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感染、再び急拡大 NY最新リポート

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大晦日を祝うNY市警の警察官(2021年12月31日、ニューヨーク市マンハッタン・タイムズスクエア駅にて) 出典:Photo by Alexi Rosenfeld/ Getty Images

柏原雅弘(ニューヨーク在住フリービデオグラファー)

【まとめ】

・ニューヨーク州、一日の感染者数が7万人を超え、上昇傾向に。

・オミクロン株流行で学校運営に当局苦慮、子供へのワクチン接種も加速。

・コロナ禍の中就任した新市長、アダムス氏の手腕が問われる。

いよいよ新年を迎えたが、この原稿は大晦日に書いている。

個人的にはいろいろと苦しかった2021年ではあったが、それでも、ここニューヨークでは2020年に比べれば、秋を迎える頃にはそれまでに悲観したほどひどい状態にならかったばかりか、急に世の中の活気が戻ってきたかのような、この先を楽観できるような空気感さえあった。それがここに来てのオミクロン株である。2021年12月に入ってから1年前の12月から全く時間が進んでいないんじゃないか、との錯覚を覚えるほどの、社会の冷え込みを感じている。

新たな年「2022」を「2020, too(2020年、またも)」と読むジョークがネット上にあった。2022年に昨年の再来を危惧する感覚を感じている人は多いに違いない。ここのところ、その影響が顕著になって来ている。

▲写真 ニニューヨークマンハッタンタイムズスクエアでの大晦日カウントダウンパーティーで、撒かれた紙吹雪やゴミを片付けに追われる衛生局の職員たち。(2022年1月1日)出典:Photo by Alexi Rosenfeld/ Getty Images

■ 感染急拡大のニューヨーク

昨年夏過ぎ、従来株に比べて感染力も毒性も強いといわれてたデルタ株が世界に脅威をあたえていたころ、全米でニューヨークはその影響から一番、遠いところにいた。

ところがこの1ヶ月で気がつけばニューヨーク州は全米でもトップの感染者数である。ニューヨーク州の他に感染者が多いのは、カリフォルニア州、テキサス州、フロリダ州で、ニューヨーク州では一日の感染者数が7万人を超え、上昇傾向である。感染者が多い地域に順位をつければこのとおりだが、アメリカの他の地域でも大差ないくらい、感染者が激増してきている。

全米規模で言えば、感染者は7日間平均で30万人、昨日はたった1日で58万人が感染、とすさまじい。ニューヨーク州に限って言えば、検査陽性率は22%を超え、マンハッタンでは住人50人あたり1人が感染者、とNBCテレビが報じている。

■ 対策に苦慮する学校

覚悟はしていたが、我が家にもその影響はやってきた。

冬休みを目前に控えた先月17日(金)になって、息子が通っている小学校と娘が通う幼稚園から、校内でコロナ陽性者が急速に増加したため、休校にする、という通知があった。ほぼ同時にである。実際、その段階でかなりの数の市内の学校がすでに閉鎖に追い込まれれていた。

冬休みまでもうすぐなので、安全策を取ってこのまま休校・冬休み、という対応は十分に理解できるのだが、たかだか残りの4日程度とは言え、少なくとも親ひとりが家にとどまらなければいけない負担は家庭の状況によってはかなり重い負担となる。

ニューヨークの教育局は昨年夏まで、市内109万人の小学生以上の生徒全員にパソコンを無料配布することによって学校の授業をすべてリモート授業で乗り切ってきたが、親は子供だけを家庭に残しておくことができないために仕事に出られない家庭も多く、不満の声も多かった。当時は政府や、州から全面的な失業保険の補償もあったりで乗り切れた人々も多かったが、今はそれもない。

悪夢の再来を阻止したいニューヨーク市当局は、年明け、オミクロン株の蔓延を視野に入れた上で、検査の徹底と、とワクチンの接種を強力に推進することにより、何としても、2度とロックダウンのような経済を停滞させなければいけない状況を避け、新学期は100%対面授業スタートにこぎつけたい覚悟だ。

いままで陽性者が出た場合、学級閉鎖などで対応していたため、陽性者以外も通学できなくなっていたが、新学期からはCDC(米疾病対策予防センター)の新方針(陽性者の隔離を10日から5日にする、など)もあって、検査を徹底することで陰性者は隔離なしで、引き続き通学を可能にするようになる。

息子の学校はチャータースクール、といって純粋な公立校ではないのだが、検査を徹底する、という方針で、学校は新学期が始まる1月3日を全職員・全生徒を対象にコロナ検査(抗原検査)を実施する日に充て、学校の初登校日を1月4日とし、全員に48時間以内の陰性証明の提出を義務付けた。

陰性証明は3日に学校が実施する検査の結果によるものでも、どこかの検査機関によるものでも良い。

また当日は学校で、家庭で検査ができるキットも配布される。これを利用して、家庭で検査を実施。書式に記入して結果をネットで報告しても良い。ここで配られる検査キットはバイデン政権が用意した5億個、といわれるの検査キットの一部だ。

市内の検査機関も年明けに一斉に学校や職場が動き出すので大混雑が予想され、学校でも学校関係者だけとは言え、生徒すべてが学校での検査に殺到すると、検査に時間がかかるとの想像は容易にでき、現実的にはこの検査キットを選択する人が多いと思われる。

■ 進む子供へのワクチン接種

アメリカでは現在、子供への接種も進んでいる。昨日は、8歳の息子がファイザーの2回め接種を受けてきた。

▲写真 5-11歳カテゴリーの受付の様子。11歳以下の接種場所は、すべてオレンジで統一され、大人用、モデルナワクチンが混在するこの会場で(11歳以下はファイザーの低用量ワクチンしか使用が認めてられない)慎重さが感じられた(撮影:筆者)

1回目接種の時には、予約をし、市営の接種会場で接種を受けた。だが、3週間後の2回め接種の昨日、同じ接種会場に出向いて驚いた。

待ち時間ゼロだった会場には数百メートルの列ができていた。オミクロン株の影響で会場の様相は一変してしまっていた。

▲写真 Pop-upと呼ばれる路上の臨時検査サイト。12月初旬まで誰も人が並んでいなかったが今では長蛇の列。日々増設されているが対応が追いつかない(撮影:筆者)

列に並んでいるの人にこれは何か?と尋ねたら予約しないで接種を受けに来た人の列だという。

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