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二宮和也は“人間力”が違う――『潜水艦カッペリーニ号の冒険』馬場康夫監督が明かす撮影秘話

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『潜水艦カッペリーニ号の冒険』 (C)フジテレビ

台本から想像できる像の数倍いい


きょう3日(21:00~)に放送されるフジテレビ系スペシャルドラマ『潜水艦カッペリーニ号の冒険』。第二次世界大戦下で、日独伊が同盟を組んでいた中、革命の起こったイタリアが日本の敵国となり、それを知らずに航行していたイタリア人の潜水艦乗務員が、浮上したら同盟国だったはずの日本の軍人に拳銃を突きつけられたという馬場康夫監督が調べた実話をもとに、最も規律の厳しい日本兵と、食べて歌って恋をして…が人生のテーマであるイタリア人たちの奇妙な交流を描く物語。厳格な日本海軍少佐・速水洋平を二宮和也、速水の妹・早季子を有村架純が演じる。

「この作品は二宮和也主演でなければ成立しなかった」と断言する馬場監督。二宮が出演するドラマをすべて見ており、この初仕事で「改めて頭のいい方だと思った」と語る“生の”二宮和也像とは。ドラマ化実現の経緯も含め、現場のエピソードまで聞いた――。

■25年の時を経てついに“浮上”


――このドラマが生まれた経緯を改めて教えてください。

1997年、連載していた雑誌のコラムの300回を記念して、このカッペリーニ号の詳細について書いています。弊社のOGである女性の夫がイタリア人で、この実話を教えていただいたのがきっかけです。本作はドラマなのでフィクション的な演出、いくつかの話をまとめてお送りしているのですが、この件に詳しいジャーナリストの方にしっかり取材などもした上で、このコラムで「ホイチョイが映画化します」と、当時の連載の中で著作権宣言をしたんです(笑)。ですが、マーケティング的にニーズがあるのか、どうしたら成立するか。紆余曲折があったところ、フジテレビさんが重い腰をあげてくださいました。

――そして、2022年の新春についに日の目を見るのですね。

盟友でフジテレビの元社長の亀山千広さんにも「あの潜水艦、ずっと浮上しないんじゃないか」と冗談交じりで嫌味を言われてましたよ(笑)。しばらくは酒飲み話でいろんな方に話したのですが、例えば、同じフジの石原隆さん(『世にも奇妙な物語』や『古畑任三郎』などの三谷幸喜作品、『HERO』などに関わったプロデューサー、現・日本映画放送社長)にも「それすごくドラマっぽいよね。同じ潜水艦の中に、世界で一番軍規が厳しい憂国の士・帝国海軍の軍人と、食べて歌って恋をするイタリア人が一緒になって戦っていた。いつか映画にしたいね」とおっしゃってもらえました。脚本の澤本嘉光さんにお願いしたのも、10年前のことです。

■イタリア語の長文セリフに驚きの“二宮メソッド”


――二宮和也さんとの初仕事はいかがでしたか?

二宮和也ですよ! クリント・イーストウッドが惚れ込んだ人ですよ! ダメなわけないじゃないですか。格が違いましたよ。僕は今まで『私をスキーに連れてって』『彼女が水着にきがえたら』『波の数だけ抱きしめて』『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』などの映画で監督してきまして、どの作品もお芝居の上手な役者さんばかりでしたが 今作の二宮さんも有村架純さんも、非常にすごい役者でしたね。

――つまり、二宮さんが演じられる速水は想像以上だった?

台本から想像できる速水の像とは全然違っていましたね。そして数倍いいです。そこがやっぱり、二宮和也という役者なのだと思います。

――具体的にどういうところが素晴らしいと感じたのでしょうか?

役者さんは台本を読み込んできて演技するじゃないですか。そこで変な質問をされたことがないし、一番ビックリしたのはイタリア語が完璧だったんですよ。現場のイタリア人もビックリするほど。ものすごく長いイタリア語のセリフをNG1回もなく、立て板に水のごとくしゃべっているんですよ。

――相当特訓されたのでしょうね。

特訓について聞いてみると、翻訳アプリを使ったのだとか。つまり、翻訳アプリに向かって自身のイタリア語のセリフをしゃべり続けたと。それをずっと繰り返して、台本に書いてある日本語の翻訳の文章になるまで、やり直し続けたと言うんです。この方法、すごく頭がよくないですか? 外国語の練習方法としても秀逸。ただハリウッド映画『硫黄島からの手紙』ではまだ翻訳ソフトなんてありませんから、どうやったのか…。でも今、あるもので作っていくというのは、もはや二宮メソッドと言ってもいいのではないでしょうか。
イタリア人役の(左から)パオロ、ベリッシモ・フランチェスコ、ペッペ (C)フジテレビ

――ちなみに二宮さんは、イタリア語は今回が初めてですか?

そうだと思いますね。なのにあきれるぐらい完璧に入っていた。二宮さんのドラマは全部見てすごい役者だということは知っていましたが、これには驚かされましたよ。

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