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【衆院選総括シリーズ③】 参議院の1人区は野党共闘を継続すべき ‐衆議院選挙は政権選択選挙であり一律の野党共闘はやめるべき‐21.12.01

<自公はもともと水と油>

今回、自民党が野党共闘に対し、10月14日甘利幹事長発言をきっかけに野合を批判し出し、更に「立憲共産党」という中傷的言葉を多用した。有権者の多くがこの言葉に惑わされたことは明らかである。

古い話になるが、1995年自民党の機関紙・自由新報で20回にわたり新進党と創価学会の大批判が行われた。評論家・俵孝太郎も加わり、自民党内では亀井静香、白川勝彦等が公明党批判の急先鋒であった。「水と油」と言われていたそれが、野中広務幹事長の働きにより「悪魔にひれ伏しても」という名台詞とともに小沢一郎・自由党も入れ「自自公」の連立が出来上がった。自由党が分裂し保守党が生まれ、小沢・自由党が去り、「自保公」の連立になり、保守党が自民党と合体し2003年「自公」の連立政権が出来上がった。以来18年目にあたる。今回の我々の選挙協力を「立憲共産党」というならば、現政権は紛れもなく「自民公明党」政権に他ならない。

<柔軟になりつつある共産党は今後も脱皮する>

確かに共産党の綱領は「自衛隊」、「天皇制」、「日米同盟」という国の根幹に係わる点で、現実的とは言い難く理解を得がたい部分もある。また、「革命」といった過激な言葉も残り、時代錯誤のそしりをまぬがれない。ただ党の綱領といえども、いつか変わっていくものである。例えば、共産党は天皇陛下ご臨席の国会開会式には参加していなかったが、2016年から出席するようになっている。最近の選挙協力にみる共産党の柔軟な対応をみるにつけ、もうとっくに変わりかけているのではないかと思う。本当に共闘を続けるなら、他党といえども意見を言ってもいいのではないかと考えている。

<立憲民主党は予想外の敗北>

 選挙直前の世論調査は、我が党や自民党のものも各紙も大方、自民党減、立憲増の予測をしていた。ところが、選挙結果は無残であった。立憲民主党は公示前の110議席から14議席も減らし、自民党は13議席しか減らさず、維新が11議席から41議席に急増した。この結果を受けて、枝野代表は辞任表明し、11月19日告示、11月30日投票で代表選が行われることになった。今、代表選の真っ最中である。

<世論は野党共闘に否定的>

 選挙後、各紙世論調査が行われているが、朝日新聞(11/6.7電話)の結果を見てみる。野党一本化は、否定が51%、進めるべきは27%と少ない。立憲民主党支持層でも40%が進めるべきとしているが、37%が否定している。さらに無党派層は、進めるべきは21%にすぎない。毎日新聞も反対43%、賛成19%と大体同じ傾向を示しており、一般国民は野党共闘には否定的なようだ。これを受けてか4人の代表選候補者も見直しを明言している。

<連合の共産党との選挙協力への反発の影響>

 4月の補欠選挙の時以来、連合は立憲民主党の共産党との選挙協力、そしてその延長線上の政権奪取時の閣外協力について猛反発している。後者は今言うべきことではなく勇み足である。

 今回の選挙で愛知県等では、明らかに民間労組の非協力が悪影響を及ぼしたケースも見られるが、だからといって、自民党に投票することはないことから、影響は少なかったと思われる。

 しかし、今後となると芳野新連合会長の明確な拒否発言からして予測がつかない。しっかりと意思疎通を図り、混乱が生じないようにしないとならない。

<自公ベッタリ連立が全てではない>

私は来るべき参院選では1人区は絶対野党共闘以外には勝てないと思っている。一方、前号で述べたとおり、共産党と手を組むことに拒否感を示す中間層が多い。しかし、背に腹は代えられない。選挙に勝つためには仕方がない。このジレンマを切り拓ける党内運営をし、国民に説明していく以外に途い残されていない。衆院選は参院選とは異なり政権選択選挙なので、各党が堂々と戦ってそしてその後で連立なり閣外協力を考えればよいのではないかと思っている。日本では自公の選挙協力から連立まで何でも一緒といった固定概念がはびこり過ぎている。これに惑わされてはならない。

<選挙は戦っても連立もあり、第一党と第二党の大連立もあるドイツ>

ここで参考になるのがドイツの連立である。9月末の総選挙でメルケル前首相の率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が破れ、社会民主党(SPD)が第一党となり、ショルツ氏が組閣作業をしている。組閣作業は年内に終わればいいと言う悠長な話である。第一党が組閣の中心なるという事はどこの国でも大体慣例になっており、SPDは第三党の緑の党(Grünen)と第四党の自由民主党(FDP)に連立を呼びかけている。

その前に、メルケル政権はCDU・CSUとSPDの大連立だったのだ。つまり日本に例えれば自民党と立憲民主党が連立し内閣を構成していたのだ。

<気候変動対策が連立の鍵を握る>

そして連立交渉の大きなテーマ脱炭素である。何故かと言うと緑の党は、石炭火力はダメ原発もダメという主張である。それに対してFDPは産業政策を重視し、それでは困ることになる。根本的に考え方の違う政党、つまりエネルギー政策で「水と油」の政党が連立に向けて話し合い、11月24日シュルツ首相の下、3党の連立内閣の合意が成立した。早速核兵器禁止条約へのオブザーバー参加を表明し、日本に刃を突き付けた形となった。

COP26ではないが、今や世界の政治の一番の課題が気候変動対策なのだ。それが日本では今回の衆院選においてもほとんど争点なっていないというのは、気候変動対策に全く不熱心であり何もする気がないという証拠である。COP26で石炭火力への固執からいつもの化石賞の不名誉を続けている。

<比例区は実力通りで今後努力すべし>

比例区に目を向けると残念な結果も見える。比例当選者数は政党支持率と完全にパラレルな得票数となる。だから比例区では、62議席から大幅に減らし僅か37議席しか取れず、北陸信越ブロックに至っては11議席中6議席も自民党に取られる羽目になった。北陸3県はもともと自民党の金城湯池であり、恥ずかしながら我が長野県も17年と比べて自民党の得票率が前回より6ポイントも上がり、全体では中国ブロックに次ぐ41.83%も占めたからである。かくして中国、東海ブロックと並んで自民党の小選挙区立候補者全員が当選してしまった。

いくら小選挙区で議席を増やしても、176議席もある比例区で自民党に大勝されては政権交代が近づいてこない。やはり、今後は政党の支持率を上げることに全力を挙げなければなるまい。

<17年も21年も中道を選んだ賢明な日本国民>

 多分、大半の選挙通も気付いていないと思うが、小池劇場に振り回された17年と21年には共通点がある。17年は右に偏りすぎないリベラル、つまり希望の党入りを拒否して無所属で戦った者が支持を得て小選挙区で当選した。例を挙げると、私の4万票の大差の勝利であり、金子恵美、菊田真紀子等の小選挙区当選である。そして今回21年は、左に偏りすぎたと吹聴された立憲民主党に入らず無所属で戦った元同僚の福島伸享、仁木博文、北神圭朗、緒方林太郎の全員が当選している。そしてずっと前から同じ姿勢を堅持していた吉良州司とともに「有志の会」を結成した。

 日本国民は、左にも右にも偏りすぎることを嫌う、バランス感覚の優れた国民なのだ。彼らが大政党下の比例復活当選という保険に背を向け、毅然と戦っていることをしっかり見ていたのである。私は彼等に心から拍手をおくりたい。

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