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選挙でダメなら日々の行動で社会を変える「消費アクティビズム」―BIG ISSUE LIVE #9

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消費者としてできることは?

今日からすぐに実践できることがある。それは、モノを買う時にできる限り自分にとって過ごしやすい社会づくりに貢献している企業を選ぶことだ。どう選べばよいのか。

佐久間さんは「大資本のスーパーより、地域の商店街。地域に根づいた店で使ったお金は大企業資本のスーパーで使うお金の6倍が地域に残ります。こうした小さな努力が地域コミュニティを活性化させる」と話す。

地域を循環するお金を人体と血液に例えてみるとわかりやすいかもしれない。

大資本より、中小の資本。中小の資本より個人商店。そうすれば大資本に吸収されて地域の外にいる株主にどんどん流れ出ていくお金は少なくなる。そして、地域内でお金が循環するとその地域には新たなビジネスや助け合いの余裕が生まれたり、活気が生まれやすくなる。

また、コンビニで買い物をするにしても、より環境に配慮しているチェーンを選ぶ。

役員の女性割合を参考にするなど、自分が「あるべき社会」「住みよい社会」に近い企業を選ぶことで、その企業がより元気になるよう応援するという手もある。

まずは私たち一人ひとりの日々の行動が社会の形をつくっていると認識することが大切と佐久間さんは言う。

「何かしたいけれど何をすればよいのかわからない」という声にこたえて、佐久間さんと勉強会を開催する仲間が「私は社会がよくなるように、こんなことをしているよ!」を集めた冊子が「We Act!」だ。




「できることは必ずある:わたしたちのアクション集」と題された小さな冊子には、「ジェンダー」「環境」「暮らし」「仕事」「人権」「コレクティブ」といったテーマでそれぞれのアクションとアウトカム(その結果)がまとめられている。「キッチンペーパーを使うのをやめた」「パワーシフトした」「Twitterデモに参加した」「ビッグイシューを買うようになった」などの、それぞれの「できたこと」を眺めていると自分もできることがあると思えてくる。

https://sakumag.katalok.ooo/ja/items/43454

「変わらない世の中とか、将来に対する不安とか、落ち込む理由は今の時代いくらでもありますが、だからといって指を加えて見ているだけでは、福祉や社会システムがどんどん骨抜きにされて、さらに個人にとっては苦しい世の中になってしまう。私自身、社会活動を取材し続け、参加する中で、自分の孤独感が払拭されたり、不安が軽減する体験をしてきました。一人ひとりの力は小さくても、束になれば大きな力にすることができるし、与えられた環境のなかで何ができるか?と、いたわりあいながらもみんなで考えることが、それぞれのメンタルセイフティにもつながる。一緒にやる人たちを見て、一人じゃないという気持ちも持てる。 だから、私は自分のアクション(できること)として、こんな活動があるよ、と伝えて続けていきたい」と佐久間さんは話す。


簡単にできるソーシャルアクション「エコジア」

『We Act!』を読んだビッグイシュー日本東京事務所所長の佐野未来が最近始めたアクションは「検索エンジンとして“エコジア”を使う」というもの。気候変動の問題解決を掲げてスタートしたドイツの社会的企業の提供する検索エンジンで、広告収入の80%を植林や森林再生活動を行う団体に寄付している。検索回数に応じて植樹された数が表示されるといった楽しいしかけもある。

https://www.ecosia.org/

「経済を回さなきゃ」の結果が今の世の中。コミュニティとしての助け合いを

最後にメッセージを、と促されると佐久間さんは、「自分自身、災害時に行政のヘルプがやってくるのが遅いなどの問題を抱える、市民運動が盛んな地域に暮らしてきて、コミュニティ活動に参加することで生きることの不安感を払拭できてきた経験があります。同じような場所を作りたいという気持ちから、読者とのコレクティブを作ったことで、自分自身もまた孤独感から救われています。最近の日本では、自己責任や“自助の時代”とのメッセージが優勢ですが、行政の免責の言い訳として使われ、コミュニティによる共助に負担がかかりすぎているように思えます。企業の社会責任や行政が責務を果たすことを求めながら、互いのメンタルセーフティを気遣い、精神のよりどころを提供することこそがコミュニティの役割なのかな、と思っています」と話した。



佐久間裕美子さん プロフィール
ニューヨークを拠点とした文筆家。1996年にアメリカに留学。2003年、フリーのライターとして独立。服や音楽などのカルチャーについて執筆する傍ら、社会の正義や不平等などにも注目。アメリカ国内の市民活動を取材し、2014年、「ヒップな生活革命」、2020年「Weの市民革命」などを執筆。 

**新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急企画第8弾**


2021年12月6日(月)~2022年2月28日(月)まで受付。
販売者からの購入が難しい方は、ぜひご検討ください。
https://www.bigissue.jp/2021/12/21589/

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