを解決できている人はどれだけいるのでしょうか。残念ながら、被害者の処罰感情の炎に油を注ぎ、対立をあおって、問題を長引かせている専門家が少なくありません。

弁護士も頼りにはできません。当たり前のことですが、彼らの仕事は「依頼人の利益を守る」ことで、学校・教育委員会の対応の不備を鋭く指摘することになります。その結果、学校・教育委員会が態度を硬化させてしまうことは、容易に想像がつきます。これらの専門家とは違うアプローチが求められているということは、いじめやいじめ自殺が減らない現状が物語っているのではないでしょうか。(続く)

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森田 志歩(もりた・しほ)

特定非営利活動法人Protect Children~えいえん乃えがお~代表

息子がいじめで不登校になり、学校や教育委員会と戦った経験から、同じような悩みを持ついじめ被害者や保護者の相談を受けるようになる。相談が殺到し、2020年に市民団体を、2021年にはNPO法人を立ち上げる。いじめ、体罰、不適切指導、不登校など、さまざまな問題の相談を受けているが、中立の立場で介入し、即問題解決に導く手法が評判を呼んでいる。相談はHPから。 2022年1月31日10:00~、文科省で開催される「いじめ防止対策協議会 第3回」に専門家として出席。1月26日16:00までに申し込めば、会議の傍聴も可能。ご興味のある方はこちらよりお申込みを。

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(特定非営利活動法人Protect Children~えいえん乃えがお~代表 森田 志歩 構成=山田清機)

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