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【ウォルマート】、ドローン宅配を3店舗でテスト!どうしたアマゾン・プライム・エア?


■ドローン開発のジップライン(Zipline)と提携した自律飛行機によるオンデマンド宅配をローンチしているウォルマートは22日、別の種類となるドローンでの商用宅配を開始することを発表した。

ドローン開発のドローンアップ(DroneUp)と組んだ空輸サービス「空輸宅配(Delivery on the fly)」は、本社所在地のアーカンソー州ベントンビルから車で南に約30分のところにあるファーミントン地区のウォルマート・ネイバーフッドマーケット(367 W Main St, Farmington, AR 72730)で行われる。

同店があるエリア内には管制塔とハブとなるドローン空港も設置されているのだ。

ウォルマートは昨年、ドローンアップと新型コロナウイルス検査のための自主検体採取キットの宅配をラスベガス北部とニューヨーク州のチークトワガ地区で行った。すでに数百におよぶテストキットを空輸宅配した実績があるのだ。

また今年1月にはコーヒーとコーラをミックスした新商品「コカ・コーラ ウィズ・コーヒー(Coca-Cola with Coffee)」のキャンペーンでドローンアップのドローンを使ったマーケティングも行っている。

2日間だけの新商品マーケティングではコカ・コーラの本社があるジョージア州アトランタから210マイル(340キロメートル)南東のウォルマート・スーパーセンターで実施。アプリを介して注文すると2種類の新商品を利用者宅に空輸したのだ。

ウォルマートはドローンアップとの提携実績で、店舗からの宅配サービスに応用することになるのだ。

 ドローンアップのドローンは固定翼となるジップラインのドローンと異なり、通常の回転翼タイプだ。

発射台が不可欠なジップラインでは店舗より高い25フィート(約7.5メートル)の空港施設が必要だったが、ドローンアップでは大掛かりな施設の建設はなくすぐにローンチできるのだ。

グライダー式となるジップラインのドローンは機体の腹部にあるハッチが開いて注文品をパラシュート投下される仕組みとなる。

一方、ドローンアップでは、注文者宅のバックヤード(裏庭)に到着すると80フィート(約24メートル)まで下降し、ホバリングしながらケーブルを地面にまで降ろして注文品を届けるのだ。

ジップラインでは飛行速度が時速80マイル(約128km)にも達するが、ドローンアップはそこまでスピードがでず飛距離もないため、対象地域はハブ空港から数マイル程度と狭い範囲となる。

両者とも注文から30分間程度と超速宅配となる。

ジップラインの着陸は、日本でパチンコとして知られるスリングショットのようなカタチでドローンを捕らえる。2

つのタワーにケーブルを張り、尾翼の下にあるフックにケーブルを引っ掛けるのだ。緊急時の着陸では、グライダーからパラシュートが開いて着陸させることになる。

ドローンアップはヘリコプターのように機体をゆっくり下降しながら着陸できるのだ。

ジップラインは自律飛行だが、ドローンアップはフライトオペレーターが必要となり、機体にあるカメラを介してモニタリングしながら操縦する。

そのためドローンアップでは移動式の管制塔を空港に設置するのだ。

いまのところ最大積載量はジップラインで4ポンド(約1.8kg)、ドローンアップで3ポンド(約1.4kg)と差はない。

対象となる空輸品はジップラインと同様に市販薬やバンドエイドなどヘルス&ウエルネスが中心になる。

 ドローンアップは施設が簡易的でローンチしやすいことで、近いうちにファーミントン地区以外でもアーカンソー州ロジャースにあるネイバーフッドマーケットにベントンビルのスーパーセンターでも宅配テストを予定している。

 ウォルマートのドローン宅配では、イスラエルのドローン配送企業のフライトレックス(Flytrex)と提携しているプロジェクトもあり、さらなる空輸実験が追加されそうだ。

2021年11月21日 - 【ウォルマート】、「ポツンと一軒家」に最短30分宅配!社会貢献を目的としたサービス?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。アマゾン創業者でCEOであったジェフ・ベゾス氏がドローン宅配を明かしたのが2013年でした。物流センターから飛び立つドローン宅配のイメージ動画は当時、世界を驚かせたものです。

しかしアマゾン・プライム・エア(Amazon Prime Air)は現在、実用化には至っていないばかりか実験等のニュースも聞こえてきません。アマゾンは2019年6月、プライムエアのドローン宅配サービスを数ヵ月以内で開始することを宣言しました。が、何も起こりませんでした。

一方、ウォルマートはDX化を進めながらラスト・ワン・マイルに自動運転車やミドルマイル用に無人トラック、そして空輸では2種のドローンと商用実験を次々に始めています。IT大手が食品スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」などの店舗展開に注力し、田舎のディスカウンターとして成長してきたチェーンストアがIT武装しているのも実に面白い。

当ブログタイトルにある「激しくウォルマート」のような猛烈さで、ウォルマートはイノベーションでもアマゾンを追撃しようとしています。

 リスクの大きいドローン宅配はすんなりと拡大できそうにはありませんが(オセロで盤面上の四隅を取るように)ウォルマートは着実に角を押さえていきます。

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