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- 2021年12月29日 12:04
【129カ月目の汚染水はいま】「反対意見を無視するな」「県民公聴会開け」~海洋放出に向け着々と進む既成事実づくり、福島の市民団体や自治体から懸念噴出
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政府が汚染水海洋放出方針を決定したことを受けて東電が着々と既成事実づくりを進めていることに、市民団体や自治体から懸念の声があがっている。市民団体は27日午前、福島県知事宛ての申し入れ書を提出。海洋放出設備に関する事前了解願いに同意しないことや県民公聴会の開催を求めた。
同日午後の「廃炉安全監視協議会」では、いわき市の担当者が「関係者の十分な理解がないままに放出に向かって進んでしまうという印象が拭えない」と釘を刺した。肝心の福島県知事は「国の責任で」と繰り返すばかり。原発事故は民主主義をも破壊することが良く分かる。

①福島県民と県内農林水産業はじめ地域の社会経済を守るために、福島県として海洋放出反対の意思を表明し、本件事前了解に同意しないこと
②漁業者をはじめ福島県民の生業を守り、県民生活の安全・安心を確保するため、政府と東電に対し地下水の止水、トリチウム分離技術の実用化、大型タンクでの長期保管案やモルタル固化保管案等の汚染水対策を求めること
③廃炉安全監視協議会等で意見を集約するばかりでなく、県民の声を聴く県民公聴会を県として開催すること
東電は21日、汚染水の海洋放出実施に向けた「実施変更認可申請書」を原子力規制委員会に提出。その前日には「福島第一原子力発電所の廃炉等の実施に係る周辺地域の安全確保に関する協定」に基づき、福島県や大熊町、双葉町に「事前了解願い」を出している。東電・松本純一氏(福島第一廃炉推進カンパニープロジェクトマネジメント室長兼ALPS処理水対策責任者兼福島本部)は「今回は設備の安全性を規制委員会に審査していただくという申請。
海洋放出の許可を求める申請ではない」と筆者に語ったが、原子力規制委員会はもちろん、福島県や2町が同意すれば汚染水の海洋放出に大きく前進することになる。福島県内市町村議会の7割が海洋放出に反対や慎重な対応を求める意見書を採択。世論調査でも反対の声が多いにもかかわらず、だ。
だからこそ、「反対意見を反映しない形で事がどんどん進んで行くということに非常に不安と懸念を抱いている。県民の意見をぜひ反映していただきたい。県が防波堤になって欲しい」(武藤類子さん)、「県も代替案を真剣に検討するべきだ。海に流した途端に加害者と呼ばれる立場になってしまう。今までの県知事の姿勢を乗り越えることが求められている」(中島孝さん)、「国の責任でやってくださいと言っているだけでは県知事としての責任を全うしていることにならない。県民の声を聴く公聴会などを県が率先して開いて欲しい」(佐藤和良さん)と内堀知事に求めているのだ。



同日午後の「廃炉安全監視協議会」では、いわき市の担当者が「関係者の十分な理解がないままに放出に向かって進んでしまうという印象が拭えない」と釘を刺した。肝心の福島県知事は「国の責任で」と繰り返すばかり。原発事故は民主主義をも破壊することが良く分かる。

【「県も代替案の検討を」】
11月に発足した市民団体「海といのちを守る福島ネットワーク」は27日午前、福島県の内堀雅雄知事宛てに「福島第一原発汚染水の希釈放出設備等の実施計画変更に関する事前了解について」と題した申し入れ書を提出した。申し入れ項目は次の3点。①福島県民と県内農林水産業はじめ地域の社会経済を守るために、福島県として海洋放出反対の意思を表明し、本件事前了解に同意しないこと
②漁業者をはじめ福島県民の生業を守り、県民生活の安全・安心を確保するため、政府と東電に対し地下水の止水、トリチウム分離技術の実用化、大型タンクでの長期保管案やモルタル固化保管案等の汚染水対策を求めること
③廃炉安全監視協議会等で意見を集約するばかりでなく、県民の声を聴く県民公聴会を県として開催すること
東電は21日、汚染水の海洋放出実施に向けた「実施変更認可申請書」を原子力規制委員会に提出。その前日には「福島第一原子力発電所の廃炉等の実施に係る周辺地域の安全確保に関する協定」に基づき、福島県や大熊町、双葉町に「事前了解願い」を出している。東電・松本純一氏(福島第一廃炉推進カンパニープロジェクトマネジメント室長兼ALPS処理水対策責任者兼福島本部)は「今回は設備の安全性を規制委員会に審査していただくという申請。
海洋放出の許可を求める申請ではない」と筆者に語ったが、原子力規制委員会はもちろん、福島県や2町が同意すれば汚染水の海洋放出に大きく前進することになる。福島県内市町村議会の7割が海洋放出に反対や慎重な対応を求める意見書を採択。世論調査でも反対の声が多いにもかかわらず、だ。
だからこそ、「反対意見を反映しない形で事がどんどん進んで行くということに非常に不安と懸念を抱いている。県民の意見をぜひ反映していただきたい。県が防波堤になって欲しい」(武藤類子さん)、「県も代替案を真剣に検討するべきだ。海に流した途端に加害者と呼ばれる立場になってしまう。今までの県知事の姿勢を乗り越えることが求められている」(中島孝さん)、「国の責任でやってくださいと言っているだけでは県知事としての責任を全うしていることにならない。県民の声を聴く公聴会などを県が率先して開いて欲しい」(佐藤和良さん)と内堀知事に求めているのだ。

県政記者クラブで会見した市民団体「海といのちを守る福島ネットワーク」。東電の事前了解願いに同意せず、まずは県民公聴会を開いて意見集約するよう求めている=福島県庁

「廃炉安全監視協議会」にリモート参加したいわき市の室拓也課長は「関係者の十分な理解がないままに放出に向かって進んでしまうという印象が拭えない」と釘を刺した=杉妻会館

東電の松本純一氏(左)は取材に対し「大規模な説明会を開催するというような計画はない」と述べた=杉妻会館
- 鈴木博喜 (「民の声新聞」発行人)
- フリーライター



