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海外で拡大するコロナ感染とオミクロン株の恐怖

 南アフリカで確認された新変異株、オミクロン株は、感染力が強く、ワクチンの効果も疑問だという。すでに世界中に広まりつつある。

 この厄介な変異株の登場前に、ヨーロッパや韓国では、新型コロナウイルスの感染が再拡大していた。多くの国が「コロナとの共存」路線を転換して、感染防止策の強化を図ろうとする動きが強まっている。

 欧州諸国の感染拡大は、10月中旬からであり、寒さが本格的になる時期である。季節的要因が関わっている可能性がある。

 韓国では、新規感染者が10月下旬には1200人ほどに減ったために、11月に規制を緩和したが、その結果、その後増加に転じ、11月26日には4千人を超えている。

 寒さという要因以外で、感染再拡大の理由として考えられるのはワクチン接種効果の減退である。イギリスが昨年の12月8日に接種を開始するなど、ヨーロッパは日本よりも接種開始で先行しており、それだけに効果も日本よりも先に減る。韓国では、2月以降に接種を開始しており、早期に接種を終えた高齢者の感染が拡大している。

 ヨーロッパでの研究によると、2回の接種完了後6ヶ月経つと効果が減退するという。個人差はあるが、総じて抗体が半分くらいに減るという。そこで、3回目の接種を急いでいるのである。韓国では、6ヶ月どころか、4ヶ月後には摂取することにしている。この判断は合理的で、抗体は6ヶ月後に急減するのではなく、次第に減っていくからである。

 このような欧州でのデータがあるにもかかわらず、日本では2回接種完了8ヶ月後から3回目の接種を行うということを、厚労省が早々と決め、全国の自治体に通達してきた。誰が、どういう判断と基準で8ヶ月という数字を出したのか。きちんと検証する必要がある。日本の感染症対策はデータに基づくものではなく、分科会に集う「専門家」たちの勘で行なっており、それが失敗を繰り返すことにつながってきた。しかも、後手後手の対応が繰り返されている。

 3回目のブースター接種については、8ヶ月後という厚労省の指示通りに準備してきた自治体から、急に2ヶ月前倒しにされても対応できないという苦情が出てきた。「原則は8ヶ月であって、6ヶ月はあくまでも例外」というのが政府の主張だ。これでよいのか。

 11月16日には、政府は新型コロナウイルス感染症対策分科会の会合を開き、イベントや飲食などの行動制限の緩和案が了承された。具体的には、ワクチン接種や検査の証明で行動制限を緩和する「ワクチン・検査パッケージ」がまとめられた。

 さらには、コロナ治療病床の確保についても、通常医療の制限という犠牲の上に成り立つ仕組みは改善されていない。国立病院機構(NHO)や地域医療機能推進機構(JCHO)の病床が活用されなかったり、いわゆる「幽霊病床」が存在したりしたことを、私も厳しく糾弾してきたところである。岸田内閣は、病床の「見える化」を謳っているが、具体的にはどうするのか。

 岸田政権は、安倍・菅政権下で白日の下に晒されたコロナ対策の様々な不備を継承してはならない。

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