- 2022年01月03日 09:33
オミクロン株が大流行中のイギリスから帰国、隔離生活のリアル
2/21日はこんなふうにして、過ぎた
入国者は滞在国・地域によって隔離日数が3〜10日と異なる。筆者が住むイギリスはオミクロン感染者が発生している国に該当するため、6日間の隔離だった。
「6日間」の数え方だが、入国した日はゼロ日になり、翌日が1日目。筆者は12月16日に到着したため、17日が1日目で、6日目は22日。退所日まで、同じ一つの部屋に宿泊し、外出は不可だ。
部屋に固定電話はあるが、コールセンターへの問い合わせのみで、外部とは話すことができない。もし家族や友人と話したい場合、テレビ電話(スカイプ、iPhoneのフェイスタイムなど)のみになる。
食事は朝食が8時半ごろ、昼が12時ごろ、夜が午後6時ごろ。ドアの取手に弁当が入ったビニール袋がぶら下げられる。すべての配食が終わると、弁当の袋が置かれていること、マスクをつけて袋を取るよう、アナウンスがある。
入国3日目の検査対象者へのリマインダーのアナウンスも、時折ある。
また、朝8時ごろ、ホテル側が用意したQRコードを使って、体温計で測ったその日の体温をスマホで報告する。この時、咳や熱がないかなど、健康状態の情報も伝える。
厚労省が用意したアプリ「MYSOS」への対応もあり、結構忙しい。こちらの方は健康状態の報告とともに、動画通話で対応するよう要請が来る。要請が来たら、これを受けて、カメラに向かって、30秒間こちらの様子を伝える。1日に2度の要請だが、いつかかってくるかがわからないので、不意打ちとなる。
ホテル隔離で最も辛かったこととは
自分の健康状態や位置情報の報告、家族や友人への連絡など、忙しく日が過ぎたものの、大きな不安を伴う旅への準備、長時間のフライトのため、体には相当疲労が溜まっていた。隔離はちょうど疲労の回復の時となった。
窓を少しの角度でも開けることができたので、外の空気を吸うことができ、気分転換に役立った。
室内ではドアとベッドの間の小さなスペースでストレッチングをしたり、小走りをしたりしたが、これは運動のためというよりも、ストレス解消に役立ったように思う。
家族や友人たちの「がんばって」という激励の言葉の数々に、何度も精神的に救われた。また、多少窮屈ではあっても、すべてが公費負担で運営されていることを片時も忘れたことはなかった。
しかし、心理的に大きな負担となったのが、普段は異国にいるために会うことができない家族に、同じ国にいるのに会えないことのつらさだ。ホテルの受付に差し入れをしてもらっても、面会は許されない。生身の人間と顔を合わせられない日々が続くのはこたえた。
同じ飛行機に乗った人が検査で陽性に
「いつどうなるか、わからない」という不安感も常につきまとった。
厚生労働省からの連絡で、隔離中に2度、同じ飛行機に乗った人の中にコロナ陽性の人がいた、という連絡を受けた。到着2日目と3日目、「あなたが搭乗していた航空機において、新型コロナウイルス感染症に関する検査で陽性と判定された方が確認されました」。
もしこれがオミクロン株の感染者だった場合、イギリスからの入国者で同じ便に乗っていた人は全員が「濃厚接触者」とみなされ、入国から14日間、指定の宿泊施設での待機になってしまう(当時。12月28日から、濃厚接触者の定義は感染者の同じ列と前後2列の乗客のみになった)。
筆者の場合、陽性者がオミクロン株の感染だったという追加報告はなかったものの、退所日まで、「もしかしたら」という不安は消えなかった。
退所日、シャトルバスが羽田に到着したのは午後6時過ぎだった。入国者は自宅など次の待機施設に行くまで、公共交通機関以外の道を事前に手配する必要がある。
政府は利用可能なハイヤー調達会社のリストを作成している。
筆者は、リストには乗っていなかったが、個人ブログで良いレビューが書かれていたある会社にネット予約。金額は他の会社が都内近辺で約2万5000円のところ、ほぼその半額だった。
自宅ではひとつの部屋をあてがわれ、そこで寝起きしている。原稿執筆時点で、自宅待機が6日目に入った。14日間の待機が終了したのは12月30日だった。
―隔離を経験して感じる2つの改善点
最後に、システムの改善のために2つ提案しておきたい。
まず、コロナウイルスワクチンを2回以上接種し、陰性証明書を持ち、入国当日、および滞在3日目に検査を行なって陰性とされた入国者を、その後数日間のホテル隔離を含む全14日間にも及ぶ、外部との接触制限付きの待機措置にする必要はあるのだろうか。
政府には、医療関係者と相談の上、公費削減のためにもぜひ効率性の向上を一考していただきたい。
また、ホテル隔離および自宅などの待機による心身への影響についても一考いただき、策を講じてほしい。例えばホテル隔離中、家族とは一切会えないのは厳し過ぎるのではないか。受付でガラス越しにでも会えるようにできないだろうか。また、職員の方の監視のもとで良いので、1日に1時間ほど外に出て太陽の光を浴び、歩くようにできないか。
「コロナと共に生きる」ために、よりよい入国者対策を望みたい。



