- 2022年01月19日 16:06
中国1人当たり年間可処分所得の実態
2/2以上の数字から、次の事が言えるのではないか。
(1)と(2)と(3)をすべて併せた7.8〜8.4億人は、1日当たり1200円未満の可処分所得しかない。あるいは、(1)と(2)と(3)と(4)をすべて併せた10.4〜11.2億人は、1日当たり1800円未満の可処分所得しかない。中国全人口の13〜14億人でも、平均1日3500円未満の可処分所得だと言えよう。
それにもかかわらず、中国にはスーパーリッチが少なくない。後述するように、高所得層中、ごく一部が同国資産全体のかなりの部分を保有しているのではないだろうか。
例えば、『フォーブス(Forbes)』誌によると、2021年、「世界長者番付・億万長者ランキング」で、50位までに中国勢が10人も占めている。
第13位に、中国最大の飲料会社「農夫山泉」の創業者、鍾睒睒(689億米ドル)。15位に、「テンセント」の馬化騰(658億米ドル)。
21位に、ECプラットフォーム「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」黄峥〔コリン・ホアン〕(553億米ドル)。第26位に、「アリババ」のジャック・マー〔馬雲〕(484億米ドル)。

第35位に、物流会社「順豊エクスプレス」(「SF」Express)の王衛(390億米ドル)。第37位に、家電メーカー「美的集団」の何享健(377億米ドル)。39位の「バイトダンス(動画共有サービス「TikTok」を運営)」の張一鳴(356億米ドル)。
44位に、「牧原食品」秦英林とその一族(335億米ドル)。45位に、「NetEase」(網易)の丁磊〔ウィリアム・ディン〕(330億米ドル)。第50位に、不動産「碧桂園集団」の楊惠妍〔同社の創始者、楊国強の次女〕(296億米ドル)。
ちなみに、日本人で50位以内にランクインしたのは、第29位、「ソフトバンクグループ」の孫正義(454億米ドル)、及び、第31位、「ユニクロ」の柳井正とその一族(441億米ドル)の2人だけだった。
ところで、「任沢平チーム」は、2021年の中国の所得の現状および国際水準と比較分析した研究論文を発表(任沢平「「任沢平が語る中国の所得分配に関する報告書2021:現状と国際比較」『東東有魚私募網』2021年8月19日付)した。
主な論点は以下の通りである。
第1に、中国のジニ係数(0〜1の間。数値が低いほど平等)は依然、高い水準にあるが、近年は的確な貧困緩和政策等によって縮小している。ただ、中所得層は、高所得層や低所得層に比べ、所得の伸びが鈍い。
第2に、中国のジニ係数は2000年に0.599だったが、2015年には0.711まで上昇した。2020年、中国住民の上位1%が総資産に占める割合は30.6%に達している。
第3に、中国では社会的流動性が低下している。特に、低所得層が高所得層に転じる可能性は低い。
第4に、構造的に、都市と農村の格差、地域と業種の格差がある。都市と農村の格差は、中国における所得格差の大部分を占める。また、地域格差も顕著で、東部と西部の格差が大きい。他方、業界の所得格差だが、情報技術部門の賃金が最も高く、農林漁業部門の賃金が最も低い。
以上のように、中国の貧富の差は大きい。そのため、常に社会不安がつきまとう。
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