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1年目から年収1000万円…「シロウト店長」でも稼げるワークマンのスゴい仕組み

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“専業”を条件に法人化も認められている

加盟当時、新座野火止店の売上げは約2億円あった。年収として2000万円に達していたかといえば、「そこまではいかなかった」という。それもやはり人件費や店内在庫の返済金などを多めにとっていたからなのだろう。

デスクトップで電卓
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/marchmeena29

はっきりとした数字は口にしにくいとしても、現在の収入はどうなのだろうか? たとえば同じくらいの年代のサラリーマンと比較するとしたなら……。

「おそらく平均額よりは上だと思います。一概に言いにくいのは、うちの場合は加盟した2年後に法人化したからでもあるんです。法人化する店長も多いようですが、法人化すると、個人の収入にするか、会社に残すようにするかという考え方によってもずいぶん手取り額は違ってきます。僕はどちらかというと会社に残しておきたいタイプなんです。そのかわり、必要な部分は経費から出せるようにしているので、車にかかるお金や携帯電話の料金なんかはそこから出せています」

店舗の運営を法人化するパターンは実際に少なくない。ワークマンとしては、最初から法人として加盟することは認めていないが、加盟後一定の条件を満たしていれば“ワークマンの専業”を条件に法人化を認めているのだ。

近隣店舗へのライバル意識はあるのか

新座野火止店の売上げは、加盟後半年ほどはかなり好調だった。ただし、この地域ではワークマンを2店舗増やしたこともあり、その後はいったん売上げが落ちてしまった。

それでも周東さんは、新規2店舗の店長とも良好な関係を築きながら、売上げを回復している。

「売上げはいま、いいときと同じくらいにまで戻せています。それができたのはブームのおかげだとも思っています。売上げが落ちていた時期はけっこう長かったので、どこまで落ちるかなという不安はありましたけど、その頃に支えてくれていたのは常連さんだったので、常連さんはこれからもずっと大事にしていきたいと思っていますね」

同期の店舗と売上げの比較などはするのだろうか?

「よく話はするんで、だいたいの感じはわかっています。引き継いだ時点ではうちの店の売上げがいちばんよかったんですが、その後、同期のふたりはすごく売上げを伸ばしていって、逆転されました(笑)。ライバル意識ですか? それはまったくないですね。同期に対しては仲間意識しかなくて、何かあったら協力するようにしています。ひとりは僕と同じ年で、ひとりは僕たちより若いですけど、話していると、ふたりとも僕よりずっと優秀だな、と感じますね」

店長候補社員制度はワークマンドリーム?

あらためて店長候補社員制度を振り返ってみてどうか。この制度に応募したことが正解だったと振り返られるだろうか?

「最初から安定した経営ができるというのは大きいですよね。どんな業種であれ、売上げがどうなるかもまったくわからない店をイチから自分でやっていくリスクは大きいし、コロナ禍であればなおさらそうだと思うんです。この制度はもともと“繁盛店を譲ります”というニュアンスだったんですから、なかなかない機会だとは思いました」

安心感のある独立というのは、たしかに普通は難しい。店長になったあとにも売上げを伸ばしていければ収入はさらにあがっていくのだからまさに“ワークマンドリーム”だ。

周東さんは、この制度に応募して研修を受けていた段階から「自分の選択が正解だという確信があった」とも話している。

「店長候補社員は教育部に配属されるかたちで、教育部の人たちや当時のマネージャーにいろいろ教えてもらって、本当に恵まれていたと思っています。お世話になっているなかで、時間が経てば経つほど確信が強まっていった感じでした。僕を採ってくれた人事部と、育ててくれた教育部、それにマネージャーの平野さん。この人たちには心の底から感謝しています。僕には小売りの経験がなかったのに、イチから基礎を教えてくれたんですからね。1年間ですべては吸収しきれなかったんですけど、すごく勉強になりました」

求めるのは“乾いたスポンジ”のような人

周東さんがこれほど感謝しているという平野マネージャーとは現在の営業本部長だ。

土屋哲雄『ホワイトフランチャイズ』(KADOKAWA)
土屋哲雄『ホワイトフランチャイズ』(KADOKAWA)

念のため、平野本部長にも周東さんの言葉を伝えてみたのだが……。

「当時は担当SVとして他の店舗と同じ巡回をしていたので、そこまで言っていただけるとかえって恐縮しちゃいます。当時の周東さんには店長候補社員の一期生としてのプレッシャーがあったと思うんです。自分たち一期生がダメならこの制度自体がダメになってしまうという思いのなかで必死にやられていました。たとえるなら、乾いたスポンジじゃないですけど、いろんなことを吸収する力が強い人だという印象です。

人事部が周東さんを採用したのは、そういったところを見抜いていたからだと思います。新しいことに挑戦するとき“吸収力”はとても強力な武器になりますから。担当を外れるときに冗談で、『本当に困ったときには、3回まで直接連絡してきてもいいですよ』と言ったのに、一度も連絡してきたことがないんです。周東さんに聞いてみたら『もったいなくて使えない』って言ってましたけど、私は一期生としての誇りがあるんだと思っています」

乾いたスポンジというのはうってつけの表現かもしれない。ワークマンはそういう人材を欲し、そういう人材が夢を掴みやすくなるシステムを考え続けている。

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土屋 哲雄(つちや・てつお)

ワークマン専務取締役

1952年生まれ。東京大学経済学部卒。三井物産入社後、海外留学を経て、三井物産デジタル社長に就任。企業内ベンチャーとして電子機器製品を開発し大ヒット。本社経営企画室次長、エレクトロニクス製品開発部長、上海広電三井物貿有限公司総経理、三井情報取締役など30年以上の商社勤務を経て2012年、ワークマンに入社。プロ顧客をターゲットとする作業服専門店に「エクセル経営」を持ち込んで社内改革。一般客向けに企画したアウトドアウェア新業態店「ワークマンプラス(WORKMAN Plus)」が大ヒットし、「マーケター・オブ・ザ・イヤー2019」大賞、会社として「2019年度ポーター賞」を受賞。著書に『ホワイトフランチャイズ』(KADOKAWA)がある。

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(ワークマン専務取締役 土屋 哲雄)

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