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関電金品受領問題-取締役責任調査報告書の信用性はどうなる?

昨年12月23日の朝日新聞ニュースによりますと、関西電力の役員らによる金品受領問題で、法人である関電と関電株主らが元会長ら旧経営陣6人に損害賠償を求めている訴訟に関連して、大阪高裁(大島真一裁判長)が関電側の代理人弁護士3人のうち2人を、訴訟から排除する決定をしたそうです(12月22日付け)。訴訟代理人からの排除の対象とされた弁護士2人は、金品受領問題をめぐり、関電が旧経営陣の法的責任を調べるために設置した「取締役責任調査委員会」の委員を務めておられたようです。

関電元会長らもその調査に応じていたわけですが、元会長らは、調査委の調査に対して「独立性を担保された委員の立場を信頼して、問われるまま供述した」「(調査委員である弁護士が損害賠償請求訴訟でも関電側の代理人に就いていることについては)被告らの内情を知り尽くした両弁護士を代理人とする行為は、関電として信義則に反する」として、昨年7月、当該弁護士2名を訴訟から排除するよう大阪地裁に申し立てていました(大阪地裁は今年3月、申し立てを却下し、元会長らが抗告していたものです)。

そういえば本件については、当初、元会長が代理人を飛び越えて直接関電側に「けしからん!」と圧力をかけたとして、元役員のほうが世間的に批判をされていましたよね。

調査委員会委員を務めていながら、その後、会社側の代理人に就任する、という点については(諸事情ございますので-笑)あまりツッコミを入れないことにしますが、どのような理屈から「排除」という法的効果が生じたのか、その判断プロセスについては知りたいところです(2020年8月に、「コンフリクトの疑われる代理人を相手方は裁判で排除できる-特許権侵害事件・知財高裁決定の衝撃」と題するエントリーを書きましたが、この決定と同じような理屈で排除決定が出されたのかどうか。

また、大阪高裁の排除決定によって、訴訟が継続している大阪地裁の審理、とりわけ「責任調査委員会報告書の事実認定の信用性」にどのような影響が生じるのか、こちらも興味があります。中立性のある弁護士⇒代理人弁護士という流れだから影響はない、ということなのか、後日平然と代理人弁護士に就任している経過からみれば、そもそも中立性はなかった(よって事実認定は会社寄りであり信用性に乏しい)、ということなのか。調査委員会委員を経験する者として、裁判所がどのような見方をするのか、参考にさせていただきます。

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