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空き家対策

最近、地元を回っていて痛感するのが「空き家が増えたな」ということです。家屋というものは人が住まなくなると、どうしても空き家であることが明らかになっていきます。北九州市のとある地域では、私の目算で4割近い家屋が空き家になっているところもあります。その中には、既に10年以上空き家の状態になっていて、崩落しかかっている場所もあります。先日、門司区清滝では空き家の解体作業をやっていたら、屋根ごと崩落して、作業員の方が一時生き埋め状態になったという報道もありました。

 地域の方と話をしていると、「不審者が入りこんでいるケースがあり、近隣の方から不安が寄せられている。」ということもありました。不審者が入り、犯罪行為の温床になったり、火の不始末から火災になるようなことが想定されます。

 全国的に見ても、人口減少社会に入っている中でそういう地域は既に少なくないものと思われます。これは全国的に取組みを進めないといけない問題ではないかとの問題意識を持つようになりました。

 「どういうことができるかな」と色々と考えを巡らせてみると、概ね以下のようなことが頭に浮かびました。

① 所有権や相続

 行政等が空き家に手を付けようとしても、本来そこに住んでいた方や(住んでいた方が逝去されていた場合の)相続人の権利関係が出てくるでしょう。しかも、遺言が明確でない場合、相続放棄がなされていない場合等では、いつ突然相続の権利を持つ方が「この家屋に権利を持っている」と主張されないとも限りません(それは正当な権利です。)。しかも、日本の法制度上は相続人が多数にわたってしまうケースが多々あり、行政等が何らかの着手をしようとすると、それらの方すべてから承諾を取り付けなくてはならないということになるでしょう。しかしながら、それらの方すべてを探し出すこと自体がとても作業として難航するはずです。

② 税制

 詳細は分かりませんが、家屋の状態で維持しておく場合と、家屋を撤去して更地にしてしまう場合との固定資産税や都市計画税の違いを指摘する声が強いです。更地にしてしまうと税金が高くなるなら、住む当てがなくても、既に居住に適さなくなっても、そのまま家屋を維持しておこうという動機が働きます。制度の本義としては、土地の有効活用ということなんだろうと思いますが、それは人口増加社会の中では正しいと思いますが、現在のような状態を想定していないのではないかとも思うわけです。

③ 行政代執行

 仮に上記のようなことがクリアーされたとしても、最終的には行政代執行による解体ということまでを念頭に置かなくてはなりません。それは手続き的には煩雑で難しい面があります。行政代執行は最後の手段だと思うので、そう簡単には発動できないのでしょうけど、それでもあえて言えば少し簡便化できるところは簡便化していく方策を考えた方がいいのでしょう。

④ その後の土地の使い道

 これは場所によって違います。残念ながら、解体した後の土地の不動産価値が殆どないと思われる場所すらあります。逆にある程度纏まった土地であれば、何らかの開発価値が生まれる場所もあります。そんな中、最近とても増えてきているのが「駐車場」。住宅地の中に(かつて家屋があった場所に)駐車場が点在していることがよくあります。幾許かの寂寥感はありますが、仕方ないのかな、どうなのかな、複雑な気持ちになります。

 私がよく調べずに思いつきで書いたので、もっと、他の問題もあるのだろうと思います。いずれにせよ、この空き家問題、日本全体できちんとした取組を進めなくてはならない話です。ある有識者から、「地方から先駆的な取組が出てきて、それを中央で発展的に制度として取り入れるかたちがいいのではないか」というコメントを頂きました。国の法制度そのものが変わらないとやれないことは多々あるでしょうが、まずは地方自治体でポツポツと先駆的な取組が出てくることを望みます。

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