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批判を逃れる米軍のリーダーたち

今日の横浜北部はやはり晴れております。今日はひな祭りですな。

さて、ここ数日のエントリーに関連した、米軍についてのトピックです。

元軍人で、安全保障分野では非常に優秀なレポートや本を書いていることで定評のあるトーマス・リックスによる記事の要約を。

たしかに彼の言う通り、米軍のリーダーたちについてはまったくろくな検証がされておりませんね。

===

米軍のトップにたいする疑問
by トーマス・リックス

●過去11年にわたってわれわれはイラクで不必要な戦争、そして必要以上に長い戦争をアフガニスタンで戦っており、文民のリーダーたちはその判断のまずさと勝利への戦略の欠如を――まったく正しい理由から――批判されている

●ところがこの紛争が長引いている中で、制服組のリーダーたちは国民の目から厳しい批判の目からうまく逃れている

●実際のところ、戦争の失敗についてはわれわれの将軍たちにも同じくらいの責任はある。とくに彼らは自分たちが戦っている戦争そのものを理解できておらず、さらには効果的に戦うために状況に合わせて戦略を調整することにも失敗しているのだ。

●戦争を手じまいにしつつある現在でも、われわれの将軍たちの失敗は国民の目から正しく批判されておらず、さらには内部調査も行われていない。

●ベトナム戦争の終結の時には、米陸軍は軍の実態状態を調べる大規模な調査を行ったのだが、現在は私が知る限り全くこのような批判的な調査は行われておらず、内部調査は相変わらず幹部たちを賞賛するものばかりで、その責任をすべて政治家に押し付けている

●最近退役した元陸軍大佐のポール・インリンがイラク戦争が上手く行っていない時期に述べたように、戦争に負けた責任を負うべき将軍よりもライフルを失くした一兵卒のほうが処罰を受けることが多いのだ。

●過去においては連邦議会での証人喚問が軍の自画自賛的な分析に疑問を差し挟むことになったのかもしれない。

●ところが現在の政治家たちは「われわれの軍隊を批判した!」と非難されることを恐れて、軍のリーダーたちの能力を徹底調査できていないのだ。

●また同時に、非常に多くの重要な疑問が残されたままだ。

●たとえば、なぜわれわれは戦争を行っている時に軍のトップをこれほど頻繁に交代させるのだろうか?という疑問がある。

●たとえば去年の 月のはじめに、アフガニスタンにおける米軍の司令官としてジョン・アレン将軍に代わってジョセフ・ダンフォード将軍が選ばれたのだが、彼はアフガニスタンで戦争を指揮する司令官としては12年間で11人目の人物だ。

●もちろん部隊レベルで兵を入れ替えするのは適切なことであるが、毎年のようにトップの司令官を入れ替えするのはマネージメント的に全く意味不明だ。これは幹部たちを毎年入れ替えながら企業を経営することと同じであり、これがどれだけ異様なことかおわかりいただけるはずだ。

●もしくは1944年の正月、つまりノルマンディー上陸作戦の六ヶ月前の時点で、米陸軍参謀長のジョージ・マーシャル将軍が、連合国最高司令官のドゥワイト・アイゼンハワー将軍にたいして、誰か別の人にリードさせるように申し出るようなことなのだ。

●私の元同僚で反乱について研究している元米軍大尉アンドリュー・エクサムは、このような急速な入れ替えこそが「イラクとアフガニスタンでの紛争にたいしてアメリカがいかに傲慢な扱いをしているのか」を表していると述べている。

●ところがわれわれの政治家のリーダーたちは、この速いペースの入れ替えについて公的に疑問を表明していはいないのだ。

●また、なぜわれわれの軍のトップたちは部下たちを戦場に連れて行くことばかりに注目していて、その戦闘が終わった後のことについて必要となることについてはほとんど関心をもっているようには見えないのだろうか?

●まさにこの典型がイラクだったのであり、われわれの軍の司令官たちは2003年の侵攻については真剣に考えていたが、その後につづく長期の占領期間の間に何が起こるのかについてほとんど無視していたのだ。

●もちろんわれわれが反乱にたいして破壊ばかりを狙うアプローチは効いておらず、莫大な火力を使うことは非生産的であることは当初からほぼ想定されていたはずなのだが、アメリカがより効果的な戦略を使いはじめたのはようやく2007年のはじめになってからなのだ。この時点で、われわれの軍は第二次大戦よりも長い期間をイラクで戦っていたことになる。

●なぜわれわれの軍は反乱軍から民間人を守り、反乱者たちを尋問し、敵対勢力を拘留するという任務にたいしてろくに準備できていなかったのだろうか?戦争開始からほぼ十年たっているが、いまだにこのような疑問についてわれわれの政治家は何も問いを発していないし、軍の司令官たちも何も答えていないのだ。

●これらの疑問に答えられないとなると、現在はまだ強い軍であるとしてはいえ、この先の20年間でわれわれが今後直面するであろう紛争にたいしても同じように答えられない状態になるのは確実であろう。

●これこそがイギリスが第二次大戦で得た厳しい教訓であった。第二次大戦開始直前は英海軍は世界最大であったが、イギリスの軍のリーダーたちは空母と潜水艦が海洋戦をこれほど劇的に変えてしまうものであることを理解できなかったのだ。

米軍は世界最強であることをいくら誇ったところで、何も教訓を学ばなければよい結果は全く生まれない

●復員軍人の日はまたやってくるが、米国防総省のトップの幹部たちは自分たちが率いている国家(と部下の兵士たち)にたいして、謙虚な姿勢で反省すべきである。

●そしてわれわれの政治家たちも、同様に厳しい質問を投げかけるべきであろう。

===

そういえば先日の講演会でも現役の米陸軍の幹部であるマクマスターの博士号論文を元にした本における軍のトップの無能さというものが明らかにされておりましたが、似たような本が将来書かれる可能性は高いですね・・・

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