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まるで料理写真の教科書 政府系金融機関が出した写真の撮り方マニュアルが話題に

日本政策金融公庫「売上アップにつながる写真の撮り方ガイド(飲食店編)」

日本政策金融公庫が発行した飲食店向けの写真撮影マニュアルが、「飯テロの勉強になる」としてネット上で話題となっている。

マニュアルは同公庫が今年6月に発行した「売上アップにつながる写真の撮り方ガイド(飲食店編)」。飲食店のメニューやSNS上で使用する写真について、プロのカメラマンの監修のもとで、光の向きや、伝えたい内容を明確にすることなどを図や写真を用いて分かりやすく説明したものだ。

売上につなげるポイントを紹介する事業者向けの内容ではあるものの、インターネット上に無料で公開されているため、事業者以外の層にも「飯テロの勉強になる」「よくまとめてあって分かりやすい」と評判となった。美味しそうな料理写真を撮るための教科書のような感覚で、幅広く読まれている。

マニュアルを発行した趣旨、さらに飲食店とそれ以外の写真の撮り方のポイントの違いについて、企画・制作担当者と監修したカメラマンの石田紀彦氏にそれぞれ話を聞いた。

飲食店の販促ツールにおいて写真は欠かせない要素

日本政策金融公庫の企画・制作担当者によると、今回の冊子の発行は、中小企業の経営に役立つ情報を発信してきた活動の一環。これまでにも「SNS活用ガイドブック」、「パート・アルバイト採用定着必勝マニュアル」などの冊子を発行してきた。(出版物一覧(https://www.jfc.go.jp/n/findings/kokumin_publications.html

飲食店向けの写真撮影マニュアルという点については、コロナ禍の影響で売上確保に苦慮している飲食店が多いことを受け企画したもの。担当者は「SNS、ホームページ、グルメ情報サイト、そしてメニュー表など、飲食店の販促ツールにおいて、写真は欠かすことができない要素だと考えた」と話す。

日本政策金融公庫「売上アップにつながる写真の撮り方ガイド(飲食店編)」

日本政策金融公庫「売上アップにつながる写真の撮り方ガイド(飲食店編)」

マニュアルでは、撮影する際の光の向きは被写体の後方斜め45度から差し込むようにする「半逆光」がいいとし、実際の写りやアンケート結果を比較しながら売上への効果を解説するほか、構図や被写体の配置など細かな点まで助言をしている。

制作にあたっては、以下の2点を心がけてカメラマンの石田氏と打ち合わせを重ねた。

・きれいな写真ではなく、売上アップにつながる写真の撮り方にすること
・専門的な機材を用いずにスマホで簡単に撮影できる実践的なノウハウに絞ること

飲食店からは「本当に美味しそうに撮れた」と喜びの声が届くなど反響は大きく、初版の2万部から3万部を増刷(2021年11月26日現在)したという。

監修のカメラマン「コロナ禍で写真の重要性高まった」

石田氏は同様のテーマでセミナー講演を行うなどしてきたが、コロナ禍でセミナーが軒並み中止になってしまった。一方でインターネットを通じたやりとりが増えた時期でもあり「必然的に写真の重要性が高まっていた」とし、日本政策金融公庫が冊子の形で発信する取り組みは有意義だと考え企画を受けたという。

石田氏は、売上アップにつなげるポイントは写真を撮る「目的」を意識することだと強調。「自分目線で綺麗に撮ることではなく、お客様目線で売上を目的として撮影することが大事」というメッセージを冊子に込めたと語る。

企画の要望にあった「スマホでの撮影」については、「マニアックなことを言えば、色表現やハイライトとシャドーの表現がイマイチという弱点はある」としつつ、「すぐ撮影して、すぐネット上にアップできる点は強み」だと指摘。プロモーションにおいては「継続」が重要で、「毎回一眼レフなど機材を用意するうちに更新が嫌になっていくよりは、スマホでも気軽に継続できる方がいい」と利点があることを説明した。

客側が美味しそうな料理写真を撮るためのポイントは?

Photo by Eaters Collective on Unsplash

今回の冊子は飲食店向けにまとめられたものだが、冊子を開いた読者の中には、客として店を訪れた際の写真の撮り方が気になる方も多いかもしれない。事業者ではない一般人が料理写真を撮るときには、どんなことを意識すればいいのか。

客として行った飲食店で、理想の光の角度を求めてテーブルの周りを移動したり、レフ板を取り出したりするわけにはなかなかいかない。食べ歩き好きで飲食店で料理の写真を撮ることも多い筆者としても気になった「客側の立場でできるコツ」を石田氏に聞いた。

石田氏は「座る席の位置ですね」と話す。「半逆光(料理に対して、後方斜め45度から当たる光)で撮影した方が料理写真は美味しく見えます。つまり、友人と食事をする際、友人を窓際に座らせ、自分はその向かいに座れば、同じお店の写真をアップしてもSNSの『いいね!』の数は、友人より3割くらい多くなると思います(笑)」


また石田氏は、冊子では伝えたいことや写真を撮る目的について考えるよう強調したというが、「一般の方は、難しく考える必要はないと思います」と話す。「事業者さんの目的は売上アップなので、写真を通して伝えたいことをよく考える必要がありますが、一般の方が写真を撮る目的は、思い出をきれいに保存したいことなどです。自由にご自身のセンスで撮影すればよいと思います」

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