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新生銀行の未来は

新生銀行に対するSBIホールディングスの株式公開買い付け(TOB)が第一関門を越えた。このTOBに反対する新生銀行の臨時株主総会が中止となり、SBIに対するポイズンピル(毒薬、今回の場合はSBI以外の株主に対する新株発行)が見送られたからである。

直接的には新生銀行の大株主である政府(預金保険機構と整理回収機構)がポイズンピルに反対する意向を示したことから、新生銀行は臨時株主総会を急遽中止した。政府は新生銀行の経営を支えるために(実際の年月を調べていないが)以前から株式を保有しており、それが全体の22.47%に達する。この反対に新生銀行は逆らえなかった。

現在、SBIは新生銀行株式の20.3%を保有している。それをTOBによって48%にまで高め、経営権を取得しようとしている。今後の焦点は、TOB価格が低いとの声がある中、その価格が引き上げられるのかどうか、本当に48%にまで保有比率を高められるのかに移る。

今回のTOBに関して、いくつか議論(質問かな)がある。SBIが本当に新生銀行の経営を良くしようとの意欲を持っているのか。意欲があったとして、どういう経営を行うのか。それによって新生銀行の業績が抜本的に改善し、株価が上がるのか。直接的には以上の議論である。

さらに言えば、銀行業界全体が構造不況にあることを念頭に置かなければならない。これは新生銀行だけの問題ではなく、銀行という産業全体に対するものである。銀行は経済に対して大きな影響を与えるため、金融庁や日本銀行をはじめとする行政が監督し、指導し、経営の方向を示している。この政府全体の行動が成果をもたらしてきたのか。上手くいってないから銀行業界が斜陽化しているのではないかという疑問である。

この点に関して時事通信から電話取材があったので答えておいた。

この記事、ネットでは全体が見られないようなので、答えた内容をコピペしておく。最終的にどのような記事になっているのかは不明ながら、ほぼ大丈夫だろう。以下のとおりである。

新生銀行が買収防衛策を撤回したのは、大株主の国(預金保険機構など)から賛同を得られない見通しとなったことが大きい。臨時株主総会が中止になり、株主らが防衛策発動の是非を判断する機会は奪われた。国は防衛策への考え方に加え、今後の銀行行政の在り方についてきちんと説明する責任があるのではないか。

銀行経営の環境は厳しく、株価は長期的に低迷しており、企業価値の向上は容易ではない。SBIホールディングスは新生銀の経営権を握る可能性がある。国は具体的にSBIに何を期待するのか。規制見直しを含め、銀行の経営環境をどう整備するかも示してもらいたい。以上である。

銀行の斜陽化の事例ではないかと思えるのが店舗の統廃合である。顧客にはATMさえあれば十分、だからATMだけを置くように統廃合されているらしい。そう言われれば「そうかな」と思うのだが、そもそもは預金に「金庫代わり」の意味しかない状態に誰がしたのか、誰が責任を持つのかと思ってしまう。

現金の引き出し、両替、国内の送金、海外への送金がもっと簡便かつ安価にならないものか。この点、新生銀行は送金面でサービスがいい。僕も愛用している。それがSBIの傘下になってどうなるのか。今回のTOBの結果について、個人的な利害はほぼゼロなのだが、唯一の心配が送金手数料であり、無料が有料になったら、「SBI、アホかいな」と思いかねない。

送金は細かなことかもしれないが、それへの対処に、銀行業の未来の一端が見えるような気がする。

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