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Fedは想像以上に景気先行き見通しに慎重・・・

みなさん、こんばんは!
為替千里眼、今週も1週間お疲れ様でした。

週末のNY市場は、ISMの好結果や週初のイタリアショックを背景とした円の買い戻しに対するアンワインドな動きも伴い、ドル円は93円Midまで急伸、懸念されていた強制歳出削減メカニズムは発動回避には至りませんでしたが、市場はそれなりに織り込んでいたことなどもあり影響は限定的、ストレートでは軒並みドル買いとなりユーロドルは一時1.30割れ、ケーブルも一時1.50割れを示現したところです。

個人的にはドル円以外真逆の展開となってしまいましたが(汗)、ドル円は92円Midからのロングでしたので、予想外に伸びてくれた点はラッキーだったのかもしれません。テクニカル的にもドル円以外は基調的に下方向を継続しており、今週初にも取り上げたように欧米金融政策および景気回復ピッチの遅れ、そしてイタリア政局の乱れなども尾を引く形となっておりますので、売られ過ぎからくる自律反発以外は、次週も足許の流れを継続するものと思われます。

さて、次週は恒例の米雇用統計および英欧豪金利発表など注目材料目白押しの1週間となりますが、昨晩のマクロを軽く振り返ってみたいと思います。注目のISM製造業につきましては、前月比+1.1pの54.2と市場予想の52.5を上回る好結果。項目別では新規受注は57.8と前月の53.3から大きく改善、その他生産、価格、受注残、輸出などが改善いたしましたが、肝心の雇用指数は前月の54.0から52.6へと悪化、これでシカゴPMIと合わせ製造セクターの雇用指数は軒並み鈍化したということになります。

その他、個人消費支出等は概ね市場予想どおりとなり、底堅い米マクロを背景にドル買いが優勢だったところではありますが、債券市場は強制歳出削減メカニズム発動を背景に上昇、10年債利回りは-3.5bpsの1.853%程度まで低下しておりますので、ドル円の反転上昇の持続性も少々慎重に見ておいたほうが良さそうです。

CFTC IMM positions(February 26, 2013)
JPY:Long51,998  Short117,342
EUR:Long74,832  Short84,226
GBP:Long31,126  Short67,256
CAD:Long42,171  Short63,604
CHF:Long 8,165  Short16,356
AUD:Long79,140  Short53,445
NZD:Long23,570  Short 3,273

※先週データはこちら

IMMポジションです。週初のイタリアショックを背景に円ショートは若干減少したものの、ネットショートは6.5万枚と変わらず、ユーロに関しましては売り越しに転じており、前週の2.0万枚のネットロングから1.0万枚のネットショートと3.0万枚程度ショートが増加しております。

その他全般的に売り越しが目立っており、各通貨における対ドルでのショートが拡大傾向、各国緩和的金融政策方針を背景に売り越しが目立っている状態です。

ただ、今週行われたバーナンキ議長の議会証言の内容および強制歳出削減メカニズム発動により、市場が想起する早期緩和策終了という思惑の可能性は大きく後退すると思われますので、そうした観点からは他国同様利上げ時期が見えなくなってくる状況ですので、次週もまたドル優位の展開となるかどうかは微妙な情勢かと思われます。

US10Y Treasury Notes
リンク先を見る

米10年債利回りです。周知のとおり、週初のイタリアショックを背景に安全資産への需要が高まり急激に利回りは低下している状態。ドル円は反発を見せておりますが、債券市場は引続き欧州懸念再燃を背景とした根強い警戒感があります。

ドル円も既にモメンタムは下向きとなっておりますので、次週も引続き上方向を維持するというよりかは、雇用統計を背景にポジション調整の一週間になるのではないかと思われ、あとはイタリアの混乱に対してECBがどのようなアクションを取るのか、週初の財務相会合および木曜日の金融政策決定会合が焦点となるのは言うまでもありません。

10年債利回りもトレンド的には1.70%付近まで低下してもおかしくない状況ではありますので、円サイドから追加的な目新しい円安材料が出ないと94円トライは難しいかもしれませんが、あとはISMやADPなどの米マクロの結果がどうでるか・・・次週は様々な要因で積極的な動きとなりそうなので、方向感は出にくいかもしれません。

今週は大まかな材料で言うと、イタリア総選挙後の不透明感、バーナンキ議長の半期議会証言、そして米強制歳出削減メカニズムの発動、というのが最大のポイントになったのではないかと思いますが、イタリアの総選挙については既に多方面で報じられているとおり、事前調査の予測に反して明確な勝者が現れず、市場にとっては最悪シナリオに近い結果でありました。

早い話が「どの党も単独では十分な議席を得られなかった」のが実情で、大連立を樹立しない限りイタリアが必要とする財政改革や構造改革の実行は困難であり、その連立樹立も現状は協議が難航している状況です。

足許では伊国債が大量に売られているような動きは見られませんが、一番の懸念点は、財政緊縮や構造改革などの遅れからくる景気転換点の遅れであり、仮に景況感が悪化しなかったとしても改善もしないとバークレイズは報じております。こうした懸念が欧州全体に広がる可能性の方が大きいかもしれません。

続いて、バーナンキ議長の議会証言についてですが、今回の議会証言では資産買い取りの便益と潜在的なコストについて論じ、「現時点では、一部の金融市場におけるリスクテイクの高まりの潜在的なコストが、より強い景気回復を促進させるための便益を上回っているようには思えない」との見解を示しました。上記を踏まえても現時点で買取りプログラムを減速または早期に終了させる可能性は全く示唆されず、労働市場の改善も「緩やか」、インフレ率についても「引続き低い」と市場の早期買取りプログラム終了期待はことごとく一蹴された訳です。

さらには影響こそ限定的と言われておりますが、強制歳出削減メカニズム発動によりGDP1Qにも悪影響が出る可能性が高い状況で、このことについては議会証言においても「強制歳出削減措置が発動されれば成長率に対するダウンサイド・リスクが生じる」と指摘していました。

たしかに、ここ最近Fed内において資産買い取りを継続することによる潜在的なリスクについての議論が高まっているのは事実のようですが、現時点では資産買取りを行う便益の方が、潜在的なコストを上回っていると引続き考えているようで、現状の資産買取りは、減額する可能性こそあるものの従来の見通し以上に長期に渡って継続される可能性もあるという点は念頭においておくべきかもしれません。

では、次週も宜しくお願いします

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