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- 2022年01月03日 12:57
【ウォルマート】、カーブサイド・ピックアップ急成長!アマゾンを脅かす存在感を発揮?

後藤文俊
クリック&コレクトとも呼ばれているカーブサイド・ピックアップは、利用者がネットで注文した商品を指定されている店舗駐車場にてスタッフから受け取るサービス。
利用者は通常、車から降りる必要はなく、注文品はスタッフがトランクに積んでくれる。
コロナ禍では売り場で買い物するより感染リスクが最小となり、チェーンストアにとってはコスト高の宅配サービスより黒字化しやすいといえる。
調査会社のeマーケッターによると、ウォルマートのカーブサイド・ピックアップが伸びていることで、クリック&コレクト注文全体の25.4%を占めるという。
ウォルマートに続いてクリック&コレクト等のシェアが大きのがホームデポで13.3%となる。
ウォルマートのカーブサイド・ピックアップは2019年、72.1億ドル(約8,300億円)だったがコロナ禍で需要が急増し利用が定着、2021年は2年前の約3倍弱となる204億ドル(約2.3兆円)にも上昇した。
eマーケッターによるとクリック&コレクト全体が今年も約21%も増加することでウォルマートのカーブサイド・ピックアップも大きく成長すると予想している。
2013年から開始したカーブサイド・ピックアップをウォルマートはほぼ全店で実施。
昨年4月にはカーブサイド・ピックアップの利便性を高めるため、1,500ヶ所まで拡大したボピス用(BOPIS:Buy Onlin Pickup In Store)の「ピックアップタワー(Pickup Tower)」を撤去した。
ネット注文した商品を店舗で受け取るピックアップタワーはエストニアのロボット開発企業クレヴァロン(Cleveron)が開発した「クレヴァロン401」。
ピックアップタワーは高さ16フィート(約5メートル)幅8フィート(2.4メートル)で、最大300箱(箱の大きさは60cmx40㎝x40㎝まで)の注文品の保有が可能だった。
ネット注文時にピックアップタワーでの受け取りを選択すると、ピックアップ専用のバーコードが届く。
操作はピックアップタワーに近づくと、操作パネルがオープンし、送られてきたバーコードをかざすと5〜10秒で注文品が出てくるハイテク機器だ。
ピックアップタワーで受け取る対象商品は、温度管理が必要な生鮮品などの食品は除外され、市販薬やサプリメント、おもちゃ、アパレル等となっていた。
ウォルマートは2017年からピックアップタワーの導入を開始、徐々に導入する店舗を増やして1,500店まで拡大した。
ニューヨーク・マンハッタンから近距離にあるニュージャージー州セコーカスにあるウォルマート・スーパーセンターなど、一部の店舗では需要の多さからピックアップタワーを2台導入している店もあったほどだ。
巨大なハイテク機器をスクラップした理由は、店内での受け取りを店の外で渡すことにある。
ウォルマート広報担当者は当時「お客様は一ヶ所でピックアップしたいのです。お店の外で受け取りたいのです」と述べていた。
つまりパンデミック以降、カーブサイドピックアップが急速に普及したことで、お店に入ってネット注文品をピックアップタワーでピックアップより、生鮮食品などの注文品を受け取るように駐車場で一緒に受け取りたいとの声が急増したのだ。
ピックアップのために入店する必要がなくなれば手間と時間が節約でき、感染リスクを減らせるというメリットだ。
さらなるカスタマー・エクスペリエンス向上でウォルマートはピックアップタワーを撤去したのだ。
またウォルマートでは国内店ではないがカナダのトロント地区にある店舗ではエクスプレス・ピックアップのテストも開始した。
eマーケッターによるとカーブサイド・ピックアップを含むクリック&コレクト市場は今年、前年比21%の増加となる1,010億ドルに成長する。また来年はさらに1201.5億ドルにも達する。
宅配サービスと同様ウォルマートはカーブサイド・ピックアップでアマゾンを攻略しようとしているのだ。
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各チェーンストアのクリック&コレクトの成長率の推移。カーブサイド・ピックアップを強化するウォルマートの伸びが著しいことがわかる。
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ウォルマートはロケーション・ファクト(Location Facts)ページで四半期ベースの店舗数をアップデートしている。直近の更新は昨年の10月31日。直近のアップデートではこれまでなかった項目「ピックアップ・ロケーション(Pickup Locations)」3ヶ所が加えられているのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ウォルマートはロケーション・ファクト(Location Facts)ページで四半期ベースの店舗数をアップデートしています。直近の更新は昨年の10月31日です。スーパーセンターが7月31日より1店舗増えて3,571店。ディスカウントストアが3ヶ月前より1店舗減少の371店。ネイバーフッドマーケットが横ばいの683店舗でコンビニエンスストアも横ばいの8店舗です。小型フォーマットは1店舗減少となる106店舗でした。で、この下にこれまでなかった項目「ピックアップ・ロケーション(Pickup Locations)」が加えられています。ピックアップ拠点3ヶ所が、ダークストアなのかハブ&スポーク展開のピックアップテストか何なのかはわかりません。が、ウォルマートは物流や店舗以外をロケーションとして言及していることにチェーンストアとして大きな変化を感じます。エントリー記事にあるようにウォルマートにとってカーブサイド・ピックアップがアマゾンに対抗する強力な武器として存在感を発揮していることに間違いありません。
パンデミックが3年目になり(店内での)マスク着用疲れから今後も店の外でピックアップする顧客が増えます。カーブサイド・ピックアップの需要が大幅に拡大するなら、店内でのピッキング作業等を効率化し、スピードアップも図れるカーブサイド・ピックアップ最適化フォーマットも登場します。



