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コロナ禍と消費喚起、少子高齢化と移民受け入れ…難しい舵取りを迫られる重要な一年に

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元経産省官僚の宇佐美典也さんに「私が○○を××な理由」を、参考になる書籍を紹介しながら綴ってもらう連載。第23回のテーマは、2022年の日本社会の展望について。舵取りの難しい一年になる一方で、重要な年であるということの裏返しだと宇佐美さんは指摘します。


私が2022年は日本にとって重要な一年になると思う理由

写真AC

さて2022年になりました。明けましておめでとうございます。

とはいえ新年早々この記事が出ていることからもわかるように、執筆している今この瞬間はバリバリ2021年の年末なわけですが、まぁ兎にも角にも年は明けました。明けましておめでとうございます。

2022年は重要な年 コロナ禍から正常モードへ

AP

ということで年明けらしく、今回は2022年を占うような記事を書いてみることにした。とはいえ私個人の知識では限界があるわけで、今回はみずほリサーチ&テクノロジーズの調査の粋を結集した「経済がわかる論点50 2022」を眺めながら考えることにした。このシリーズはコンパクトに世界経済、日本経済の動きがまとまっているので強くオススメしたい。色々問題もあるが、なんだかんだ言ってもやっぱりみずほグループの調査力はすごい。

ということで私が同書を眺めながら取り上げることにした2022年の政治テーマは以下の4つである。

【コロナ対策と国内消費喚起策のバランスをどう取るか?】
【少子高齢化と移民受け入れのバランスをどう考えるか?】
【コロナ後の財政再建をどう考えるか?】
【米中対立が加速する中、サプライチェーンをどう再構築していくか?】

2022年はコロナ禍という異常事態から、正常モードに転換するための道筋を徐々に模索していかなければならない。そういう意味では難しい年ではあるが、裏返せば重要な意味を持つ年となるであろうことも間違いない。以下それぞれ見ていく。

【① コロナ対策と国内消費の喚起策のバランスをどう取るか?】

日本の足元のGDP成長率を見ると、2019年は▲0.5%、2020年は▲4.5%という具合でマイナス成長が続いたが、同書では2021年には3.8%、2022年は3.7%と経済の回復が予測されている。そういう意味では2021年はコロナでダメージを受けた経済がある程度回復した年であったのだが、その回復の仕方は「K字回復」と呼ばれ、業界間の差がはっきり出たものだった。


これは日銀短観などを見ても明らかで、電機、産業機械、ITなどの業界で極めて好調な見通しが持たれている一方、対個人サービス、宿泊・飲食サービスの先行き見通しは相変わらず暗い。2021年に続き2022年も高い経済成長を望むなら、この両産業間の格差を埋めて「K字回復」から「V字回復」に転換していく必要がある。

そうなると、いわゆるGoTo関係政策など飲食/観光産業の再始動を後押しすることが非常に重要になってくるのだが、一方でオミクロン株の登場もありワクチン2回接種での集団免疫獲得は夢と消え第六波が来るのはほぼ間違いなく、飲食/観光産業の支援と感染対策をどう両立させるか、が問われることになる。

おそらくはある程度の感染の広がりを許容し、ワクチン接種証明アプリと連動させる形でブースター(3回目)接種を終えた人のみが対象となるような形でGoTo関連施策などが展開され医療資源の逼迫状況を見ながらマイナーチェンジを繰り返すことになると思われるのだが、これはかなり難しい舵取りになるのは間違いなく、岸田政権のコミュニケーション力、マネジメント力が試されることになるだろう。

【② 少子化、人手不足と移民受け入れのバランスをどう考えるか?】

続いていわゆる移民問題についてである。

日本は2010年ごろから人口減少社会に突入しているわけだが、この間外国人人口は200万人強から290万人弱へと増加し、労働人口の減少のスピードを緩和してきた。他方で外国人技能実習制度の悪用に代表される我が国の外国人の受け入れ体制の問題や、移民の増加に伴う社会的反発も徐々に増しており、そこにコロナによる検疫体制の強化も重なり我が国の移民政策は曲がり角を迎えている。


ただ現実問題、建設業や製造業や福祉関連業界では人手不足が常態化して有効求人倍率が高止まりしており、このままでは現場が回らなくなるので外国人労働者に頼らざるを得なくなってきているのも間違いない。先日も「規制緩和で1人で4人介護可能に」というニュースがやや炎上したが、この背景には全く解消に目処が立たないいわゆるエッセンシャルワーカーの人手不足の問題がある。

必然的に岸田政権は、エッセンシャルワーカーの労働環境の改善と、業界の生産性向上を進めつつ、他方で外国人労働者の受け入れも進めて人手不足にあらゆる手を尽くして対処していかなければならないのだが、一方でこうした移民の増加が政治問題化するのは世の常である。コロナ禍という逆風の中で、世間の納得のいく移民政策のフレームを示せるかどうか岸田政権及び各党の主張に注目したい。

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