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加速する中国の少子化

1人っ子政策見直しの効果見られず


日本財団特別顧問 宮崎 正

中国・国家統計局の発表(1月17日)によると、2021年の出生数は1062万人と1949年の建国以来、最少となった。中国の人口問題に詳しい米国の研究者によると、1人の女性が生涯に産む子供の数の平均である合計特殊出生率も1.1~1.2と前年の1.3をさらに下回る見通し。2011年から人口が減り始めた日本(20年の出生率1.34)と同様、人口減少時代が目前に迫っている。

「明日の中国のため」

よく知られているように、中国では1970年代末から「一人っ子政策」が導入された。「経済発展の遅れは人口が多いのが原因」とする最高実力者鄧小平氏の考えに基づくとされ、筆者が1984年秋、渡部恒三厚相(当時)の同行取材で初めて中国を訪れた際、当時の呉学謙外交部長(外相)は北京の釣魚台国賓館で行われた招宴で「将来の中国より明日の中国のため」と政策の重要性を語った。

それから約40年。中国は世界第2位の経済大国になり、米国と覇を争うまでになった。経済発展に伴い労働力不足が深刻化し、2016年には1人っ子政策を廃止、以後「2人っ子」、「3人っ子」政策に転換したが、数字を見る限り成果は上がっていない。

中国女性の理想の子供数1.8人

日本財団が21年、中国やアメリカ、フランス、韓国など計8カ国の18~69歳の女性各500人を対象にしたインターネット調査で、「自由に子供を持ち、育てられるとした場合の理想の子供数」を聞いたところ、中国は8カ国中、最低だったものの全年齢平均で1.8人、過半数(53%)は2人が理想と回答した。ちなみに日本は8カ国の中でトップの2.4人。どの国も「2人」前後が女性の理想、中国も例外ではないようだ。

1人っ子政策には、驚きや「天下の愚策」とする批判が国際社会から多く出たと記憶する。呉外交部長の話を聞いた際、自身も「『多子多福』(子供が多いほど幸せ)の文化を持つ中国で果たして成功するか」、「人口バランスの歪みをどう補修するのか」といった素朴な疑問を持った記憶がある。

政策を巡っては1978年憲法が「国家が計画出産を提唱、推進する」と定め、1982年憲法では夫婦に計画出産が義務付けられ、2人以上、子供を設けた夫婦に罰金を科す地方政府もあった。中国には「子が親の面倒を見る」伝統がある。1人っ子同志が結婚すれば、夫婦で双方の両親4人の世話が必要になる。経済的負担も大きく、出生率が上がらない一因になっている面もあるようだ。

女性より男性が多い人口構成

加えて、農村を中心にした男児を望む風潮が、通常なら女性100人に102~107人となる男性数を118近くまで押し上げ、女性より男性が3700万人も多い世界でも珍しい人口構成国となった。結果、「光棍児」と呼ばれる結婚できない男性独身者が3000万人を超え、婚姻数も減少、人口1000当たりの出生数は8.5人と、こちらも建国以来、最低の数字となっている。

21年、世界の人口は78億人に増えた。そんな中、東アジアでは韓国、台湾の出生率も中国、日本以上に低下しており、世界でもこの地域の出生率の低さが際立っている。中国の膨張策で東アジアの政治情勢は厳しさを増しているが、少子化対策で知恵を出し合う手もあるのではないか。併せて一人っ子政策が今後の歴史の中で、どう評価されていくか見守りたく思う。

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