- 2022年01月25日 16:38
岸田首相がバイデン大統領と初会談、対中牽制での協力を確認
2/2〇対北朝鮮、ロシアについて
・両首脳は、ロシアのウクライナに対する侵攻を抑止すべく緊密に協力することを約束し、岸田首相は、いかなる攻撃に対しても強力な行動をとるために、米国、他の同盟国およびパートナー、そして国際社会と緊密に調整を継続することを約束した。
・両首脳は、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)による最近の弾道ミサイル発射が、国連安全保障理事会決議に違反するものであることを非難。朝鮮半島の完全な非核化に向け両首脳は大韓民国と歩調を合わせ、朝鮮半島の問題に関して今後とも緊密な連携を維持することを約束した。また、大統領は、拉致問題の即時解決に向け支持を表明した。
〇日米関係
・バイデン大統領、岸田首相による共通の脅威に対する抑止に向けた日本の防衛能力強化を称賛。
・核兵器不拡散条約(NPT)に関する、日米共同声明の発表を歓迎。
・バイデン大統領、次回、日米豪印首脳会合を今年前半に日本で開催する方針について支持表明(今年春のバイデン大統領訪日へ、米高官が確認)
・同盟間の協力を実現すべく、サイバーセキュリティの強化の重要性を再確認。
・バイデン大統領と岸田首相は、2021年4月に発表した「競争力と回復力(CoRe)パートナーシップ」の下での進展に留意し、インド太平洋地域と世界における経済協力を推進し、ルールを基盤とした経済秩序を強化するために、閣僚レベルの経済政策協議委員会(経済「2+2」)を新たに設置。
・両首脳は、貿易問題(鉄鋼・アルミ追加関税措置)の迅速な解決を望むと表明。
・大統領と岸田首相は、持続可能で包括的な、そして中間層に恩恵をもたらす経済政策の重要性について合意。
岸田首相の記者会見でのポイントは、上記以外で以下の通り。
〇中国について
・地域情勢に関する議論では、東シナ海、南シナ海、香港、新疆ウイグルを含む、中国をめぐる諸課題での日米の緊密な連携で一致。
・中国については、かなりの時間をかけてやり取りを行った。
・中国をめぐる諸課題について意見交換を行い、①東シナ海、南シナ海における一方的な現状変更の試み、②経済的威圧に反対する、そして諸課題について緊密に連携していく――などで一致。
・台湾について、①台湾海峡の平和と安定の重要性、②これを強調するとともに、③両岸問題の平和的解決を促す――などのやり取りを行った。
〇日米関係について
・経済分野については、バイデン大統領に新しい資本主義の考え方を説明、大統領から強く支持するとの発言があった。
・持続可能で包摂的な経済社会の実現のための新しい政策イニシアティブについて議論を深めていくことで一致、閣僚レベルでの経済版2+2を立ち上げ、包括的な日米経済協力を推進することで一致した。
・(在日米軍のコロナ感染防止対策について)新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、引き続き緊密に協力することで一致した。
海外メディアの扱いは、以下の通り。やはり、ヘッドラインには中国の文字が踊ります。
・ワシントン・ポスト紙「日米首脳、初の会談で中国や核兵器について協議(Biden, Kishida talk China, nuclear weapons in first meeting)」
・NBC「日米首脳、中国や北朝鮮の脅威について協議(Biden and Japanese P.M. Kishida discuss threats from China, North Korea)」
・CNN「バイデン、首相の招待を受け入れ年内に訪日へ(Biden accepts Japanese Prime Minister’s invitation to visit later this year)」
・ロイター「日米首脳、懸念が高まるなか安全保障や経済協力の強化で一致(Biden, Kishida agree to boost security, economic cooperation amid rising concerns)」
・AFP「日米首脳、中国に対抗すると確約(Biden, Japan’s Kishida vow to ‘push back’ on China)」
・ストレート・タイムズ紙(台湾)「バイデン-岸田会談での日米緊密化、アナリストは中国への不穏な空気の高まりを反映すると指摘(Biden-Kishida meeting: Closer US-Japan ties reflect growing disquiet with China, say analysts)」
個人的には、①バイデン大統領の訪日で調整開始、②対中けん制で一致、③閣僚レベルでの経済版2+2の立ち上げ、④持続可能で包摂的な経済社会の実現のための新しい政策イニシアティブについて議論推進――が興味深いですね。実現すればバイデン氏初のアジア訪問となり、菅前首相のバイデン大統領就任後、初訪米を飾った時のようなインパクトがあります。その頃には北京冬季五輪が終了しており、②と③と合わせ冬季五輪後の中国の威圧的な行動へのけん制ともなり得ますね。
④について、バイデン氏が支持した岸田氏の新資本主義について「自分の選挙公約かと思った」ように、両者には共通点がございます。賃上げがまさにこれにあたり、バイデン氏率いる民主党の公約に掲げられ、岸田政権も今まさに具体的な成果に向け格闘中ですよね。
岸田政権が議論に着手した金融所得課税見直しも、バイデン政権下で進められた大型歳出法案「より良い再建法案(BBBA、現在も協議継続)」で、富裕層向けにキャピタルゲイン税引き上げが提案されていたことを彷彿とさせます。岸田首相が敢えて「持続可能で包摂的な経済社会の実現」と言及したように、気候変動対策に加えデジタル・トランスフォーメーションに注力する方針ですが、米国との協力は不可欠でしょう。半導体など供給網に範囲が及ぶことも考えられます。
バイデン大統領は1月6日、米議会襲撃事件を受けて演説した際に、公民権運動中にアラバマ州セルマで発生した「血の日曜日事件」と並び、「真珠湾」攻撃について言及しましたが、過去の悲劇が明るい未来につながるという考えを表すためだったと、改めて感じさせられますね。
23日には、エマニュエル駐日大使が着任されました。今年春に想定されるバイデン大統領の訪日を控え、日米関係は一段と緊密な連携が進みそうです。
- My Big Apple NY
- ウォールストリート発のアメリカ情報サイト



