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オミクロン株が大流行中のイギリスから帰国、隔離生活のリアル

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欧州で急激に感染者数が増えている、新型コロナの変異株「オミクロン株」。中でも昨年12月中旬から1日に10万人以上の新規感染者を出しているのが、イギリスだ。

筆者はロンドンに20年近く住んでいるが、感染拡大から約2年が経ったこのタイミングで、家族の事情により年末年始に一時帰国し日本で過ごすことになった。

今回は、12月16日から年明け直前までの2週間、ホテルや自宅で隔離状態となった筆者の体験を記してみたい。外部との接触を厳重に禁じられる、政府指定のホテルでの強制隔離とはどんなものだったのか。

「日本に帰れなくなるかも」イギリス出国直前まで高まる不安と緊張感

「帰国できなくなるかもしれないよ」。東京に住む母がスカイプ電話の電話口でそう言ったのは、昨年11月末のことである。南アフリカでオミクロン株の存在がWHOに報告されてからまもなくだった。

筆者は元々、1月中旬に一時帰国するチケットを買っていたが、その後、障害を持つ弟がコロナが原因で年内に職を失うことになった。さらに一緒に暮らす高齢の母が発病。帰国を早めざるを得なくなった。

壁に貼られたレモンや梅干しの写真?日本到着後の手続き

まず、ロンドンを発つ前に提出書類の準備だ。出国前に準備していたウィルス検査の陰性証明書(医師の署名を含む、日本政府が指定する必須項目を含むことが条件)と感染症対策質問票である。後者は名前、生年月日、滞在地、体調などの質問に回答したもので、回答後に取得したQRコードを印刷しておいた。

パリのシャルルドゴール空港で羽田行きを待つ人々(筆者撮影)

12月15日、ロンドン・ヒースロー空港からパリ経由で羽田空港へ。パリー羽田間のエコノミー席では、誰も座っていないシートが目に付いた。

小林恭子

パリ出発から約11時間後の翌16日昼、搭乗機は羽田空港に到着した。「手続きが終わるまでに、7時間かかる」「途中でトイレを使えない」「飲み物・食べ物を買えない」などの経験者からの情報をもとに、筆者は入国関連の書類をクリアファイルに保存してすぐに取り出せるようにしていた。飲み物や軽食を手荷物に入れるとともに、到着直前にトイレの使用を済ませた。

空港に到着すると、マスクを着用した空港職員、警備員らが通路に並ぶ中、指定されたルートを通って、書類確認所、検疫所、隔離中の居場所を知らせるスマホアプリなどのインストール場所に向かってかなりの距離を歩くことになった。

抗原検査は唾を溜める方式で、必要な容量を出すまでに時間がかかり、焦った。ブース内に「レモンや梅干しの写真が貼られている」という知人の情報は本当だった。

処理の過程で、厚生省が出す「誓約書」を書き込むように要請された。入国者は、入国翌日から14日間は、政府指定の宿泊場所または自宅で待機し、他人と接触しない、公共交通機関を利用しない、入国者健康居場所確認アプリ「MySOS」をインストールする、などを誓う必要がある。

最後が、MySOSのインストールと具体的な操作方法の説明だった。全員がスマホを所持することが基本となっており、持っていない人は貸し出す形を取る。

書類の確認を経て、等間隔に置かれているパイプ椅子に座るように指示された。しばらく待っていると、筆者を含む数人が出入国管理デスクによるパスポートチェックに向かうように言われた。

周囲にいる他の入国者が同じ便に乗っていた人だったのかどうかは、掴みにくかった。アプリインストールの段階を終了するまでの時間が人によって異なり、各地から様々な便で到着した入国者が一人また一人と次の段階に進んでいるようだった。

パスポートチェックを終えて、スーツケースを受け取った後、出口に向かう。一定数が集まるまで待機した後、隔離ホテルに行くシャトルバスの停車場へ。

バス内では十数人に達するまで30分ほど待ち、痺れを切らしたある入国者が「一体いつになったら、出発するの」と怒りの声を上げる場面もあった。

どこのホテルになるのかが事前に知らされないまま、バスが走り出した。小1時間後、バスは都内のホテル前で停止した。

―ベジタリアンメニューを頼むと出されたのは…

コロナ対策のため、入国者たちは一人ずつ間隔をあけてホテルの中に入り、受付で検査の結果を含む関連書類を提示するよう求められた。自分の識別番号、体温計、カードキーを渡され、一人ずつエレベーターに乗って、部屋に入った。

室内はシングル用ベッドルーム。部屋のスペースの大部分をベッドが占める。浴室、デスク、お茶のセットなどが常備。タオル類は使い捨てのものだった。ベッドの横には窓があり15度ほどしか開けることはできなかったが、まずはほっとした。

部屋に到着時点で、羽田に到着時から約4時間半。あっという間だった。

空港での書類審査の時点で、食事のタイプを選べるようになっており、自分は「ビーガン(実質的にはベジタリアン)」を選択していたが、夕食は肉が入った通常のメニューのお弁当だった。部屋からホテル内のコールセンターに電話すると、「ベジタリアン食のお弁当提供は2日後からになります」と言われ、代わりに運ばれてきたのはベジタリアンのカップラーメン2個。

飲み物は冷たい日本茶とミネラルウオーターが提供された。アルコール類の持ち込みは禁止で、禁煙である。

一方、食事の時間が1日のリズムとなり、ベジタリアンの弁当は、野菜と豆類を中心としたタンパク質のバランスが取れており、美味だった。

さらに、新鮮な野菜やフルーツなどをAmazonで注文することができ、その日中に届けてくれた。都内に住む家族が差し入れを受付に持ってきてくれたことも、助かった。

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